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デジタルミュージアム
坂村研究室、および東京大学総合研究博物館が、コンピュータ技術を積極的 に応用することで資料の保存と利用という二つの機能を両立させ、さらに、強 化することを目指す「デジタルミュージアム構想」を立ち上げたのは、1996年 のことである。以来、デジタルミュージアムに関する研究は、坂村研究室の研 究テーマの一つとなっている。
ここで重要なことは、デジタルミュージアムは、デジタル情報を見せるだけ の、いわゆるバーチャルミュージアムなどではなく、現実の博物館の中でコン ピュータを利用し、実物の展示や研究に役立てることを目指しているという点 である。デジタル化された情報に対して「本物」の方が重要であることは言う までもない。デジタル化は決して「本物」を不必要にする技術ではなく、「本 物」の展示と二者択一的に対立するものでもない。情報空間での博物館である バーチャルミュージアムと、物理空間の現実の博物館であるリアルミュージア ムを、デジタル技術によって相互に補完しあい、有機的に統合する。このような、両方の空間にまたがる存在としてのデジタルミュージ アムが、21世紀の理想の博物館であると、我々は定義づけている。

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