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ユビキタス空間情報システム
ユビキタスと都市空間
身の回りに埋込まれた大量の見えないコンピュータを使って私たちの生活をサポートする、ユビキタスコンピューティング。その鍵となるのはコンピュータが実世界を理解する「コンテクスト・アウェアネス」の実現である。特に私たちが生活している空間を、コンピュータが理解できることは非常に重要である。例えば、街で友人に会う約束があり、それをサポートするサービスを作ることを考えてみる。すると、今自分や友人がどこにいるのか、どの道を通ればスムーズに約束の場所へ辿り着けるのかといったことを包括的に考慮する必要がある。これは都市空間の状況をコンピュータが理解することに他ならない。
ユビキタスと空間には切っても切れない関係がある。坂村・越塚研究室では、ユビキタスコンピューティング環境の実現へ向けて、空間を理解した情報サービス基盤の研究を行なっている。特に、都市環境における歩行者の行動支援、さらに障碍者の方の移動支援を含め、多角的に研究を行なっている。
ユビキタス空間識別基盤
都市での空間情報サービスを実現するために、我々はユビキタス空間識別基盤を提案している。 これは、ユビキタスIDアーキテクチャをベースに、ucodeという固有識別子を介して実空間と情報サービスを結びつけるインフラである。
このインフラの基本的な考え方は、都市環境の様々な「場所」に対して、ucodeという一意の番号を割振ることである。そして、それらの「場所」に空間を認識するユビキタスマーカを展開することで、緯度経度ではなくucodeとして歩行者の現在地を認識する。例えば、お店の前には赤外線ビーコン、電柱には電波マーカ、掲示板にはRFIDといったように、都市環境にたくさんのデバイスを設置し、その場所のucodeを発信する。歩行者は携帯端末でマーカからの信号を受信することで、GPSの利用できない屋内であっても現在地を把握することができる。
さらに、都市の様々な情報をこのucodeを利用して表現する。情報サービスは、現在地のucodeをキーに、このようなデータから必要な情報を取り出し、サービスを構築する。例えば歩行者ナビゲーションサービスであれば、都市空間のどこに道があるのか、どこに目的地となる施設があるのかといった情報をucode間の関係で表現し、この知識を利用して歩行者の最適経路を決定するのである。
ユビキタスが可能にする場所情報サービス
ユビキタス空間識別基盤ができれば、今までよりはるかにきめ細かな位置情報サービスが実現するはずである。現在、自律移動支援プロジェクト、東京ユビキタ ス計画などと連携して、様々な形で私たちの提案の実地検証を行なっている。さらに屋内歩行者ナビゲーションについては既に実用化しており、東京ミッドタウ ンでは商用サービスの一部として既に利用されている。
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将来的には、ユビキタスIDアーキテクチャの扱うヒトやモノ、概念と、「場所」とが高度に連携したサービスも可能になるだろう。このことは、これまでにない新しい応用の可能性をも切り開く。例えば、個人の身体特性や環境の状態を総合的に判断して、最適な移動方法を提案してくれる、高度な移動支援サービスが実現するかもしれない。あるいは、住所よりも細かく、今顧客がいるところ、特定の商品があるところまで確実に品物を配送する、マイクロ物流サービスなども実現するであろう。つまり、実空間に関係するあらゆる知識を横断的に利用したサービスを実現する、そんな可能性を秘めているのだ。 |
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