ガープス・ルナル・リプレイ2
黒い聖剣ジャスティス
Session 9「予期せぬ事態」

目次

Chapter I 勇者、三度現わる
Chapter II ザウ、奥義を授かる
Chapter III刺客、船内に侵入
Chapter IV ザウ、奥技なかなか極らず……
Chapter V ルート、封魔の武器になる
Chapter VI バール、〈悪魔〉を斬りまくる
Chapter VII〈悪魔〉、天空に放たれる
Appendix 暇人の統計

勇者、三度現わる

 〈聖剣〉ジャスティスの修理に必要な特殊金属を手に入れるため、スティニア王城に忍び込み、追っ手を振り切って逃げ出してきてから、早くも数巡り。途中、プロントンの実家のある村の近くを通りかかったのだが、状況が状況である。今回は立ち寄らずに、グリトグラ村への道を急ぐことにした。
 そして、今、一行はグリトグラ村へと続く谷川沿いの山道を歩いている。このまま順調に行けば、あと丸一日進めば村に到着のはずである……のだが……。


GM では、グリトグラ村への谷川沿いの道を歩いて、村まであと半日。吊橋が見えてきました。

ミル そこは、ひょっとして……。

GM そうだね。ルフェルトが戦死した場所だ。

ミル それじゃ、その辺りの花でも摘んでいこう。

プロントン ここは……みんなと初めて出会った場所だな。覚えてるぞ。

ザウ 知合いでもないのに、いきなりルフェルトの遺体を運ぶのを手伝わされたもんな。(一同笑)

ミル たしか、橋の手前やったよね。そこに花を供えていく。

GM そして、君らは吊橋を渡って行きましたと。ここで聴覚判定をどうぞ。それから、ルートのぶんも、誰か振っておいて。

バール またかよ(笑)。(ころころ)ほら、成功だ。


 ちなみに、ルートのプレイヤーはちょっと遠くに引っ越したので、これから滅多に出てこられません。ということで、当分ルート君の出番はないです。


GM 聴覚判定に成功した人。こちらの岸も、道のすぐ横は崖になっていて、その上が森になっているんだが、その上の森の方からガサガサと薮をかき分ける音が聞こえてくる。

ザウ おいおい、本当にまたこのパターンか?

GM 少しして、「ウオォーーーッ!」という叫び声が。

バール 本当にそのパターンだったようだな(笑)。それで、またオーガーか何かか?

GM 最初に姿を表したのは、満身創痍の男が一人。「し、しまった! 崖か!」そして、その後ろからバキバキと枝の折れる音がして、すぐにオーガーが一体現れる。

バール なんか、追い詰められてるなぁ。

ミル ねえ、その男ってさぁ……。

GM 全身傷だらけ。左腕も折れてるみたい。

ザウ いや、そうじゃなくて。見覚えは?

GM 「こ、この、クレコ村の勇者様、グレイ・ウォーキンス様も、これまでなのか!? いや、まだ、まだ何か手があるはずだ!」(一同笑)

バール おーい、飛び降りろよ。

GM (聞こえてない)「そうだ、あきらめたらおしまいだ! あきらめるな、あきらめるなよ、俺!」

バール だから、飛び降りろって(笑)。

GM (やっぱり聞いちゃいない)「そうだ、左腕が折られたとはいえ、俺にはまだ、この右腕がある! 足もまだ大丈夫だ! まだ、勝機はある!」

バール いいから、早く飛び降りろってば(笑)。

ミル (大声)おーい、久しぶりやなぁ! なに楽しそうにしとるんや?

GM 「そ、その声は!? おおっ、君達は!」

バール ああ、わかったわかった。だから、さっさと飛び降りろよ。

GM 「わかった! 今行くぞ! とうっ!」

ザウ って、着地できるのか?

GM さあ? こいつ〈軽業〉とか持ってたっけな? ああ、やっぱり持ってないな。ねえ、どうせなら《空中歩行》か何かかけてあげてくれない? そうしないと、技能無し値で3メルーの高さから飛び降りることになるんだけど(笑)。

ミル しゃあないなぁ。ルートにかけさせる。(ころころ)かかったよ。

GM 「おっ、魔法か! 恩に着るぜ!」

プロントン いちいち「!」を付けないと喋れないのか、この人は。

ザウ それで、オーガーだったっけ? そいつはどうしてる?

GM 勇者を追って飛び降りてくる。ズシーンと。そいつの右目が潰れていて、右手首もぶらぶらしてる。

ザウ おおっ? 誰がやったんだ?

バール 自分でやったんだったりして。追いかけてる途中、岩場かなんかで転んでさ。(一同笑)

プロントン で、オーガーだけ?

GM そう。オーガーが一体だけ。

バール なるほど。頑張れよ〜。

GM ……って、助けないの?

ミル いや、この人、手を貸そうと言っても断りそうな感じだし。

GM いや、そんなことはしないぞ。「〈悪魔〉の手下を倒すには、団結の力が必要だ! みんな、手伝ってくれ!」

ミル 何か、こういうことに関しては素直やな(笑)。

バール それで、報酬は?

ザウ って、金は持って無さそうだが……。そうだ、こいつ、新しい封魔の武器の意志になってくれないかな?

プロントン おお、なるほど!

バール さて、それはどうだか分からないが……。

GM とか君達が言っている間に、オーガー対勇者の戦いが再開している。まずは勇者が後ろ回し蹴りを叩き込んで……当たってはいるな。それで、いくらかダメージを与えたようだけど。

プロントン ま、このまま放っておくわけにもいかないだろうし。

GM オーガーは左腕だけで丸太を振り回して反撃。(ころころ)ありゃ、いきなり防御失敗か。ダメージが……うーん、ふっ飛んでいきましたねぇ。

バール おーい、死んだか?

GM 死んじゃいないが、気絶したみたい。オーガーはそのまま君達にかかってくる。イニシアチブを振ってくれ。

バール 仕方ないなぁ。

GM (イニシアチブはGMが取った)さてと、一番近くにいるのはミルか。それでは、技能+4の全力攻撃で命中。

ミル くらうわけにはいかんよねぇ。(ころころ)シールドバトンで受けた。ガツン! うぐっ、お、重いぃ〜。

プロントン 俺の出番。パイリングハンマーで攻撃命中。

GM 受動防御だけだと、防御はほとんど絶望的だよなぁ。ダメージ下さい。

プロントン 12ダメージだ。

GM ほいほい、すでにだいぶ大怪我してたから、それで気絶判定なんだが……バーサークしてる奴は、そう簡単に気絶しないよな。

ミル うちは足払いをかける。(ころころ)成功。

GM これって、すぐに転ぶんだっけ?

ミル ええっと、うちの【掃腿】と敏捷力で即決勝負やな。そっちの方が体力があるやろうから、+1修正が付く。で、こっちは-4成功。

GM こっちは失敗。ということで、ズシーンと転倒する。誰かが下敷きになったりして(笑)。

ザウ 俺はまだ移動の途中。

バール 倒れたんなら、すぐに刺す。当然命中だな。で、技能が16以上なら6もクリティカルだったよな。効果はダメージ2倍で14。

GM 4点防いで、通った10点を刺しダメージだから2倍して20。死亡判定が2回だけど。

バール バーサークしてるからなぁ。

GM はい、死なないし、気絶もしない。で、オーガーは起き上がろうと上体を起こして、と。

プロントン パイリングハンマーの準備〜。

ミル 手首を狙って全力攻撃。命中して、ダメージが6。

GM 受動防御を一応振ってと……やっぱり駄目。まあ、使えなくなりはしないが、死亡判定をして……やっぱり生きてる。

ザウ 部位狙いで、残っている目を狙う。(ころころ)命中。

GM ほ〜い、だめだめだめ〜。ダメージおくれ。

バール なんか、投げやりだなぁ(笑)。

ザウ 6ダメージだよ。

GM うわぁ、両目が見えないよ〜。(←やっぱり投げやりな態度)


 とまあ、オーガーはみんなに囲まれて袋叩きになってしまったのであった。起き上がった途端にミルの足払いで転倒するし、プロントンのパイリングハンマーで足を潰されるしで、以前ルフェルトの命を奪った奴と同じ種族とは思えないような情けなさ。ちょっとかわいそうだったかも。


GM グサグサグサッと(ころころ)動かなくなりました。

プロントン で、勇者は?

GM 気絶中。

バール おーい、起きろー。

ミル まあ、ルートが呪文で起こすでしょう。あ、折れた腕って《大治癒》とかじゃ治らなかったっけ?

GM 一応、使えなくなったってことだから、《接合》が必要でしょう。どうせ誰も使えないだろうから、添え木をするとかの応急処置をして、後は医者に任せるしかないだろうね。とにかく、ルートの呪文である程度傷をふさいで、それから目を覚まさせた。

プロントン 歩けますか?

GM 「ああ、何とかな。しかし、君達のおかげで命拾いをしたようだ。ありがとうよ。それで、君達もグリトグラ村へ行くのか?」

ミル ああ、そうやけど。

GM 「すると、やはり龍闘技の寺院を目指しているのか!」

ザウ いや、目指してない目指してない。

ミル だいぶ前に見に行ったけどね。やっぱり、あそこの人達はすごかったで。

GM 「そうか! それは、ぜひとも手合わせをしたいものだ」

バール それなら、ちょうどそこに、龍闘技寺院出身のザウがいるが……。

ザウ 手合わせするにしても、その腕じゃなぁ。

GM 「ううむ……。今度あったら、ぜひ手合わせをしようと約束していたのに、こんなことになって、すまなかったな。早くこの腕を治さねば……」

ザウ 普通は「残念だ」とか言うんじゃないのか?

ミル この兄ちゃんにしてみれば、約束を破ったことになるから謝ってるんでしょう(笑)。

GM 「それはそうと、グリトグラ村へ行くなら、十分注意した方がいいぞ」

プロントン どういうことです?

GM 「実は、このオーガーだがな。村へ続くこの道の途中で、待ち伏せをしていやがったんだ」


 クレコ村の勇者(ただし自称)が出会った相手は、さっきのオーガーを含めて4人(?)。羽の生えた痩せた男と、頭の形が妙に歪んだ怪しい男、それにホブゴブリンとオーガー。相手はこちらに気付いた途端に《石弾》の呪文を撃ってきて、さらにオーガーが襲いかかってきた。
 いくらなんでも4対1では分が悪すぎる。それに、最初の呪文を避け損ねてダメージもくらってしまったので、やむなく戦術的撤退を試みたのだが、体の大きいオーガーの方が足が早い。
 そこで、障害物の多い森の中に飛び込んで、何とか振り切ろうとしたのだが、この辺りの地形を全く知らなかったため、いつの間にか崖の上に出てしまった。ちょうどその時、プロントンたちが吊橋を渡ってきたのである。


ザウ それで、その羽の生えた奴が魔法を使ってきたのか。そいつ、邪術師だな。

プロントン 追い掛けてきたのはオーガーだけなんだろ? 他の連中はどうしたんだ?

GM 「分からない。だが、そのまま別の旅人を待ち構えているか、グリトグラ村に向かったかのどちらかだろう」

バール まあ、どう考えても、そいつらはスティニアの手の者だろうな。俺達がグリトグラ村に向かっているってのは、すぐに分かるだろうから、待ち伏せでもしてたか。まあいい、気にせず行こう。

ミル それで、あんさんはどうするん? 引き返すんか?

GM せっかくここまで来たんだ。君達と一緒に、グリトグラ村に行くよ。

プロントン 待ち伏せしてるかも。

ザウ まあ、途中で出会わなくても、そのうち戦うことになるだろうから、どっちにしても一緒だよ。バールの言う通り、気にせずに行こう。


ザウ、奥義を授かる

GM では、そういことで出発して……無事に村に到着しました。

ザウ おや? 待ち伏せはやめたのかな。

プロントン 村の雰囲気はどう? この前来た時と違って、慌しかったりしない?

GM 別に〜。そのうち、君達の知合いとも出会うだろう。「おお、バールさん。ご無事でしたか」とかね。

ザウ とりあえず、こいつの腕の治療を頼める所に行こう。

GM 治療と言っても、傷はふさがっているから、あとは骨折した所をきちんとギプスかなんかで固めるくらいかな? どっちにしろ、そういう公共施設はジェスタ神殿附属だろう。
 一通りの処置が済んだところで、ザウに向かって、「俺も急いで骨折を治すからな。これが治ったら、今度こそ手合わせしような!」とか大声で言うと、ドワーフの看護婦さんに「はいはい、病室では静かにして下さいね」とか叱られてたりして。(一同笑)

ザウ でも、治療費払えるのか?

ミル 骨がくっついたら、治療費払うためにしばらく村で無料奉仕するんやろか?(笑)

ザウ きっとそうに違いない(笑)。

プロントン さてと。長旅で疲れたから、俺達も今日はゆっくり休もうか。夜中に襲撃があっても、村の人達の方が気付いてくれるだろうしね。

GM はい、おやすみなさい。で、そのまま何事もなく次の日の朝になった。

バール さてと。それじゃさっそく、ええっと……なんて言ったっけ? あの、デルバイの神官。

GM あれ? 何だっけ? ガテン……はプロントンの親方だし、フェレス……は〈多足のもの〉だし……。まあいいや。後でリプレイを見て調べておこう。(←ドラン神官でした。以後、リプレイでは覚えていたふりをして書きます)

プロントン そう言えば、俺も工事を途中でほっぽり出してきたんだよな。謝りに行かないと。もう、すっかり完成してるころだろうし。

GM 工事? 人間の泊り客なんて、年に数回しかないから、急いでないしね。君がいなくなった時のまま、工事は中断されてるよ。

プロントン ちょっと君達、いくらなんでも、そりゃまずいだろう。よし、さっそく今日から工事を再開するぞ。

バール 工事を始めるのか。それじゃ頑張れよ。俺達は地下に行く。

プロントン あれ? そう言えば、そっちの方を放っておくわけにも行かないなぁ。とにかく、指示だけは出しておくから、俺がいない間も工事をどんどん進めて、さっさと完成させちゃってくれよ。

GM わかったわかった。それじゃ、適当に指示を受けて、工事は再開することにしよう。

ザウ それじゃさっそく、こっちも地下に潜るか。

GM それなんだけどね。〈多足のもの〉と連絡をとったところ、相手側に何か用事があるらしくて、今は案内出来ないと言われたそうだ。十日後以降なら大丈夫だそうだけど。

ミル 用事って……何やってるんや?

GM さあ?

バール 仕方ないか。俺達だけじゃ、〈多足のもの〉の通路は通過できないからな。

GM ということで、十日ほど暇があるんだが、その間、何かしてる?

プロントン 工事の監督をして、さっさと宿を仕上げてしまいます。

ザウ また、龍闘技神殿に行ってみるかな。いろいろ報告することもあるし。

GM とか行ってると、勇者がやってくるぞ。「ほら、この通り腕はちゃんと治療してもらって、あとは骨が付くのを待つだけだ。その間暇だから、一度、龍闘技神殿ってところに挨拶に行きたいんだが、案内してくれないかな?」

ザウ 着いてくるのは勝手だが、取り成しとかはしないぞ。

GM 別に構わないよ。後は自分でどうにかするってさ。

ザウ で、ミルはどうする? おれは、ジャスティスをどうにかすると〈龍〉の力を何とかっていう話が、どうも間違いだったらしいってこととかも報告しに行くんだけど。

ミル うーん、この前も、ほとんど追い返されただけやったしなぁ。まあ、いいわ。ザウにつきおうたるよ。

バール それじゃ、今回も俺は、村で地下に潜るための準備をしておこう。でも、今回はジャスティスに血を吸わせるわけにはいかなくなってるから、村を抜け出したりはしない(笑)。

ミル そうだ、地下通路でやっつけた巨大蟻の殻、この村で鎧に加工してくれへんかな?

ザウ そうだな。他にあてもないことだし、駄目もとで頼んでみるか。

ミル いや、ここで駄目そうなら、〈多足のもの〉にやってもらうっていう手もあるかも知れないけど。あとは、船のお姉さんとか……。

ザウ 船のお姉さんに頼んだら、「それじゃ、着ている服を脱いで、あのカプセルに入って下さい」とか言われたりして。

バール 何? それで、もう一方のカプセルに蟻の殻を入れて、ミルと合成するのか?(一同笑)

ミル それはやめて〜ぇ(笑)。まあええわ。ドワーフに頼も、ドワーフに。

GM では、うまく加工出来るかどうか分からないが、とりあえず預ろう。

ミル どうせ駄目もとやからね。壊れてしまっても気にせぇへんから、気楽にな〜。それじゃ、龍闘技寺院に向けて出発しよか。


 ということで、ザウ、ミル、それにクレコ村の勇者グレイ・ウォーキンスの三人は、三日かけて龍闘技寺院に到着してのであった。


GM ほい、龍闘技寺院です。相変わらず気合いの入った掛け声が聞こえてくる。「でりゃ!」「うりゃぁっ!」「どりゃぁっ!」「うをぉーっ!」

ザウ ただいま〜。

GM 「何をやってる、そこ、もっと腰を落とせっ!」

ザウ おお、懐かしい声も聞こえてくるぞ。どんどん、もしもーし!

GM 扉がギギギと開いて、ドワーフが顔を出す。「入門者ですか……ああっ、ザウ先輩!?」

ザウ ま、まて、閉めるな!

GM 「また師範に怒られに戻ってきたんですかぁ?」

ザウ いや、怒られに戻ったわけじゃないんだが(笑)。いろいろ、報告事項もあってな。入らせてもらうぞ。

GM 「あ、ちょっと……」

ザウ 無視。そのまま奥の建物に向かう。

ミル なあ、勝手に入っていいんか?

ザウ 何、この前だって中に入ったんだ。大丈夫だろう。

ミル そうか? ザウがいいって言うなら、うちもついていこう。おじゃましまーず。


 当然、勇者も「おおっ、ここが龍闘技寺院かぁ!」とか、感動しながら、一緒についてくる。そして、ザウたちが奥の建物にたどり着く前に、その建物から、師範が出てきたのであった。


GM 「ザウよ。〈龍〉の力は、身に付けることが出来たのか?」

ザウ 実は、そのことで話があります。

ミル というか、謎が解けたら実につまらないことだったと(笑)。

ザウ いや、あれで全てと片付けるのは、まだ早いかも知れない。でも、とりあえず今までに判明した事実を報告します。かくかくしかじかで、〈龍〉の力と莫大な財宝というのは間違いで、どうも別の意味だったようです。しかし、わたしはまだ戻ってくるわけにはいきません。実はジャスティスに封じられている〈悪魔〉が、かくかくしかじかで、封印し直さねばならないのです。

GM 師範は、ザウの説明をじっと黙って聞いていた。そして最後に「そうか」と一言。

ザウ でも、まだ全てが間違いだったと確信したわけではありません。もしかすると、何か他の意味があるのかも……。

GM そこまで聞いて師範が口を開く。「そうだな、ザウよ」

ザウ は?

GM 「お前は、これまでのジャスティスの謎を巡る旅の中で鍛えられ、以前よりもずっと強くなったのではないか?」

ザウ そうでしょうか? 一応、返事は謙虚にしておこう(笑)。

GM 「うむ。たとえ直接拳を交えなくても、わしは分かるぞ。お前は、この龍闘技寺院を飛び出した時よりも、ずっと強くなった。何か特別な存在に、力を与えられなくても、龍の力を求める旅を続けることで、自らを鍛え上げたのだ。それこそが『〈龍〉の力を授かる』ということの真の意味なのであろう!」

一同 おおーっ!(笑)

ザウ ががーぁん! そ、そうだったのか! 師範、わたしは、これから新たな試練を乗り越えねばなりません。そして、それを見事に乗り越え、また一回り強くなって戻ってきます!

GM 「そうだ、ザウよ。我々〈龍〉を目指す者は、常に新たな試練と戦い、己と戦うことで、より強くなることが出来るのだ!」

ザウ わかります、師範!

GM 「我々は、いつでもお前の帰りを待っているぞ。だが、今はその力、仲間のために使うがよい。そして、より強くなって戻ってこい!」

ザウ はい!

ミル ……なんか、この人達がよぅ分からんようになってきたなぁ(笑)。

GM それはともかく、今回も急ぎかねと聞かれるが。

ミル まあ、前よりは余裕あるかな。二、三日くらい。

GM 「では、その間、ここでゆっくりしていくが良かろう。そこのお嬢さんも、この前はいきなり追い返すような真似をしてしまったが、それも修行途中のザウに厳しくするため。すまなかったな」

ミル えっ? いいんですか?

GM 「うむ。それに、あれだけあっさりとやられたのに、懲りずにやってくる根性も気に入った」(一同笑)

ミル まかせてください。うち、根性だけなら誰にも負けません!(笑)

プロントンの茶々 勇者は?


 あー、そういえばそういうのもいましたね。その彼も、ザウと師範の話を聞いて感激の涙を流していた。そして、腕が治ったら、ぜひとも手合わせをお願いしますと師範に頼み込む。もちろん、他流試合は禁止だとか何とかで断られるのだが、しつこく夜中過ぎまで食い下がってたらしい。次の日の朝には、いつの間にやら、一度だけなら仕方あるまいってことになってたりするのであった。


GM そして、二日目の早朝。ザウは師範から、道場に来るように言われる。

ザウ 行きます。

GM そして、それから丸一日、師範と組打ちをして。そして日が落ちる頃になって、師範が言う。「では、ザウよ。これからお前に、この龍闘技寺院に伝わる秘技を授けよう」

ザウ おおっ、どんなのを授けてくれるんだ?

GM 「ガープズ・マーシャルアーツの84ページを読みたまえ」(一同笑)

ミル せめて、「この奥義書を授けよう」とか言ってほしかったなぁ(笑)。で、どういう技やて?

バールの茶々 ええっと……「経穴」か。マンガ技能だけど、覚えていいのか?

GM GMが認める。何も問題ない。

ミル どれどれ? どういう技能なん?


 「経穴」は、相手の体の経穴を突くことで、腕や足を麻痺させたり、呼吸困難に陥れたり、頭の経穴を突いて即座に気絶させたりすることが出来る技能である。もちろん、「経穴」技能と相手の体力の即決勝負があったり、人間以外に使う時にはペナルティーがあったりするが、使い方によっては、かなり有利に戦うことが出来るようになるだろう。


GM まあ、これを覚えてもらうために、その後、徹夜で特訓だ(笑)。

プロントンの茶々 これを完全にマスターしたら、本当に強力だなぁ。

ザウ 見た目は地味そうだけどね(笑)。それで、なんか技の名前ってないの?

GM さて? 自分で付けてみれば? とにかく、ザウは未使用CPを使って「経穴」技能をとっていいぞ。

ミル その間、他の入門者から、龍闘技の型とか教わってていい?

GM 構わないよ。でも、しょせんは基本の型を見せてもらえるだけだから、CPを使って覚えられるほどじゃない。


 こうして、あっという間に三日が経ち、彼ら三人は龍闘技寺院を後にして、グリトグラ村に戻ってきたのであった。


刺客、船内に侵入

ミル さてと、村に戻ったら、今度は船のお姉さんに会いに行く準備やね。と、その前に、出発前に頼んでおいた、巨大蟻の殻のほう、どうなったん? ちゃんと加工出来たん?

GM そう思って工房を訪れてみると……そうだな、誰かダイス3つ振ってみて。その合計が8以下ならちゃんと鎧になっている。

ミル うちが振ろう。ええっと(ころころ)15。全然駄目やった。

GM 「すみませ〜ん、こんなんなっちゃいましたぁ」という返事が(笑)。

ミル あ〜ぁ、まあ、もともと駄目もとやったしな。そんじゃあきらめて、今まで通りの装備で地下に下りよう。


 ドワーフの坑道の一番底から、〈多足のもの〉の通路に入り、そのまま進んでフェレス(〈多足のもの〉になっちゃった元ドワーフ)との待ち合わせ場所までやってきた。
 そこで待つことしばし。やって来たフェレスに、封印されていた通路の奥にいた変な機械(?)はやっつけたと教え、それを仲間に伝えたところ、妙にあっさりと通路の封印が解かれることになったので、今後は地底湖とグリトグラ村の間の行き来は、自由になった。(とはいっても、途中の〈多足のもの〉の通路は迷路のようになっているので、どっちにしろ案内を頼まなきゃならないが。)


GM 「ソレジャ気ヲ付ケテ行クアルネ」

ザウ ああ、どうもな……って、帰りも案内がいると思うんだが、どうやって呼べばいいんだ?

GM 「ソウサネェ、ソレジャコノ石ヲ渡シテオクワ。帰ッテキタラ、ココデコノ石ヲ割ッテオクレ。ソシタラ、ワタシ迎エニ来ルヨ」

バール ああ、分かった。それじゃもらっておこう。

GM 「ソレジャ」と翻訳機に喋らせると、触手をユラユラ揺らして挨拶をした。そして、カサカサと壁を這って天井の穴へと消えて行く。

バール さて、行くか。

GM では、地下道をどんどん進んで、例のでっかい縦穴のある、地底湖の上の部分までやってきましたと。

プロントン どうやって下りる?

ミル ルートの魔法でいいやろ。

GM では《空中歩行》を順番にかけて、地底湖まで下りてきた。

バール おーい、戻ってきまたぞー。迎えに来ーい。

GM では、この前もお世話になったメスクリンが迎えに来るから、やっぱり順番に乗って、船内までやってきた。「皆さん、御無事でなによりです。それで、素材の方は見つかりましたか?」

バール ああ、この変な金属だろ。それで、修理をさっそく始めてもらいたいんだが。うるさくてかなわん(笑)。

ミル でも、その前に新しい封印の武器を作ってもらって、そっちに〈悪魔〉を封じ直さんと。

GM で、誰が「意志」になるって?

ザウ このまえルート(のプレイヤー)に電話で聞いたら、戻れるならなってもいいぞって言ってたから、ルートでいいんじゃないか。

ミル そう言えば、そう言うとったね。

プロントン それで、どういう武器にするんだ? ルートはペローマ神官だから、それらしい武器とか。

GM ペローマの特殊武器って、空気圧でゴム弾を発射して相手を気絶させるんじゃなかったっけ? ちゃんと、相手に止めを刺せる武器じゃないと、〈悪魔〉は封じられないぞ。

バール やっぱり銃かな?

GM うーん……銃くらい作れるけど、ダメージを与えるのは弾の方だからなぁ。

ミル それじゃ、矢とか。

ザウ 投擲用の石とか(笑)。

GM って、外したらどうする気だ?

ミル ああっ、ルート! 一体どこに飛んでいったんやーっ!

プロントン みんな探せーっ! ってか?(一同笑)

ザウ 俺やミルが使えそうな武器にするなら、ベアナックルとか。

ミル キックブーツとか?

バール ベアナックルはともかく、キックブーツは嫌がると思うぞ(笑)。

プロントン 今日の足は臭いとか。

GM 「お、重い……。ミル姉、最近太ったんじゃない?」とか。(一同笑)

バール 無難なところで、ブロードソードかな。

ミル そうやね。それで、バールに使ってもらう。

GM それじゃ、ブロードソードでいいね。それで、デザインはいかがいたしましょう?

バール そうだな……めちゃくちゃ派手にしておいてくれ(笑)。というのは冗談で、適当にデザインしておいてくれ。

GM 「分かりました。それでは作業を開始します。武器自体が完成するまで数日かかりますが、船内に部屋を用意しました。皆さんは、そこでお待ち下さい。いろいろ、お話もあるでしょうし」

ミル お話?

バール 元の体に戻るのは、「理論的には」可能だっていってたがな。保存しておいた体の方がどうにかなるとか、いろいろ事故の可能性もあるだろう。

ザウ 待っている間、そうやってルートを脅してるんだな。

プロントン 当日になって、やっぱり嫌だとか言われたりして(笑)。

GM それはともかく、材料の方はこちらで預ろう。入口のドアが開くと、そこからメスクリンとはまた形の違う、大きさが50メルチくらいの丸っこい連中が出てきて、生えている二本の腕で材料を持ち上げて運んでいってしまう。

バール それじゃ、俺達は部屋の方に行ってるか。

ミル いろいろ面白いものがありそう。

GM あるけど。カラオケセットとかビデオとか自動調理器とか……はあるかどうか知らんが、とにかく使い道の分からないようなものがいっぱい(笑)。
 そんなこんなで数日が過ぎ、ついにルートが呼び出される。

バール いよいよか。頑張って来いよ〜。

ミル 一応、どういうことするのか見に行きます。

GM まず、頭にヘルメットのようなものをかぶる。それから、大きなガラス製の容器の中に入ってくれと言われる。さらにいろいろセンサーだの何だのが取り付けられる。

プロントン 何か……このまま見ててもいいのかな。この後、酷いことになりそうな……

ミル 精気を吸われて、骨と皮だけになるとか?

GM 「そんなことしませんよ。意識を新しい封魔の武器に移したら、あとは体を保管するために人工冬眠させるだけです。まあ、冷凍保存だと思ってください」

バール 面白そうだ。見ていよう。

GM ずっと見てても仕方ないよ。作業には一日ちょっとかかるらしいし。今は昼過ぎだから、終るのは明日の昼過ぎだな。

バール それじゃ、時々様子を見に来るくらいかな。

GM それじゃそういうことで。部屋に戻って、時々作業の進み具合を見に来ることにした。そして、何度目かの様子見に行こうと思った時のこと。ズーン! という低い音とともに、船体がかすかに揺れた。

ザウ なんだ? とりあえず、ルートのところに急ごう。

GM やってきました。

バール 何があったんだ?

GM 「右舷第3ブロック外壁で、小規模な爆発を確認。船体に損害はありません」

ミル ええっと……だから、何があったの?

GM 「何か、こんな方々が、爆薬を使ったようなんですが……まあ、放っておいても大丈夫でしょう。この世界の武器や道具で、わたしの船体を傷つけることは不可能でしょうから」という言葉とともに、映像が投影される。

プロントン やっぱり、スティニアの人?

GM そうだね。オーガーとか、スティニアの異形兵の方々とか、その他ですねぇ。水中作業が得意そうな異形兵が、何かオーガーが立ったまま入りそうなくらいの大きな黒い箱を外壁に取り付けて、その場を離れる。しばらくして、それが爆発してズーンというちょっとした振動が伝わってくる。

ザウ それで、外壁にちょっと煤がついたと?

GM そんなところかな。

ミル 追い払えないの?

GM 「一応、あの人達を追い払うのに十分なくらいの武器は使えますけどね」

バール ほう、どんなのがあるか興味あるな。ぜひやって見せてくれ(笑)。

GM とか言ってる間に、外では次の爆薬を仕掛けていたりしている。
 「でも、放っておいても、どうせ船内に入ることは出来ませんし、あの程度の爆発を何度繰り返そうが、全く問題はありませんし」
 それから、爆薬設置作業が終って、再び爆発。ズズズーン……。
 「だから、いくらやっても無駄だって……ええっ!?」(一同笑)

バール どうした、壊れたか?(笑)

GM 「ど、どうして? どうして、エアロックが一つ開いてるの!?」

プロントン エアロック? 何それ(笑)?

バール ようするに、扉が開いてたんだろ。

ミル なるほど、それやったら、外壁を壊さんでも中に入れるな。それで、どうする?

GM 「だ、大丈夫です。周囲の通路の隔壁を下ろしてしまえば……って、ど、どうして閉まらないんですかーっ!」

バール おいおい……。とにかく、開いたのはどの扉だ。俺達が行って何とかしてこよう。ここしばらく暇だったからな。このままじゃ、体が鈍ってしまうから、ちょっと暴れてくるさ(笑)。

ザウ そうだな。このまま中で暴れられて、ルートのがどうにかなっちゃ困るしな。

GM 「そ、それでは、よろしくおねがいします」 君達の前に船内の見取図が投影される。「開いたままになっているのは、ここのエアロックです。流れ込んでくる水は、片っ端から排水してますから、通路が水没することはないと思いますが、くるぶしから膝くらいまでは水があると思います。足場が悪くなってるので気を付けて下さい。それから、作動していない隔壁はこの辺りのものですから、当然侵入した方々はこのように……って、まさか、ここは……」

プロントン どうかしました?

GM 「まさか、メインシステムが起動した……?」

ザウ はぁ? それって……

バール どうせ説明を聞いても分からないから、さっさとどこに行けばいいか教えてくれ(笑)。

ミル そうそう。どうせうちらには分からない用語だらけだから(笑)。

GM 「そ、そうですね。とにかく急いだ方が良さそうですね。まずは、彼らを主制御室に入れないのが先決ですね」

バール だから、どっちへ行けばいい? それから、相手の戦力はどの程度だ?

GM 相手の数は十数人。ただし、船の侵入者迎撃システムを作動させたから、君達と戦うことになる人数はもっと減ると思う。

バール 減らなくても、狭い通路ならどうせ一度には戦えないだろう。何とかなるんじゃないか?

GM 今回は、ルートがいないってことに気を付けてね。

プロントン そうか。そういえば、他に治癒系の呪文使える人っていないんだよな。

バール ということは、あまり攻撃をくらわないようにしないとな。とにかく、行くぞ。


 そして、バールたちはすぐに行動を開始した。向かう先は、船のお姉さんの話によれば、中央制御室とかいうところらしい。立体映像の彼女は部屋から出ることはできないが、目的の部屋にたどり着くまでは、ずっと声で誘導をしてくれている。


GM 途中の通路には、所々にザコ連中が倒れている。どうやら、侵入者迎撃システムにやられたらしい。ということで、途中余計な戦闘をすることなしに、君達は中央制御室に到着した。

ミル どういう部屋なん?

GM 船のお姉さんがいた部屋とよく似ているけれど、それよりもずっと大きいようだ。そして壁面には、なんだか良く分からない計器がたくさん埋め込まれている。その部屋の中にいる敵は三人だ。
 羽の生えた痩せた男と、ホブゴブリンと、フードをかぶっているから良く分からないが何か頭の形が歪んでる奴。この部屋の計器を見ながら、「一体、これは何だ?」とか言いながら、虹色に輝くガラスのような円柱を壁に押し込んでいるところだ。

ミル こら、勝手にいろいろいじるんやないよ。

GM 「おっ? 何だ、お前らか。……スクエア博士の弟が見えないようだが?」

プロントン もう、この世にはいない。

バール おや? そうだったかな? 氷漬けになってはいるようだが。まあ、そんなことはどうでもいいんだ。お前ら、一体何の用だ?

GM 「お前の持つその黒い剣と、博士の弟のルートとかいう奴を連れてくるように言われている」

ザウ だから、氷漬けになって死んでるんだってば(笑)。

GM 「生きていても死んでいても関係ない。とにかく、体を持って帰ればいいそうだからな」

プロントン うーん、氷漬けって言っちゃったから、体ももうないとは言えないなぁ(笑)。

バール とにかく、これからやることは決まってるんだろ。さっさと始めようぜ。

GM そうだね。それじゃ君達が戦闘体制に入る間に、相手も同じく戦闘体制を整えよう。まず、羽の生えた奴は空中に逃げる。それからフードを被っていた奴がそれを外す。こいつは頭の部分が鮫になっている異形兵だ。そして、ホブゴブリンは普通に移動する。それぞれ、赤と青と黄色の鎧を着てるぞ。

バール 信号かい……って、この世界にはないよな(笑)。

GM 実はコードネームが、イーグル、シャーク、パンサーなんだが(笑)。


ザウ、奥技なかなか極らず……

 この戦闘、最初からルートが参加しないと言う前提でシナリオを作ってあるので、相手の邪術師も治癒系の呪文を持たせていない。まあ、相手に回復係がいないのはいつもの話だが、PC側も回復できないということで、これまでで一番不利な戦いになりそうな予感。
 もっとも、呪文の使い手がいないんじゃ、結局さっさと殴って相手を倒すしか手はないわけで、やることは普段と同じである。


バール 相手の装備はどういうのだ?

GM 赤と青と黄色い鎧だよ。

ザウ そうじゃなくって、種類を聞いてるんだよ(笑)。

GM わかってるよ。鮫人間はチェインメイルにブロードソード、ホブゴブリンも同じ。邪術師はヘビーレザーだ。

ミル それじゃ、うちが鮫人間の相手をするから、後は適当によろしく。

GM ああ、そうそう。ホブゴブリンは盾を持っているが、鮫人間は盾を持つ代わりに、左手が小型の鮫の頭に変形している。

ミル ええっ!? それってひょっとして……。

プロントン 左手で攻撃を受けたら、そのまま噛み付き攻撃ってこと?

GM もちろん、そのくらいのことは言わせてもらう。ちなみに、素手での受けと同じく、格闘技能の三分の二にしてあるからね。

ミル しゃあないなぁ。シールドバトンで殴ろう。

バール それじゃ任せたぞ。俺はホブゴブリンをさっさと片付けることにする。ザウもこっちを手伝ってくれ。さっさと片付けて、ミルの援護にいくぞ。

ザウ 分かった。そうしよう。

プロントン 敵の邪術師に攻撃は届きそう?

GM 大きな部屋だからね。空中に逃げられては、ちょっと届かない。

プロントン わかった。それじゃ《石弾》で撃ち落とす……って、距離修正で当たらないか。邪術師は後回しにして、鮫人間を《石弾》で狙う。


 最初のターンは、それぞれ移動や集中に費やした。そして、ミルやバールが敵と接敵。ミルとバールの攻撃はそれぞれ受けられてしまったのだが、このターンの鮫人間の攻撃はいきなりクリティカルして、ミルは朦朧状態になってしまう。その代わりと言っては何だが、プロントンの《石弾》も命中して鮫人間を転倒させる。


ミル プロントン、ナーイスフォロー!

GM ええっと、こいつは「我慢強さ」があるので朦朧状態にはならないが、(ころころ)意志判定は失敗。「バーサーク」持ちだったので、これでいきなりバーサークしてしまった。

プロントン ありゃりゃ、かえってまずかったかな?

ザウ そのままでも、どうせそのうちバーサークしただろうから同じだよ。やっぱり、ミルのピンチで相手を転ばせて良かった。

GM それで、ザウの行動番だが、どうする?

ザウ うーん……俺も対抗してバーサークしようかな。

バール してもいいが、全然意味ないんじゃないか。バーサークしなくても全力攻撃をしたければすればいいんだし。

GM しかし、ザウの「バーサーク」と「意志の強さ7レベル」って、つくずく無駄な特徴だよね。それで、バーサークするのかね? それなら1ターン集中だが。

ザウ しない。よし、ホブゴブリンの経穴を狙って呼吸困難にしてやろう。(ころころ)攻撃は命中。

GM さっきのバールの攻撃は盾で受けたから、それは武器で受けが出来る。(ころころ)ほら成功。武器で受けたからそっちにダメージがいくかも……って、龍闘技蹴撃術用手袋をしてたっけ。

ザウ そうそう。だから、いくら武器で受けられても大丈夫。


 さて、バールの次のターンの攻撃はホブゴブリンにグッサリと突き刺さる。いつものことだが、このダメージがでかくて(刺しだから鎧を通った二倍だし)、ホブゴブリンの生命力は一発でマイナスに! こいつも「我慢強さ」を持っているおかげで朦朧状態にはならず、転倒判定も成功して転ばずに済んでいるんだが、これから毎ターン気絶判定である。
 ミルは朦朧状態からの回復に失敗。鮫人間は起き上がろうと膝立ちになった。ホブゴブリンはバールに反撃するが、これは受けられる。邪術師は集中を続けている。ザウは再度経穴を狙うが攻撃失敗。プロントンは、ミルの援護のために鮫人間のところへと向かう。
 そして次のターン。バールの攻撃はホブゴブリンの盾に阻まれる。ミルは朦朧状態から回復し、プロントンが援護しやすいように移動。鮫人間はそのミルに対して左手の鮫の口で噛み付こうとしたが、これは外れた。ホブゴブリンはバールを早めに片付けようと攻撃を仕掛けるが、これも簡単に受けられる。


GM 邪術師は《空気噴射》でバールを転倒させようとする。ええっと……発動成功して……一応命中はしてる。よけと止めは出来るけど、受けは出来ない。

バール ここは、よけだな。(ころころ)成功。今まで立っていた所を、ブゴーって突風が吹き抜けていった(笑)。

GM しゃあないなぁ。また集中だ。次はザウね。

ザウ バールがそこにいるから……こうやってホブゴブリンの背中まで回り込んで、奥技!(一同笑)

ミル さっき失敗したやんか〜(笑)。

ザウ 成功するまで続けるんだ(笑)。それに、今度は背中からだから、受動防御しかないぞ。命中して、ダメージが(ころころ)4?

GM まあ、受動防御だけだから攻撃は食らうが、そのダメージじゃ鎧と自分の皮で全部止まる。

プロントン それって、本当に奥技なのか? 俺は、ミルの横まで移動。次から鮫人間を攻撃できるね?

GM そんなところだね。


 この後数ターンの間に、バールはホブゴブリンにそこそこのダメージを与え、ミルも鮫人間をシールドバトンで殴ってダメージを与えている。しかし、プロントンの攻撃はなかなか成功せず、逆に鮫人間からダメージを受けている。ザウはしつこく経穴を狙い続けるが、なかなか技が決まらない。敵の邪術師は呪文の集中を続けている。


GM バーサーク状態の鮫人間。ミルをブロードソードで攻撃し、さらに左手の鮫でプロントンの足に噛み付きにくる。(ころころのころっと)どちらも成功してるぞ。

ミル シールドバトンで止めた。

プロントン 失敗、くらった〜ぁ!

GM ええっと、それでは足に切りの9ダメージね。

プロントン うぎゃーっ! 4点防いで、5ダメージの1.5倍だから……生命力の半分越えてる!

ザウ でも、「我慢強さ」持ってるから、朦朧状態にはならないだろう。

バール しかし……足にそれだけダメージを受けたら、使えなくなるんじゃないか?

GM そうだね。ダメージは生命力の半分の5点までくらって、それから食いつかれた片足が使えなくなるね。

プロントン ま、まずい〜っ!

GM 確かにまずいだろうが、実はこっちもまずいんだな。こいつの左腕の鮫は、本人の意志とは関係なしに、食らいついたまま離れなくなるから。(一同笑)

ザウ それじゃ、プロントンが転倒したら、一緒に転ぶしかないとか?

GM 転びはしないが、膝をつくくらいはしないと駄目だろうな。プロントンは、こいつとの体力の即決勝負に勝てば、鮫を引き剥すことが出来る。

プロントン 当然、これ以上ダメージを受けるわけにはいかないから、引き剥します。(ころころ)こっちは-3成功。

GM ええっと……ダイス目が悪かったな。引き剥すことが出来たよ。もっとも、そのおかげでこちらも普通の体勢に戻れたんだが。次はザウかな。

ザウ どう見ても、ミルとプロントンの方がヤバそうだから、そっちの援護に向かおう。


 ということで、ザウは鮫人間の頭を狙って攻撃して命中したのだが、チェインメイルと頭蓋骨の防御点を足すと7ダメージも防がれるので、これは全く効果がなかった。


ミル うーん……プロントンがピンチやから、さっさと勝負を付けたいんやけど、【かかと落とし】で頭を狙っても、気絶させられるか分からんし……。よし、とりあえず【掃腿】をしかけてみよう。ほれ、こっちは成功。

GM 受動防御しか出来ないから、防御判定は当然失敗。この後、敏捷力かなんかの即決勝負だったよな。

ミル そう。こっちの【掃腿】とそっちの敏捷力でね。(ころころ)よし、-7成功や!

GM ぐがーん、見事に決められてしまった。すっ転んでますよ〜。


 ザウが鮫人間の方に向かったので、ホブゴブリンとバールは一対一になっている。そこでホブゴブリンは目標をバールに切替え、フェイントを繰り返し、バールの隙をうかがうことにした。邪術師は再度バールを転倒させようと呪文を使ったが、これは発動したけど命中判定に失敗してしまう。
 足が使えなくなったプロントンは、体を引きずって戦線離脱。武器による攻撃はあきらめ《石弾》の集中を始めた。ミルは転倒している鮫人間に全力攻撃をしかけて、かなりの大ダメージを与えた。これで鮫人間は死亡判定が必要な状態に追い込まれた。もっとも、バーサークしているので失敗はほとんど期待できない。ザウはまたも懲りずに、転倒した鮫人間の経穴を狙うが……


ザウ 奥技!

GM またやるのかよ。さっきから失敗ばっかりじゃないか。

ザウ (ころころ)ああっ、失敗! くそう、奥技が……お、俺の奥技がぁ〜!(一同笑)

バール 基本の型を身に付けただけで、ろくに鍛錬もしてないんだから、まともに使える分けないだろう……。


 とまあ、こんな感じである。
 さて、その後、邪術師は《石弾》の発動に失敗して集中のやり直し。ホブゴブリンはバールにフェイントを繰り返すが、なかなか思ったような効果がない。しかし、鮫人間は左手の鮫の攻撃をザウに命中させ、そのままザウに食らいついた状態になる。ザウはこいつを引き剥さずに、そのまま相手を攻撃することにした。ザウの攻撃には当然ペナルティーが付くが、左手の自由がきかなくなった鮫人間もそれは同じこと。ミルは安心して全力攻撃を仕掛け、攻撃がどんどん命中するようになった。
 もちろん、噛み付いている左手の鮫は、ザウに毎ターンダメージを与えるのだが……


GM 引き剥さなかったことを後悔させてやる。それ、ザウの足を食いちぎれ、かぷかぷ(ころころ)って、これじゃダメージが通らん。

プロントン 鮫人間に《石弾》が命中!

GM よけ……られん。ザウに食いついてなければ大丈夫だったのに。

ザウ そう思うんなら、さっさと離れろ!

GM だから、左手は一度食いついたら、鮫人間本人にも自由にならんのだよ。って、そういえばバーサークで毎ターン全力攻撃だから、そもそも受動防御しかなかったのか。

ザウ な、難儀なやつだなぁ。

プロントン それで、ダメージが8点。

ザウ で、俺の番だな。このままの状態で、奥技!(一同笑)

一同 だから、全然きいてないからやめろってば!

ザウ うぉらぁーっ! (ころころ)クリティカルで命中、即決勝負は-7成功!

GM おおっ、ようやく効いたか。それで、胴体に当たったんだよね。呼吸困難で窒息を始めるわけか。でも、左手の鮫は食いついたまんまだからね。


 この次のバールの攻撃で、ホブゴブリンが死亡。鮫人間の左手はザウの足に噛み付き続けてダメージを与えているが、足が使えなくなるほどではない。その間に、窒息ダメージやザウの拳でダメージを受けているが、バーサークしているのでまだまだ大丈夫。ミルは【かかと落とし】を繰り返すが、どうも今回は調子が悪く、惜しいところで頭には当たらない。まあ、それでも体には当たっているので、ちょびちょびダメージを与えてはいる。そして、ホブゴブリンを倒したバールも鮫人間袋叩きに参加。


GM そのバールに向かって邪術師が《石弾》を発動、一応命中判定は成功したけど……。

バール 盾で止まったぞ。ポコッて(笑)。そっちは後回しにして、鮫人間の目を狙って、全力攻撃で突き。(ころころ)よし、攻撃成功して7ダメージ。

GM それは脳までグッサリ。脳ってダメージ何倍だったっけ?

ミル 通ったダメージを4倍やね。

GM 28ダメージか。まだ無条件死亡にはならないけど……当然ながら生命力の半分以上のダメージだから、これで自動的に気絶ね。一応死んでないか死亡判定を5回振るけど(ころころころのころころっと)バーサーカーはやっぱり死なない。

ザウ それで、鮫は離れる?

GM おお、それが残ってたか。本体は気絶したが、左手の鮫はそのまま食らいついているぞ。(ころころ)うーん、やっぱりダメージが振るわない。5ダメージじゃ鎧でほとんど止まる。

ミル それで、残ったのは邪術師なんやけど……。

GM そうだねぇ。こいつ、一人だけ残ったけど、どうしようか?

バール そうだな。どうせあいつの使う呪文なんてたかが知れてるし、ましてや接近戦なんてしたら一撃だろうな。「おい、どうするつもりだ?」とかいいながら、鮫人間に刺さったままの剣をグリグリやっておこう。

GM ああ〜、脳味噌をグリグリやられてしまった〜。ダメージなんて決めなくても、もう駄目ですねぇ。

ザウ おい、大人しく下りてこい。

GM 「く、くそう、思ったよりも役に立たない連中め!」

ミル そ、そうかなぁ?

バール お前の方が、よっぽど役に立っていないような気がするが(笑)。

プロントン どうせ大人しくするつもりはないだろうし、このまま放っておくわけにもいかないから、《石弾》で落としてやろう。それ、どーん!

GM 発動した? それで命中? それじゃよけ判定をして……失敗。

プロントン 9ダメージね。

バール 邪術師に9ダメージね(笑)。

GM ぼてっ、朦朧状態になって落ちてきた(笑)。

バール はいはい、どとめとどめ(笑)。ぐさぐさっ。

GM 刺されました。血がどばーっ。死にました。

ミル なんか、えらい投げやりやなぁ(笑)。


ルート、封魔の武器になる

プロントン そうだ、俺はいつになったら歩けるようになるんだ?

ミル 生命力判定に成功したら、戦闘が終れば使えるようになるんじゃなかったかな。

プロントン そうか。それじゃ(ころころ)し、失敗。

GM それだと、歩けるようになるまでは何カ月かかかるなぁ。

プロントン そうだ、この船に治療のための施設か何か、あるんじゃないの?

バール 言われてみれば、いかにもありそうだな。それで、カプセルかの中に入って治療している間に、どうぞ自由に改造してくれって言うとか(笑)。

プロントン 改造はやめてくれ〜(笑)。それで、治療してくれるわけ?

GM とりあえず、船のお姉さんのところまでプロントンを担いで行けば、治療施設があるかどうか分かるだろう。

ザウ 俺達が担がなくても、呼べばメスクリンみたいのが来るんじゃないかな。

バール よし、呼んでみよう。

GM 呼ばれたから迎えに行こう。本来は自動修復装置なんだが、50メルチくらいの大きさの丸っこい連中がわきゃわきゃわきゃとやって来て、プロントンをみんなで担いで運んでくれる。ワキャワキャワキャワキャワキャ。(一同笑)

バール うーん、いい感じだ(笑)。


 こうして、侵入者たちを排除したバールたちは、船のお姉さんのいる部屋まで戻ってきたのであった。


ザウ で、結局なんで入口が勝手に開いたり、隔壁が閉まらなかったりしたんだ?

GM この前、この船の機能の八割りは停止しているっていったでしょう。実は、機構としては特に故障箇所はないんだが、船のメイン制御システムが止まっているせいで機能停止しるのだそうだ。その停止しているはずのメインシステムの一部が、何かの原因で回復したらしい。

ミル よく分からないけど、とにかく故障していると思ってたところが一部直ったってこと?

ザウ やっぱり、爆弾とかの振動のせいかな。

バール そんなところじゃないか。

プロントン とにかく、やっつけたんだからいいじゃないか。それで、傷の治療をして欲しいんだけど。

GM そうそう、それがあったね。それじゃ、こちらの治療ポッドの中にどうぞ。

プロントン ち、治療ポッドって……?

GM ルートが入っているような、ガラスのカプセルだよ。

プロントン やっぱり? そ、それじゃ、お願いします。中に入る。

GM 入ると、蓋が閉まる。そして中に緑色の液体が、ドボドボドボッと流れ込んでくる。

プロントン え゛っ? ちょ、ちょっと、息が、息が出来なくなるじゃ、ゴボグボッ、ゴボッ! ぐー、ぶー、むー、んー、んぐーっ!

GM 「我慢しなさい、男の子でしょう!」と言ったかかは知らないが、肺がこの液体で満たされれば、そこから直接酸素を取り込めるようになってるから大丈夫。この中で治療すれば、完治まで数時間ってところかな。

ザウ なるほど。プロントン、そういうことだそうだ。調子はどうだ?

プロントン (うなづく)(←カプセルの中だから、声は聞こえない)

ザウ 大丈夫みたいだな。そうだ、俺も結構怪我してたんだ。ついでに治してくれない?

ミル あ、それならうちもね。

GM はいはい。それじゃ、隣の治療カプセルにどうぞ。

バール 残るは俺だけか。今のうちに、カプセルの中の連中を改造しておいてくれ。

一同 (やめろーっ!)


 数時間後。全員傷も全快してカプセルから出てきたのでした。


プロントン おお、歩ける歩ける。足の大切さが良く分かったぞ(笑)。

GM それじゃ、邪魔ものも片付けたことだし、ルートの方の作業も再開しましょうかね。


 そして、次の日の昼ちょっと前に作業が終り、〈聖剣〉ルートが誕生したのであった。


GM 「これがルートさんです」

バール どういった形の剣になっているんだ?

GM ジャスティスと、材質もデザインも良くにている。でも、ルートの方がちょっとシンプルかな。

ミル ルート、ルート、気分はどう?

プロントン 喋れるんだっけ?

バール 喋られたらうるさそうだから、喋れないようにしておこうとか(笑)。まあいい、いろいろ相談したいこともあるかも知れないから、喋っていいぞ。

GM ではそういうことで。ルート君の返事は「すごく悪い……」だそうです。(一同笑)

プロントン それは気の毒に(笑)。

バール それじゃ今のうちに、ルートからだの方は改造しておいてもらおう。

GM 「やめてくれ〜」

バール とにかく、新しい武器が出来たんだ。今度はジャスティスから〈悪魔〉を解放して、ルートで封印しなおさないとな。

プロントン 一体、何体入っているんだっけ?

ミル それがよく分からないんじゃなかったっけ? 少なくとも、バールがジャスティスを持ち出してから最初に封じた悪魔と、この前の人形の悪魔が入ってるのは確実なんやけど……。

バール そうだな。でも、それより前に一体何体封じられていて、そのうち何体が未浄化なのかは分からない。数が少ないのと、封印のせいで弱っていることを祈るしかないな。それで、ルートの能力は、ジャスティスと同じでいいのか?

GM 基本的に同じつもりだけど……ルートの方が根性が無さそうだから、下げてみる?(一同笑)

バール 確かにそう言われるとそうだけど、そのままでいい(笑)。

ザウ せっかくルートが〈聖剣〉になってくれたんだから、ルートらしい特徴を付加するとか。

プロントン ルートらしい特徴?

バール 「やかましい」とか?(一同笑)。

プロントン 剣が相手の硬い所に当たったら、ルートが「痛い〜!」って叫ぶとか。(笑)

バール それで、こいつも血を吸うのか?

GM そうだね。無意味に吸ったりはしないが、〈悪魔〉の浄化のためには必要だ。とにかく、これで新たな封魔の武器が完成だ。ルートの体の方はカプセルの中で冷凍保存中。出すと、腐っちゃうからね。

ザウ とにかく、あとはジャスティスに封じられている〈悪魔〉を解放して、ルートで封印しなおすだけだな。

バール その後でまたジャスティスに封じ直さなきゃならないが。それで、どこでそれを実行するかが問題だ。

ミル 出来れば、一体ずつ出てきて欲しいんやけどね。

GM 「無理ですね。簡単な儀式をしてから封印解除のキーワードを唱えると、未浄化の〈悪魔〉はまとめて解放されます」

ザウ 剣から出てきたら、ちょうどルートに刺さるような位置があればいいんだがな。

プロントン そんなにうまくはいかないだろう(笑)。

バール そりゃそうだな。それじゃ、〈悪魔〉をどこで解放するかがまず問題だ。それから、手伝ってくれる連中を探さないと。特に、治癒系の呪文が使える人間は絶対に必要だ。

ミル 戦力なら、この船の防御システムって使えないんか?

GM 「残念ながら、〈悪魔〉相手にはあまり役に立たないんです。私のように自らの意志を持っている物はともかく、単なる機械では、すぐに〈悪魔〉に憑りつかれて操られてしまいます」

バール それなら参加させなくていい。人手は他で探そう。それで、場所なんだが、この船の中で一番頑丈な場所はどこだ?

GM 「船内でですか? そうですね……そもそも、外壁は敵からの攻撃に供えて強固に作られているんですが、船内に関してはごく普通の内装ですから……」

バール 分かった。場所も別に探すとしよう。それに、船内で暴れて、何かの事故でルートの体が腐ると困るし(笑)。

ミル それで確認だけど、一度解放してから、再度斬り付けるだけで封印できるんよね。

GM 元気な(?)〈悪魔〉に、ルートやジャスティスでちょっと傷を追わせたくらいじゃ駄目だよ。ある程度弱らせておかないと。

ミル そうなると、ますます人手が必要やな。グリトグラ村で集められるかな?

プロントン 神殿にいけば何人かいそうだけど。

バール 大丈夫だ。すぐ近くに腕に自信のある連中ばっかりの所があるだろう。

ザウ 龍闘技道場? 「〈悪魔〉と戦う人、大募集!」とか?(一同笑)

ミル それじゃ、あとは治癒の呪文が使える人か。その人達は戦わないで後ろで待機していてもらえばいいから、グリトグラ村で何人かそろえられそうやな。

プロントン でも、〈悪魔〉を相手にするって言って、手伝ってくれる人なんているのか?

ザウ そうか、見たこともない怪物と戦うんだもんな。

ミル そう? そのわりには、結構出てきたような気がするけど。

バール 俺達が特殊なんだよ。普通の連中は〈悪魔〉なんて一生に一度見るか見ないかで、見たらそれでお終いだな。

プロントン そうなんだよなぁ。そういう俺も、見たことはないぞ。

ザウ プロントンが不安を感じてるぞ〜(笑)。


 とにかく人手を集めるなら、このまま船内にいても仕方がない。氷漬けのルートの本体は船で保管してもらうことにして、バールたちはとりあえずグリトグラ村へと戻ることにした。


GM 〈多足のもの〉の地下道から、ドワーフの鉱山まで戻ってきたのだが、いつも大勢のドワーフが採掘作業をしているのに、今は一人もいない。

プロントン 何かあったのかな?

GM ついでに、戦いの跡がそこかしこに見られる。

ミル 戦いの跡?

ザウ スティニアの連中、こっちから入ってきたのか。それで、村の人は無事か?

GM 鉱山から出てくると、何件か家が焼け落ちているのが見える。そして、仮設テントとかが設けられていて、そこで怪我人の治療とかが行なわれているようだ。

プロントン 行ってみよう。おーい、何があったんだ?

GM 「おお、みなさん、御無事でしたか」と応えたのは、デルバイ神殿のドラン神官。「あなたたちが地下坑道に潜ってすぐに、スティニアの連中がやってきて、戦いになりました。防ぎきれずに、かなりの数があなたたちの後を追って行ったようでしたが、無事で何よりでした」

バール ああ、あいつらか。

ミル そいつらなら、やっつけておいたで。でも、〈多足のもの〉の迷路をどう抜けて来たんや?

GM 魔法とか異形兵の能力とかを使えば、何とでもなるよ。とにかくこんな状態なんで手が離せないが、部屋と食事は用意してくれる。

ザウ その前に、治癒系の呪文の使える人は?

GM 怪我人の治療で忙しく走り回ってるみたい。

プロントン うーん、忙しそうだなぁ。手伝ってもらえないかも知れない。

ザウ でも、こっちを手伝わないと、もっと大勢怪我人が出ると思うぞ。なんていったって、〈悪魔〉が解放されるんだからな(笑)。

GM そんな不穏な話をすると、そこら中のドワーフが、一体なんだってって驚くぞ。

ザウ いや、解放されるというか、解放するのは俺達なんだが。

ミル 誤解されるような言い方、するんやない(笑)。

バール ジャスティスの封印が無理矢理破られる前に、こっちの新しく封魔の剣になったルートで封印しなおす必要があるんだ。その時に、一度解放しなくちゃならないってことだ。

ザウ (重々しい口調で)そういうことだ。もし、時間切れで封印が破られたり、再封印に失敗するようなことがあったら、どれほどの被害が出るか分からないぞ。なんて言っても、あいては〈悪魔〉だからな……。

バール だから、村人を脅してどうする(笑)。ま、とにかくそういうことなんで、治癒の呪文が使えるのを何人か紹介して欲しいんだ。もちろん、戦闘は俺達がやるから、その後ろでサポートだけしてくれればいい。

GM そうだね。ザウの言ったようになったら、それはそれで大変だから、怪我人の治療が一通り終って村が落ち着いたら、サリカ神殿の治癒の呪文が使えるのを数人協力させよう。

ミル ありがとうございます。

ザウ 後は、龍闘技寺院で戦士の募集だな。

バール その前に、〈悪魔〉の再封印をする場所も決めておきたいな。弱っているとはいえ、一体何体出てくるか分からないから、出来るだけ閉鎖された空間がいいんだが。

プロントン でも、空き民家みたいな狭い場所じゃ駄目だろし……。

ミル 龍闘技寺院は?

ザウ 確かに道場は広いけど、隙間だらけだぞ。あの人形みたいに煙みたいになって逃げていく奴にはあまり意味がないな。やっぱり、地底湖みたいな所の方がいいんじゃないか。

バール そうだな。洞窟とか、地下ドームとか、そういう所の方が良さそうだな。それじゃとにかく龍闘技寺院に行って人手を集めるか。ついでに、そう行った洞窟に心当りがないかも聞いてみよう。

ザウ そういえば、最終奥技を取得するために50日間籠って修行する、試練の洞窟と呼ばれる所が……。

GM そんなものないってば(笑)。

プロントン 人手といえば、この前の「自称」勇者さんは?

ミル 龍闘技寺院に入門したんじゃなかったっけ?

GM そのつもりだけどね。今はグリトグラ村で療養中だ。

ミル そういえば、左腕が折れてたんだっけ。でも、右腕だけでも戦えるとか言って、スティニア兵を追い返すのに参加してそうだなぁ(笑)。


 そして、三日間かけて、これで何度めかの龍闘技寺院に到着。


ザウ たのもーう!

GM 「むっ、その声はザウだな。無事で何よりだ」

ザウ はっ、師範。今回は是非協力をお願いしたく、やってまいりました。

GM 「協力とは?」

ザウ 〈悪魔〉と戦いたい者を20名ほど募集したく思います。

GM 〈悪魔〉と言う言葉を聞いた途端、集まっていた修行者たちの間にざわざわと響動めきが走る。「あ、〈悪魔〉……」

プロントン おおっ、全員参加かぁ?(笑)

ザウ それは嬉しいが、いくらなんでも多すぎるな。その中から、腕の立つ奴を上から20人くらい選んで……。

GM 逆だよ。〈悪魔〉と聞いた途端、腰が引けている(笑)。

バール ……駄目らしいぞ。

ザウ 仕方がない。…………ならば、ここで〈悪魔〉を解放するのみ!

一同 ちょっと待てーっ!

ザウ 冗談だってば。そもそも、何かの儀式が必要なんだろ。

GM 「ザウよ。確かに、より強いものと戦い己を鍛えるのは、我らが目指す所である。しかし、ここにいる者達は、まだまだ修行中の身。このような未熟者が〈悪魔〉に向かって行けば、それは命を捨てるだけの愚かな行動だろう」

ザウ いや、修行中って言えば、俺もそうなんだが(笑)。おい、今、柱の影に隠れたお前だよ。お前くらいの腕なら、〈悪魔〉とだってやれるぞ。

GM 「えっ? い、いやあ、俺はまだ師範の言う通り未熟者ですから……」

ザウ お前ら、そんなことでいいのか! そんなことじゃ、いつまで経っても〈龍〉の力を手に入れることなど出来んぞ!

プロントン まあまあ、ザウさん、落ちついて。

GM 「そうだ。落ち着くのだ、ザウよ」師範が声をかけてくる。「お前のいう通り、こ奴らには、少々意気込みが足りんようだな。しかし、それならなおさらのこと。そのような未熟者たちでは、かえってお前たちの足手纏いとなろう」

ザウ 確かにそうですね。

GM 「しかし、わざわざお前たちが尋ねてきたということは、それなりの覚悟が必要な相手なのであろう。弟子たちに代わり、わしがお前たちに力を貸すことにしよう」

一同 おおっ!

ミル 言うと思ってた(笑)。

ザウ 師範、ありがとうございます。それでは、師範にもしものことがあった場合には、不詳この私が道場を引き受けましょう。

ミル なるほど、それが狙いか。(一同笑)


バール、〈悪魔〉を斬りまくる

 こうして、頼もしい助っ人を見付けた後は、いよいよ〈悪魔〉再封印を行なうための場所探し。いろいろ相談の結果、船が沈んでいた地底湖の周囲が良かろうと言うことになった。そこならば、出入口は天井に開いた穴が一つだけ。それに、いざと言う場合には〈多足のもの〉に頼んで、通路を封印してしまうことも出来る。
 そして、〈多足のもの〉や船のお姉さんへの連絡など、数日かけた周到な準備が終り、いよいよ再封印決行の時がやってきた。地底湖の辺にやってきたのは、バール達一行に、龍闘技寺院の師範と、サリカ神殿に勤めている神官たち三人。もっとも、神官たちは、援護の呪文に専念してもらうことになっている。
 簡単な解放の儀式が終り、後は、バールがキーワードを唱えるだけで、ジャスティスに封じられていた〈悪魔〉が解放される。


バール それじゃ、準備はいいな。解放するぞ!

GM バールはキーワードを唱えた。すると、ジャスティスから黒い霧のようなものが吹き出し始める。

ザウ そいつを斬り付けたらいいのか?

GM 無理だろう。霧はすぐに拡散してしまう。しかし、やがて何ヶ所かに分かれて凝り固まり、少しずつ実体化し始める。

プロントン 何ヶ所かって、何ヶ所?

GM 実体化し始めたのは7ヶ所。

バール 半実体化すれば、斬れば効くだろう。手近な所からいくぞ。

ミル どういう連中がいるん? 見たことのあるのはいる?

GM そうだね。一ヶ所だけ、空中で固まりつつあるのは、どうやらこの前封印した人形の悪魔のようだね。実体化しつつ、ふよふよふよ〜って、天井の穴の方へと逃げていく。

バール ああ、あいつね。たいしたこと無かったから、逃がしても実害はあまりないだろう。それで、他のはどういうのだ?

GM 君達に一番近い所には、一番大きな塊が実体化しようとしている。それから、バールが斬り付けようとしているのとか、その他諸々は、ほとんど浄化された状態らしく、実体化してもかなり影が薄くなっている。

バール よし、俺はとにかく数を減らすために、そいつらを順に斬って回ろう。他のみんなは、一番でっかいのを警戒しておいてくれ。

ミル 分かった。それじゃ、バールが合図する前から集中していた《倍速》を発動させます。(ころころ)よし、かかった。

プロントン その、一番でかいのに《石弾》。

GM 大きいから、命中には+2の修正をあげよう。

プロントン 発動は成功で、命中判定は(ころころ)失敗。

ザウ そいつに殴りかかる。命中!

GM それは当てられたが、まだ実体化が済んでないから、その攻撃はスカッとすり抜ける。

バール お前ら、無理するなよ! とりあえず手近なのを斬るけど、これもひょっとして無意味?

GM いいや、ルートで斬り付けたなら、半実体化していた〈悪魔〉は、再び霧のようになって吸い込まれて行く。そうしている間に、中央の大きな奴は、実体化が更に進んで、身長2.5メルーくらいの巨人の骸骨のような姿が見え始めてきた。他の小さな奴らは、なかなか実体化できないようで、あまり変化は見られない。ふよふよと漂いながら、なるべくバールから離れようとするが、移動速度も非常に遅い。

バール なるほど、こいつらは浄化が進んでるから、一発斬り付けるだけで片付きそうだな。となると、やはり問題はあのでかい奴か。

GM そのようだね。他のと違い、巨人の骸骨は急速に実体化が進む。頭蓋骨に当たる部分は、人ではなくて牡牛か何かのようだ。大きな角が二本生えている。そして、腰から下の部分は、ドロドロとした黒い粘液塊の中に埋まっている。

プロントン それって、足の部位狙いは効きそうにないなぁ。

ザウ それって、俺の攻撃はどこに当たるわけ?

GM ザウに限らないけど、そのドロドロの塊の中に足を踏み込まないと、本体には攻撃が届きそうにないね。かなり広い範囲に広がってるから。

ミル なんやて?

GM 粘液の部分を殴っても効くと思っているなら、どうぞ御自由に(笑)。

ザウ そのドロドロって、絶対何かあるよな……。

GM その間に、師範は手近な所の塊に蹴りを叩き込んだが、やっぱり実体化が不十分なんでスカ。治療係は、ちょっと離れた所で集中を始める。


 バールは、あちこち走り回りながら、半実体化もしきれないような、黒い霧の塊をルートで斬り付け始める。そいつは、一発斬り付けられると、すぐにルートに封印されるくらい弱っているので、バールは何の苦労もしていない。
 しかし、巨人の骸骨のような〈悪魔〉は、ほぼ完全に実体化した。バールが残りの霧を全て封じるまでは、残りの連中でこいつの相手をしなければならないのだ。


バール ほいほい、次の霧を斬った。

GM シューシューシューと吸い込まれた。次の塊までは、走って2ターンね。そうそう、人形の〈悪魔〉だけど、そいつは実体化して天井の穴の方に飛んでいって逃げてしまう。

バール すると、残りの塊は3体か。なるべく早く片付けるから、それまでそのでっかいのを頼んだぞ。

ミル 頼むって言われてもねぇ……。やっぱり、踏み込まないと攻撃は無理?

GM 無理だね。

ミル 仕方ない。粘液に足を踏み込んで……

GM そうそう、実体化が終ったら、その粘液塊の中から、8本の触手が生えてくるから。

ミル いや〜ん! でも、その触手を攻撃するなら、粘液に踏み込まなくても大丈夫だよね。と言うことで、倍速の一回目の行動は、触手を全力攻撃でバコバコと二回攻撃。二回とも命中です。

GM 一発目は(ころころ)よけて、二発目は(ころころ)食らってますね。

ミル それじゃ5ダメージね。

GM はいはい、5ダメージね。ニョロッとな。

ミル にょろっとって?

GM ほとんど手応えがないよ。刃の付いた武器じゃないと、攻撃が効かないんじゃないかね。

ミル そ、そんな〜。でも、一応もう一回チャレンジ。普通に攻撃して、これも命中。

GM 命中したけど、やはりニョロッした感じ。

プロントン ハンマーで叩く! 命中、9ダメージ。

GM ぐにょろっとな。

ミル やっぱり、刃物じゃないと駄目なんか〜ぁ!

ザウ でも、ここにいるのって……。

バール おや、刃物を持っているのは俺だけか。(一同笑)

ザウ 結局、あのどろどろに足を踏み込んで、本体攻撃しか手はないわけだ。でも、俺もこのターンは触手に攻撃。

GM だから、ぐにょって(笑)。師範も同じね。さて、ここで皆さん、視覚判定をしてみて下さい。暗いから-4修正ね。

バール 視覚判定? -5だから、ペナルティーが付いても成功だ。

GM では、バールはこれから斬ろうと思っていた残り3体の霧の塊のうちの一つが、ふよふよと湖の中央に向かって逃げていくのに気付いた。

バール 何か、放っとくとルートがヤバそうだが……追い掛けられるか?

GM 追い掛けてもいいけど、すでに水の上に来てるからね。泳ぎながら斬り付けないと。

バール それは無理だな。仕方がないから、残っている奴をさっさと片付けて、それからだ。

GM では、このターンから〈悪魔〉からも攻撃があるから、イニシアチブを取ろうか。(ころころ)おっ、GMからだな。それでは、まずは巨人の〈悪魔〉の攻撃。こいつに攻撃をしている四人に、触手が2本ずついきます。(ころころころ〜っと)師範は2発防御した。それから、ミルに2発。

ミル 両方、受けに成功です。

GM プロントンにも二発。

プロントン 俺は、一発目は受けて、二発目はよけないと。(ころころ)ああっ、よけに失敗。

GM でも残念。たったの5ダメージか。それから、ザウには一発当たってる。

ザウ それに攻撃的受け……は、殴っても効かないんだから無理か。関節技……も効かないだろうな。(一同笑)

バール やりたけりゃやってみても言いぞ(笑)。

ザウ 普通に受けします。(ころころ)成功。


 さて、〈悪魔〉の攻撃が終り、つぎはミルたちの反撃である。バールは次の塊を斬り付けるために移動中。ミルは、本体を攻撃するために仕方なく粘液塊の中に足を踏み入れた。足場が悪くて敏捷力に-2のペナルティー付くのだが、そもそも踏み込まないと攻撃できないので仕方がない。ミルの倍速の一回めの攻撃は、後ろ回し蹴り、回し蹴りの全力攻撃。この攻撃は、後ろ回し蹴りの方が命中した。


ミル 8ダメージね。

GM ごきゅっとね。

ミル よし、本体には効いてるで!

GM その代わりにね、ミル。

ミル 何?

GM 粘液塊に踏み込んでるんだよね。足元でジューッて言う音がして、キックブーツから嫌な匂いの白煙が上がってくる。

ミル な、なんやて!?

GM ミルの防御点って、いくつだったっけ?

ミル 鎧はチェインだけど、キックブーツっていくつだったっけ?

GM それなら、鎧の方に合わせて3点でいいや。ということで、これから毎ターンキックブーツの防御点が1ずつ減って、0になるとダメージを受け始めるから。

ミル ひえ〜っ! でも、踏み込まないと攻撃できないんよね。うーん……。仕方ない、このターンの倍速の二回目は普通に後ろ回し蹴り。フェイントが-4成功で、攻撃も命中。

GM 右手の鈎爪で受けようとして……フェイントに引っかかったせいで失敗。ダメージ下さい。

ミル (ころころ)あれれ、3点じゃ駄目そう。

GM そうだね。ぶっとい骨だしねぇ。

プロントン 俺も、粘液に踏み込まないと駄目かな?

GM ええっと……パイリングハンマーは長さ1か2になってるな。プロントンは、粘液に踏み込まなくても、本体を攻撃できるよ。まあ、頭を狙うとかいう場合は無理だけどね。

プロントン ラッキー! 普通に攻撃します(ころころ)当たり。

GM それは、左手の鈎爪で受けたな。

ザウ 踏み込んで、本体を攻撃。命中して6ダメージ。

GM それはよけないと駄目か。(ころころ)失敗でした。でも、ミルと同じく鎧の足部分にダメージね。師範もやっぱり踏み込んで攻撃して(ころころ)おや、今度はよけに成功。
 そして次のターンになって、〈悪魔〉の攻撃。まずは、踏み込んだ人の足の部分の鎧の防御点が1減る。

プロントン 師範って、裸足だったりして……。

GM 防具はちゃんと付けているってば(笑)。


 この後、触手の攻撃でプロントンとザウが9ダメージずつ受ける(鎧で4減らせるけど)。そして、左右の鈎爪はザウとプロントンを狙うが、ザウを狙った方がファンブル! 〈悪魔〉は自分で勝手に6ダメージくらってしまったのであった。


ミル 倍速一回目は……こいつに組み付いて、胴体を登りたいんだけど。

プロントン おいおい、大丈夫なのか?

ミル うーん……ペナルティーがあるかも知れないけど、このまま足が焼かれるよりはいいかなと思って。

GM 敏捷力に-6くらいのペナルティーをあげるけど。当然、技能値もそれだけ下がるから、命中しにくくなるし、受けの値も下がるぞ。

ミル それでも、やってみる価値はあると思う。

GM まずは組み付きかな。

ミル そうかも。ええっと、-4成功です。

GM こっちは-6成功。残念でした。


 さて、この後しばらく、プロントンたちも、〈悪魔〉も、お互いに有効なダメージを与えることが出来なかった。しかし、ミルとザウと師範は、足の部分の鎧の腐食がずいぶん進んでいる。特に、ミルのチェインメイルはもともと防御点が3点しかないので、あっという間にピンチである。なお、その間にザウは三体目の〈悪魔〉の封印を終えている。


ミル あ〜、ついにキックブーツの防御点が0になってしもた〜ぁ!

バール それって、完全に腐食してなくなったってことだよな。

GM では、次のターンからダメージを差し上げますことね(笑)。

ミル どうせダメージをくらうなら、もう一度組み付き!

プロントン でも、振り落とされたら足だけじゃ済まないかもよ。

ミル 大丈夫やて。一度組み付けば、組み付いた側はかなり有利なんやから。それ、-10成功!

GM それは、さすがに組み付かれたなぁ。

ミル 骨を登っていい?

GM まあ、いいでしょう。で、次はプロントンだけど……

プロントン この状態で攻撃したら、ミルに当たるかも知れないね。

GM そうだね。パイリングハンマーだから、ミルにはかなり効くだろうねぇ。

プロントン 仕方ない。一歩下がって待機しておきます。

ミル 大丈夫、次のターンには頭の辺りまで登るから、そうなれば邪魔にならないって(笑)。

ザウ で、俺の攻撃。俺のは間違って当てたとしても大したことないからな。普通に攻撃して(ころころ)命中、5ダメージ。

GM ちょびっとくらったな。


 ミルの行動は、いろいろ考えると無理があるような気がするが、GMがすんなりと ok を出したのはそれなりの意味がある。もちろん、ミルにとっては不幸な結果が待っているのは、言うまでもない。
 まあ、それがどういう結果なのかはすぐに分かるとして、次のターンの〈悪魔〉の攻撃である。


GM このターンの〈悪魔〉の攻撃は、鉤爪でも触手でもない。プロントンに向けて、(ころころ)口から炎を吐きます。ブグウォーオォッ!

プロントン なにぃっ! こいつ、こんな技も持ってたのか!

GM 命中してますね。プロントンは盾を持ってないから、よけるしかないけど、大丈夫かな? ちなみに、よけに失敗すると、えらいダメージを受けると思うぞ。

プロントン (ころころ)おおっ、何と、よけに成功した。

GM プロントンがよけたその後の地面を炎が撫でる。(さいころころころっと)うーん、地面がブスブスといってるかも(笑)。

プロントン ひえ〜っ、さいころ4つも振ってるよ〜っ!

ミル うちは、なるべく早く頭の所まで登って、火を吹きそうになったら邪魔をしよう。それで、なるべく背中側の腕の攻撃が届きにくそうな(背中に手を回して)この辺りとかを目指す(笑)。

プロントン 首だけ、クルリと振り向いたりして。(一同笑)


 ミルはこのまま攻撃を受けることもなく、無事に目的の位置まで登ることが出来た。そして、その位置で〈悪魔〉に膝蹴りを叩き込んだ!


ミル ダメージは13!

一同 おおーっ!

ザウ これまでの最大ダメージか。でも、振り落とされる時が見物だな(笑)。

GM 悪魔は叫び声をあげる。『ギャーッ、グオーッ!』

ミル ね、ねえ、その叫び声って……

GM えっ? ああ、別に何の効果もないから安心していいよ。単に叫んでるだけだから(笑)。

ミル それなら安心。黙れ、やかましいわーっ!

プロントン ブレスが恐い。接近しないで《石弾》に集中だ。


 この後、師範もガツンと一発でかいのを叩き込んだ。バールは、湖の方に逃げて手が出せなくなった奴以外の全ての〈悪魔〉の封印を終えて、巨人の〈悪魔〉との戦いに駆けつける。といったところで次のターン。


GM このターンで、ザウと師範の鎧の足部分の防御点が0になったな。ということで、次のターンからはダメージがいくのでよろしく。それで〈悪魔〉の攻撃だが……やっぱり背中のミルが邪魔だ。触手4本で捕まえにいこう。

ミル いやだーっ!

GM 嫌だって言っても来るの。一本目は当たり。

ミル この場合って、受けはやっぱり一回?

GM そりゃ、両手を離したら落ちるでしょう。受けは一回で、あとはよけだけで何とかしなさい。それから、敏捷力に-6の修正があって、各技能がそれに応じて修正を受けるのをお忘れなく。

ミル (ころころ)一本目は受けてる。

GM 二本目も当たり。

ミル よけしかないんよね。(ころころ)ペナルティーが付いてるから、成功なんてするわけないやないの〜。

GM 絡み付くかどうかは体力の即決勝負でもするけど、それは後回しにして、まずは命中だけまとめてやってしまうかね。三本目も四本目も当たり。

ミル ひえ〜っ、ことごとく失敗! はなせ、はなせーっ!


 と叫んだところで〈悪魔〉が離すはずもなく、体力の即決勝負にも当然負けて、そのままミルは触手に捕まってしまった。残る4本の触手の攻撃は、駆け寄ってきたバールの手首を狙っている。何と言っても、〈聖剣〉ルートに封印されるのがもっともまずい状態なので、さっさと叩き落としてやろうと思ったのだが、ダメージが小さ過ぎて効果がなかった。


ミル うちの番やけど……えーい、はーなせーっ、はーなせーっ!

GM 体力の即決勝負ね。触手一本あたり体力16だから。

ミル ちょっと、それってほとんど絶望てこと〜ぉ!? ええい、こうなったら、どっちが先にくたばるか勝負や! 倍速行動は、このままの状態で膝蹴り2連発いくで! ダメージは、6点と9てーん!

GM げしげしと。うーん、そこそこダメージが蓄積してきたけど、まだまだ。

プロントン そろそろまた炎を吹きそうだな。でも引き続き《石弾》の集中。

ザウ 俺の攻撃は命中……したけど、ダメージがカスだ。

バール 攻撃していいな。(ころころ)命中!

GM さっき叩き落とせれば良かったんだがなぁ。(ころころ)鉤爪で受けた。師範の攻撃は(ころころ)やっぱり受けられた。そして次のターン。ザウの足の鎧はもう駄目だったよね。ということで(ころころ)3ダメージ。

ザウ 鎧がなくなったから、まるまる食らうんだよなぁ。それも毎ターンか。いよいよ治療部隊の出番だな。よろしくお願いしま〜す。

GM はいはい。集中し続けてるから、必要な時にはいつでも声を掛けてくれ。触手は、2本残して残り全部でミルに絡み付いて、本体から引き剥して宙吊りにする。

プロントン ひょっとして、そのまま壁に向けてなげ飛ばして叩き付けるとか。

ミル そ、それは痛そう……。

GM 残りの触手は、バールにまず二本行って両方当たり。それから、鉤爪もバールに行って当たってる。

バール よけて……受けて……止めた!

GM 反対の手の鉤爪はザウに命中。

ザウ 受けたぞ。

ミル で、うちの番やけど……。

バール 大声でわめくくらいしか、やることがないんじゃないか(笑)。

ミル そうやねえ。こんな状態じゃ振り解きも無理やろうし。ということで、うわーっ、はなして、はなしてってばーっ!(一同笑)

ザウ 倍速だったよね。

ミル それじゃ普段の倍の数わめき散らせるのか。この変態! 人でなし! あんた、ろくな死に方せぇへんでっ!

プロントン 次のターンくらい、今度こそまた火を吹きそうだな。呪文の集中が途切れたらもったいないから、このターンで使います。《石弾》! (ころころ)ええーっ、ファンブル!?

バール おーい、呪文ファンブル表見てくれ。大きな物音と色とりどりの閃光だってさ。

GM ドガーン! バーン! パーンパーン、パパパパーン!

ミル プロントン、この非常時に、なに花火なんてやってるんやーっ!

ザウ おーい、待機している治療部隊の人、そろそろ呪文を使ってくれよ。と言いつつ、(ころころ)おおっ、クリティカル!

GM はい、効果を決めたら、ダメージを下さい。

ザウ 効果は、うぉらっ(ころころ)つまらん、通常ダメージ。(ころころ)あー、たったの5ダメージだ。

バール 攻撃は当然命中なんだが……。

GM (ころころ)ほい、受けてますね。けっこう技能は高めだから、フェイントでも使わないと当たらないぞ。師範の攻撃はやっぱり受けられて、そして次のターン。まずは治療部隊から呪文が飛んできて(ころころ)ザウ、全快でいいよ。師範も治療しておこう。そして、ミル。

ミル はなせーっ、こ、こら、どこさわってんの!

GM あのなぁ。まあいいや。そのままミルを粘液塊の中に押し込むから。

ミル えっ? キャーッ!

GM まあ、鎧の防御点がなくなるまでは防いでくれるけど、なくなったら、足だけの時とは比べ物にならないダメージを受けると思いたまえ。とりあえず、足はさっきから鎧がないから(ころころ)2ダメージね。ついでに、ザウも足に2点。師範は1点か。

ミル 助けてーっ……とも叫べないか。こんな死に方、いやじゃーっ!

GM ええっと、それから〈悪魔〉は、口から今度は(ころころ)赤っぽい色の霧を吐き出す。接近戦している人達は意志判定をしてくれ。

ミル こ、この状態でまだ来るか〜ぁ!

GM ああ、ミルは息が出来ないんだから、この判定はしなくていいよ。それで、バールとザウは? あまり失敗するとは思えないけど。

バール 余裕で成功。

ザウ おれも「意志の強さ7レベル」なんて持ってるからな。(一同笑)

プロントン つくづく無意味だよね。

GM それから師範もか。師範、大丈夫かなぁ(ころころ)おおっ、成功してしまった。つまらん。では、とてつもなく嫌な死に方をしつつあるミルさんどうぞ。

ミル ……え、ええっと、クリティカル狙いで振り解こうとしてもいい?

GM 体力の即決勝負だからクリティカルは関係ないけど、奇跡的な出目に希望を託して振り解こうとするなら構わない。

ミル それじゃ(ころころのころっとな)あ〜ぁ、全然駄目〜。

プロントン パイリングハンマーで殴って命中。

GM お? 防御失敗だ。

プロントン やった、11点!

ザウ 俺の、クリティカルしても5点とはえらい違いだな。で、俺の攻撃も命中してるけど。

GM (ころころ)よけたよ。それから、バールは命中? (ころころ)それも受けた。それで……師範の攻撃も受けられた。


 次のターン。粘液に押し込まれたミルの鎧は煙を上げている。もちろん、鎧で守られていない部分もあるので、その部分は大火傷である。すかさず、待機していた治癒部隊から《大治癒》が飛ばされるが、失敗する奴もいるので、回復が追い付かない。その後、《悪魔》は残る触手のうちの二本でザウの足払い。これは失敗したのだが、ミルに巻きついていた触手のうちの二本を解いて師範に向けた攻撃が命中。これで師範も触手に巻き付かれてしまった。
 PC側からは有効打が出ず、そして次のターンの《悪魔》の攻撃。残りの二本の触手の攻撃は失敗だったが、鉤爪による攻撃がプロントンに命中。


プロントン これは……あー、受けに失敗した。

GM はい、そうですか。では、切りダメージを決めるのにさいころを三つほど振るので覚悟しておいて下さいね。ということで(ころころ)14ダメージ。

プロントン こ、これはまずいかも知れない。ええっと……切りだから1.5倍して15ダメージもくらってしまった!

ミル プロントン、生きてとるかー! とか、気遣う余裕もないな、うちは。

プロントン て、転倒も気絶もしない。「我慢強さ」があるから、朦朧状態もないけど……生命点-7かぁ。この後毎ターン気絶判定だよ。

GM 全力防御かね?

プロントン いや、そんなことをしている余裕はない。どうせ傷の衝撃も受けないんだから、このまま攻撃するぞ。(ころころ)うおっ、クリティカルだ! 効果は2倍ダメージ!

一同 おおーっ!

GM な、なんだって!? そ、それで、ダメージはいくつなのかな?

プロントン ダメージはねぇ(ころころ)おおぉっ、ダイスで11が出たから+3して14で、2倍して28ダメージぃ!

GM に、にじうはちだめーじね……。ええっと、いちにいさんし(ダメージ記録の正の字を書いている)……これは……い、一気に砕け散ったぜ!

一同 やったぁっ!


〈悪魔〉、天空に放たれる

GM ぐずぐずぐずぐずぐずぐず……ぶしゅるるるるぅぅ〜。

バール 一気に飛び込んで、ルートで突き刺す! グサッ!

GM ふしゅる〜ぅうぅ〜るるるぅぅぅぅ。

ミル あ〜れぇ〜。

ザウ おいおい、ミルも〈悪魔〉だったのか?(笑)

GM その瞬間に骨と触手の部分は瞬時に塵となり、黒い霧とになって、〈聖剣〉ルートに吸い込まれて封印されました。なお、粘液はそのまま残っている。

ミル ええっと、自分で這い出していいですか? それと《大治癒》お願いします。

GM いいけど。で、残り生命点はいくつだって?

ミル 残り1点。ひどい目にあったわぁ。後でエステサロンに行かないと(笑)。

バール どうでもいいが、まだ一体残ってるぞ。ほら、湖の方。

ザウ 人形も逃げたんじゃなかったっけ?

バール それもそうだが、まあ、いいだろう。それよりも、今はあいつだ。

GM その一体だが、ミルの治療やら何やらしている間に、すでに湖のかなり沖の方まで移動していて、そして、水の中に沈んで行く所だ。

バール おーい、メスクリン、迎えに来ーい!

GM すーいすーいと泳いでくるが、君達が背中に乗ったころには、黒い霧はすでに見えなくなっている。

プロントン ありゃりゃ、追い掛けられるかな?

バール どうせ行き先は一つだ。ルートの体が乗っとられる前に、急ごう。

ミル あ、その前に、マントか何か貸して〜(笑)。


 メスクリンの背中に乗れるのは一度に三人。大怪我をしているミルや、治療部隊の人達をその場に残し、バール、ザウ、プロントンの三人は、急いでメスクリンに乗って船へと向かう。しかし、湖の中央まで泳いできて、更に水面が下がって船内には入れるようになるまでに、かなりの遅れを取ってしまったようだ。


ザウ まずは、一番心配な所に急ごう。ルートはまだルートのままか?

バール 最悪、いきなりルートの体を破壊しなくてはならないかもな……。

GM 君達がそういいながら船内に入った途端、船のお姉さんの声が聞こえてくる。「皆さん、中央制御室へ! この前、スティニアの人達と戦った所に急いで下さい!」

プロントン あ、そっちの方か。死体くらい片付けておけよ〜!

GM そんなの、とっくの昔に片付けてあるよ。でも、〈悪魔〉に憑依されたら、死体よりも始末に終えないものがある。

バール とにかく急ぐぞ。今のうちなら、こいつで斬り付けるだけで封印できるんだから。

GM 君達は船内の通路を全速力で走っていた。しかし、後少しで中央制御室という所まで来た時、突然船が大きく揺れる。敏捷力判定に失敗すると、転倒するかもね。

ザウ と、飛ぶなぁ!

GM まだ飛んでないけどね。それから、目の前の隔壁が閉じようとしている。どうする? 転倒してなければ、もう一度敏捷力判定に成功すれば飛び込めるけど。

バール 飛び込むしかないだろう。

ザウ というか、俺、途中で置いていかれてるんじゃないか? 移動力5なんだけど。

プロントン 俺も、荷重のせいで移動力が落ちてるからなぁ。バールはランニングを持ってるから、今の状態でも移動力6だっけ?

バール ああ。ようするに、俺だけ他の二人に先行してるってことだな。別に他の奴に合わせて走るつもりなんてないから。

GM では、バールは隔壁の向うに飛び込むつもりならば、敏捷力判定だ。

バール 飛び込むしかないだろう(苦笑)。成功だよ。

GM では、バールが飛び込んだ直後に隔壁が閉じられたのを、それを後ろから追っているバールとプロントンは見るわけだ。

ザウ おい、他の経路はないのか?

GM 「あ、ありますけど……ぐるっと回って船体の反対側なんです」

プロントン この隔壁、開けられ……るなら、閉まったりしないよな。

GM 「ええ。すでにその区画は、私の制御から切り離されてしまっています」

ザウ 一体、何がどうなったんだ?

GM ようするに、中央制御室に設置されているメインコンピューターが〈悪魔〉に乗っとられようとしているわけだ。

プロントン そいつを止める、何か別の手段はないのか?

ザウ そうだ! シンクロ周波数を落として、その間に対策を立てるんだ!

バール おいおい、一体どこからやってきた知識だ(笑)。

GM マギじゃないんだから(笑)。

プロントン とにかく、このままじゃどうにもならないから、隔壁を壊す努力をしてみよう。(ころころ)10ダメージだと?

GM ゴン。表面がちょっとへこんだみたいだけど、それだけね。どっちにしても、そっちは間に合わないからね。バールの方に場面を移そうか。


 バールが中央制御室に駆け込んだ時、そこにはすでに〈悪魔〉の影は見当たらなかった。その代わり、前回立ち入った時には所々に明かりが付いているだけだった部屋の中が、やたらに明るい。壁や天井に埋め込まれた、全ての計器が作動しているのである。


バール 計器盤の裏とかに隠れているかも知れない。注意して中に入ろう。そういえば、ルートってどこにいたんだっけ?

GM 船のお姉さんの方だよ。

バール それなら、この辺りで多少暴れても影響はないな。その辺りの適当なものを叩き壊してみよう。

GM ぶすっ……じゃないか。こういう機械を剣で殴ったら、やっぱり火花が散るとか、ガラスが割れるとか、壁がへこんだとか?

バール ここじゃなかったか。それじゃ次だ。

GM 剣を振りかぶった時、さっき以上に船が大きく揺れ、床が完全に斜めになってしまう。捕まるものがないと、そのまま転がってしまうよ。

ザウ うわっ、今度は何だ!?

GM 君達は、廊下の反対まで転がって、壁にぶつかって止まる。

プロントン 〈登攀〉技能で床か何かにしがみ付いていられないかな?

GM やってもいいけど、あまり意味はないね。バールは、敏捷力判定に失敗したら、そのまま出口の方に転がっていくけど。

バール この部屋、かなり大きかったよな。このまま縦になったりしたら、何かにしがみついている方が危険だ。自分から出口の方に滑って行く。

GM では、廊下まで滑ってきた。それから、エアロックが何ヶ所か解放されたらしい。そこから水が流れ込んできて、廊下を流れ下る。まあ、しがみ付いていても無駄だね。外で見ているミルたちの方だが、急に水面が大きく波立ち、湖底に横たわっていたはずの船体が、水面に向かって上がってくるのが見える。

ミル ありゃー、何か大変なことになっとるような気がするんやけど……まだメスクリンの迎えは来ないの?

GM 来ないよ。そして、ミルたちの見ている目の前で、水面を割って巨大な船体の一部が姿を表す。それで、その中にいるバールたちはどうする?

バール どうするって……どうしようもないんじゃないか?

GM いや、破壊活動をしてみるとか、脱出の努力をしてみるとか。

ザウ そういわれてもなぁ。まあ、脱出の努力だけはしてみよう。

GM 地底湖畔にいるミルたちの見ている前で、船体は更に浮上を続け、遂に水面から完全に浮かび上がる。所々開かれたハッチからは、船内に流れ込んでいた水が排出され、滝のようになって湖面へと落ちてゆく。

ミル ちょっと、バールたちは?

GM その水と一緒に、見たことのあるような一人が一緒に排出されてたりして(笑)。

ミル た、大変や! 助けに行かないと!

GM どうやって?

ザウ ミルも鎧を来てたから、そのままじゃ泳げないよな。

ミル 鎧? それならとっくにボロボロになってて、もう着てないのと同じよ(笑)。そうじゃなくて、メスクリンに拾いに行ってもらう。バール、まだ生きとるよね?

バール すぐに拾ってもらうなら、大丈夫だろう。

ザウ バールはそれでいいとして、俺達はどうなるんだ?

GM 君達の方は、さっきもう一度大きく揺れた後は、そのままどうもしないよ。床の傾きも元に戻ったみたいだし。

プロントン え? ええっと……ねえ、船の人。

GM 「…………はい」

ザウ おおっ、反応があったぞ。今、どういう状況になってるんだ?

GM 「私たちがいる区画を切り離して、本体の方が浮上してしまいました」

ザウ とうことは、ここに残っていてもしょうがないってことか。それで、ルートは無事か?

GM 「はい。幸い、機器に損傷はありませんでした」

ザウ 船の機能は?

GM 大部分、ごっそり本体に持っていかれたようなもんだね。

プロントン そうなると、ジャスティスの修理は?

GM それが出来る部分も、本体区画の方にあったからねぇ。このままじゃ、ルートは永久に剣の姿のままだ。

バール それで、船外に排出されてメスクリンに拾ってもらったのはいいんだが……その本体は、どうしてる?

GM ああ、本体ね。船体の何ヶ所かに激しい光が洩れ出す。そしてその光が収束したと思うと、光の束となって天井に向けて発射され、大爆音とともに天井の岩盤がぶち抜かれる。

ミル な、なんやてぇ!

バール ちょっと待て、岩が降ってくるじゃないか!

GM うん。だから、運が悪いと岩に潰される。

ミル た、退却ーっ!

GM まあ、ぶち抜いたのは湖の真上。君達はずいぶんと端っこの湖畔にいるわけだから、直接頭の上に岩が降ってくるわけじゃないけどね。それじゃ、よけを二回やってもらうかな。失敗すると、天井から剥がれ落ちて来た瓦礫でダメージを受ける。ファンブルしたら……新しいキャラクターシートを用意してくれ。

ミル ああっ、一回失敗した!

GM (ころころ)9点の叩きダメージね。

ミル きゃーぁ!

バール 俺は両方成功だ。


 NPCでは、師範は二回ともよけに成功。しかし、戦闘の訓練をしていないサリカの治療部隊の人達は、当然二回ともよけに失敗する人が続出。大怪我をして、その場で気絶してしまった。まあ、死亡判定をするほどのダメージじゃないけどね。


GM 瓦礫が降ってくるのがやんで、上を見上げると、天井に大穴が開いていて、そっから太陽の光が差し込んで湖面で燐いている。

ミル で、ザウたちは?

ザウ ええっと、どうなってるの?

GM 降ってきた岩塊が船体に当たって、何度か衝撃があったが、大したことはなかったようだ。

プロントン とりあえず、バールやミルが無事かどうか確かめたいな。上まで、送ってもらえるかな?

GM その辺りの機能は残されているからね。大丈夫だ。それじゃ、メスクリンに迎えに来させよう。


 こうして、ザウとプロントンはメスクリンの背中にのって、湖畔まで戻ってきた。そこでは、バールやミルが、大怪我をした人達の応急処置をしているところであった。
 お互いの無事を喜び、そして幾らかの情報交換の後、今後の方針を決めなければならないのだが……。


ミル それで、ジャスティスの修理をするところは?

GM 本体部分にあったから、今は空の上ということですねぇ。

ザウ つまり、このままじゃ修理は出来ないってことだな。

ミル ということは、〈聖剣〉ルートに封じられた悪魔を、修理が終ったジャスティスに更に封印しなおすということも出来ないわけで……。

バール このまま、ルートに〈悪魔〉が完全に浄化されるまで頑張ってもらわないとな。

GM さて、何十年、いや、何百年かかることか。

ミル ちょいまちいな! その、飛んでいった部分は、今はどうなってるんや?

GM すでに飛んでいってしまったからね。どこにいるかは分からない。でも大丈夫。船体部分も、取り付いている〈悪魔〉も、まだ復活したばかりで調子が出てないから、しばらくは大人しくしてるだろうけど、すぐに暴れ出すんじゃないかな。そうなれば、すぐ居所は分かるよ(笑)。

ザウ ど、どこで暴れるかな?

GM まずはスティニアだろうけど、あれだけの装備からね。行こうと思えば、どこでも砲撃しに行けるよ。

ミル そうなる前に、止めないと! それから、何とか〈悪魔〉を退治して大人しくさせないと、ルートもこのままやし。


 退治すると一言で言っても、〈悪魔〉は船の本体部分に取り付いてしまったわけだから、普通の武器で倒せるような相手ではなくなってしまったわけである。とにかく切り離された部分がそのまま残っているのだから、もう一度船内に戻って、船のお姉さんと相談してみようと言うことになった。


バール とうことで、俺達の手に負えるとは思えないんだが、何か方法はないのか?

GM 「確かに、船体自体を破壊するのは無理でしょうね。でも〈悪魔〉は船を直接操っているわけではありません。船の中央制御装置に取り付いて、それを介して船全体を操作しているわけです。だから、たとえば中央制御装置部分だけを破壊するとかすれば、それで全ての活動は止められるはずです。まあ、完全に破壊してしまうと、ジャスティスの修理をする装置も操作できなくなってしまうのですが……」

バール ということは、船内に乗り込んで壊すしかないわけだ。

GM そういうことだね。

ザウ 問題は、どの部分を壊せばいいか分からないってことだな。

GM 「それなら、私が教えることが出来ますから大丈夫です。それよりも問題は、どうやって船内に侵入するかということですね。それと、〈悪魔〉がどの程度システムを把握しているかも問題ですね」

ザウ そうだよな。飛んでるだけならいいけど、船内の迎撃システムとやらが使われたら大変だしな。それに、今の段階でも、隔壁は閉められるようだし。そうだ、あんたが向うの船に乗り込んで、制御をぶん取るってことは出来ないかな?

GM 「無理です。そもそも、向うの方がメインなんですから」と、彼女は困ったような顔で答えてくれる。

バール 燃料切れとかはないのか? 放っておいても止まるなら、何の問題もないんだが。

GM 「〈悪魔〉からエネルギーを供給されなければいいのですがね。しかし、もともと主砲を撃てるだけのエネルギーは残っていなかったはずなのです。それを使って、天井を撃ち抜いたということは……」

ミル 〈悪魔〉の目的が分かれば、もうちょっと作戦が立てられるかも知れないのに。

GM 〈悪魔〉の目的? 全てのものを滅ぼすことだよ。

プロントン それだけじゃなぁ(笑)。そうだ、ルートなら、中に封じた〈悪魔〉から何か聞き出せないかな?

GM 聞いてみても、「何か暴れてるみたいだよ」とかいう答が返ってくるくらいだよ。そうだ、〈悪魔〉を封印したんだから、ルートのエネルギーになる、善意の献血をしてもらわないとな(笑)。

バール ああ、そういうのもあったな。仕方ない、上に戻ってサリカの人が治癒を使えるようになってたら、俺が血を分けてやろう。

GM 「いやぁ、バール、悪いねぇ」(一同笑)

バール それはどうでもいいから、お前、《治癒》の呪文を俺に教えろよ。お前が剣になったおかげで、回復係がいなくなったんだからな。

GM ルートはしばし考えた後、「仕方ないか……非常事態だもんねぇ。他の人も、必要なら教えるよ」

バール お前のやりかたで構わないからな。

ミル あれって、動作か何かがいったんだっけ?

GM 「まずは、右手で大きく『2』の字を書くんだ」

バール 「2」の字? こうか?

GM へーんしん!(一同笑)

プロントン 仮面ライダーの変身じゃないんだから(笑)。

ザウ これで、バールバージョンの《治癒》呪文が完成だ。

GM 本当は、大抵の呪文は意志の力だけで使えるんだけどね。動作とか言葉とかは、精神集中のための手段だな。それはともかく、現状では、情報が集められない。とにかく、一度地上に戻って、それから飛んでいってしまった船の目撃情報とかを集めないと、どうにも動きようが無いな。

ザウ あいつが暴れ出したら、困るのはスティニアなんだから、スティニアの王女様と取り引きが出来るんじゃないかな?

バール 白金の姫か? まあ、こういう事態になった以上、放っておいてもあいつらが勝手に解決してくれるとは思うけどな。

ミル そうなると、ルートはずっとこのままになっちゃう。

バール だな。

ザウ それじゃ、とにかく地上に戻るとしてだ。このままこの船をここにおいといたら、スティニアの絶対連中が来るよな。あるのは分かってるんだし。どこかに引っ越せたりしない?

GM 船体自体は動かしようが無いけどね。まあ、いろいろ相談したい場合もあるだろうから、端末装置を工作して作って、〈多足のもの〉に預けておくということくらいは、やっておいた方がいいかもね。

ザウ ついでに、氷漬けのルートも、同じところに預けておいた方がいいんじゃないかな。

GM そういえば、そういうのもあったね。確かに、壁抜けとかテレポートとかの特技を持った連中が船内に侵入して、ルートを見付けたら、そのままスクエアのところに運ばれちゃうな。わかった。そちらも何とか手配するとしよう。

バール それじゃ、そういう方向で検討してくれ。俺達は、一度地上に戻るぞ。いろいろ報告もあるし、大怪我した連中もいるからな。

GM では、地上に戻ってきた。グリトグラ村は大騒ぎになってます。「な、何だ、さっきの光の柱は?」「大きな地響きがしたんだわさ。きっと、山の神様がお怒りなんだわさ」

バール では、我々が正確な情報を伝えてやろう。こういうことで、〈悪魔〉が一体逃げ出した。

GM えらい人達は納得するが、パニクってる一般の人達は聞いちゃいない。「きっと、この世の終りぢゃあ〜」(一同笑)

バール ああ、分かった分かった。それじゃパニックに陥っていない連中の手を借りて、後でルートと端末装置を〈多足のもの〉の通路まで移動するぞ。

GM それくらいなら、〈多足のもの〉がやってくれると思うけどね。


 こうして、〈悪魔〉の再封印をして落ち着くはずだったところが、逆に、余計面倒なものが世に放たれたというところで、次回に続く。


バール めんどうだなぁ。いっそのこと、このままルートに剣のままでいてもらった方が楽そうだなぁ(笑)。

GURPUS Runal II Replay
Played by "CRITICAL HIT!!"
June/July, 2000

暇人の統計

No.名前 台詞数(%)
1 GM 331( 37.1 )
2 ミル 156( 17.5 )
3 ザウ 143( 16.0 )
4 バール 140( 15.7 )
5 プロントン 113( 12.7 )
6 一同 8( 0.9 )
 合計 891 

 リプレイの日付を見て分かるように、今回のリプレイは実はセッション二回分をまとめて一本にしてあります。スティニアの連中をやっつけて地上に戻ってきたところまでが6月分、そこから後が7月分です。
 どうも最近、地下に潜ったり、スティニアの王城に侵入したりで、敵しか出てこないような場所が舞台になっているせいで、シナリオ自体が戦闘主体になっていて、時間がかかるわりにはリプレイが短め。出てくるNPCも敵主体になるので、どうもシナリオがワンパターンになりがちです。次回辺りから、ちゃんと青空の下を舞台にした話にして行きたいところです。

リプレイ&GM
by うさうさ

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