ガープス・ルナル・リプレイ2
黒い聖剣ジャスティス
Session 3 「狂える人形の館」

目次

Chapter I ちょっと息抜き
Chapter II ルート高司祭の危機!
Chapter III森の奥の館
Chapter IV 人形たち
Chapter V 人形退治
Chapter VI エピローグ
Appendix 暇人の統計

ちょっと息抜き

 ルート達一行がクラースを追い出され──もとい、〈聖剣〉ジャスティスに関しての調査を行なうために、トリース森王国の王都デューラーを目指して出発して、十日ほど。彼らは今、ターデンの町の、とある宿屋に泊まっている。予定では、これから〈着飾りの道〉トリース北街道を進み、途中からデューラーへと続く細い街道を使って、デューラーを目指すことになっているのだ。(GM註:「コンパニオンズ」とかの地図には載ってないけれど、細い道ならきっとあるだろう)
 もっとも、いつまでに到着しなくてはならないという期日があるわけでもない。久しぶりに大きな町に立ち寄ったことだし、この際、休養も兼ねて、今日は町の見物でもしようということになっていた。


GM ここまでの十日分の旅費が200ムーナくらいってことで、適当に減らしておいてくれ。グルメだったりしてうまいものを食ってきたというなら、ちょっと多めにね。それが終ったら、どこに行きたいか希望があれば言ってくれ。そこそこ大きな町だから、たいていの娯楽施設はあるだろう。

ルフェルト 貧乏だけど、やっぱり名物料理はチェックしているだろうな。う〜む、どこかで仕事でも引き受けないと、そのうち旅費もなくなるぞ。

ミル グルメじゃないけれど、ちょっと余分に払っておいしいもの食べる。それで……ええっと、どないしようか?

ルート 市場とかお店とかを回って、何か変わったものがないか見てみるっていうのはどうです?

GM そうだね。この町は、三つの街道が交差する位置にあるから、結構珍しい品物が見つかるかもね。それから、いちおう神殿は八つ全部揃っているから、顔を出してみるのもいいだろう。

ザウ 龍闘技の寺院は?

GM さすがに、そんなものはない。

ミル それじゃ、うちは格闘関連の品物がないか、うろうろして見て回ろう。武器とか防具とか。自分が使えないものでも、変わったもんがあるんなら眺めてる。なんか掘り出しものはないかいなって。

一同 掘り出しもの?

ミル 例えば“月刊「武器」”とか“格闘王”とか。(一同笑)

ルート 確かに、大きな町でないと売ってなさそうですねぇ。

バール なんだその雑誌は? 「挑戦者求む!」とかいうのが載ってるのか?

ザウ 「K1への道」とかいう特集記事があるのかも知れない。

GM それで「民明書房」から出版されていたりするの?(←元ネタわかるかな?)

ミル そうそう。あそこはこういうものの権威やからね(笑)。で、みつかるん?

GM そうだね、民明書房かどうかはともかくとして、3dを振って6以下を出せば見つかることにしようか。

ミル (ころころっとな)だめ。見つからんかったみたい。しゃあない、後は怪しげな武器とか。

GM 〈聖剣〉ジョスティスとか。(一同爆笑)

ルート な、なんか弱そうな武器ですねぇ。一文字違いなのに。

バール でも、それは確かに掘り出しものかも知れない。しかも「剣」じゃなくて、「拳」だったりするんだろう。

ミル 本当にそんなのがあったら、うち、全財産をはたいてでも買うで。

ルフェルト ないってば(笑)。

ミル それじゃ、それ以外の普通の格闘雑誌でも立ち読みしよう。

ルート そもそも、この世界に雑誌なんてものがあるのかなぁ?

ミル あるんじゃない? だって前回のキャンペーンでも、「魔術師の友」とかいう雑誌があったじゃない。

ルート でも、あれは専門誌だからなぁ。ピールの魔術師評議会か何かが出版すればいいけれど、格闘関連はちょっと疑問。

ミル それならこっちだって、ガヤンとかアルリアナの道場が共同で出版しているとか。

GM アルリアナだったら、お見合い情報誌とか出しているかもな。


 どうせウケ狙いでやってるんだから、あまり細かいことには突っ込まないように。
 さて、ちょっと店を冷やかした後、ルート、ミル、ルフェルトの三人は、それぞれの神殿に挨拶しに顔を出すことにした。もっとも、ルートが訪ねたペローマ神殿なんかは、町の図書館程度の規模でしかないので、挨拶以外に何かやることがあるわけでもないんだけどね。


ルフェルト ガヤン神殿は?

GM とくに急ぎの事件があるわけでもないので、みんなごく普通に働いているよ。もっとも、最近少々治安が悪いっていう噂だから、これでも以前よりは忙しいんだろうけど。

ルフェルト それなら、ちょっと話をするくらいの時間は取ってもらえそうだな。それで……用向きは全部話して良かったんだっけ?

バール ジャスティスのことか? 別に秘密でもなんでもないから、好きなようにすればいい。

ルフェルト ええっと……面倒だから、普通の挨拶だけにしよう。それで、誰かいる?

GM 一応、受付というか、そういう窓口に、入信者の人がいる。ソードブレイカーを持ってるし、ルフェルトが神官位以上らしいってわかるかな?
「おや、よその町の神官さまですか? こちらに何かご用でしょうか」

ルフェルト ……(しばし沈黙)……うゎはははははははぁ!(←なぜか突然笑い出す)

一同 怪しいぞ、ルフェルト!(爆笑)

バール 「ここは我々が占拠した!」とかいうセリフが、その笑いの後に続きそうだな。

GM こういう怪しい奴は、ソードブレイカーを持ってなけりゃ、さっさと追い出すんだがなぁ(笑)。

ルフェルト あ、いや、その、私はクラースのガヤン神殿の神官で、ルフェルトといいます。

GM 「は、はぁ……。あのぉ、それで、どういったご用なのでしょう?」

ルフェルト いえ、別に用はないんですけどね。ちょっとこの町に立ち寄ったもので、一応挨拶をしておこうと思いまして。

GM 「ああ、そうでしたか。それで、クラースからの道中、何事もありませんでしたか?」

ルフェルト ええ。

GM 「そうですか。最近この辺りは、少々治安が悪化してましてね。このまちの神殿の者も皆、努力しているんですが」

ルフェルト そういえば、町でもそういう噂を聞きましたね。ま、頑張って下さい。それから、何かあったらお世話になることもあるかも知れません。その時はよろしく。

GM 「それではお気をつけて。双子の月のご加護があらんことを」

ミル うちは、武器屋を見たり、良さげなブーツはないかいなって町をうろついてる。

ルート 神殿には行かないのか(笑)。

GM そうやってうろついてると、声をかけてくる連中もいるんだが。

ミル それは、態度によるぞ。

ザウ 態度によって、どうなるんだ?

ルート 「かかと落とし」のパワーが変わるんでしょう(笑)。

GM 「お姉さん、僕らと一緒にお茶でも飲まな〜い?」とか。

ミル それはきっぱり断る。

GM 「そんなこといわないでさぁ。おれたちがおごるから」とかいいつつ、ミルの肩に手を回してきたり。

ミル それは、脛を思いっきり蹴りつけてあげるわ(笑)。顔を洗って出直してき!


 それから、たくさんの交易商人が立ち寄る町だけあって、その手の娯楽施設もたくさんある。ということで、カジノなんかも用意してやったのだが、どうやら今回のキャラでギャンブルをするのはバールだけのようだ。
 しかし……バール一人がカジノで遊んで、その横でルートがニコニコしながら確率計算をしているだけじゃ、もちっとも盛り上がらん。プレイヤーの面子は前回と変わらんのになぁ。
 ちなみに、バールは合計500ムーナを注ぎ込んだが、ちっとも儲からなかったことだけ言っておこう。


ルート ほら、やっぱり儲からなかった。こういうのは確率を計算すると、絶対に儲からないようになってるんですよ(笑)。

GM それで、そろそろ日も暮れてきたし、夕飯にでもするかね。どういうものが食べたい? 普通の安くてうまそうな店? それとも、カルシファード料理かな。あとは、オータネス高級料理店とか、帝国から呼んだザノス料理の名人シェフがいる店とか。まあ、言ってみれば、和洋中華どれにするってことね。

ルフェルト 安くてうまい店にしよう。ちょっと奮発して30ムーナくらいで食べられるところということで(笑)。

ザウ そうだな。俺も高級料理をチマチマ食べるよりは、安くてうまいのを腹いっぱい食べたいぞ。

ルート それじゃ、そういう店を選んで入りましょう。

バール 俺は別行動にする。打つのはやったから、あとは呑むと買うの方ってことで。(一同)

GM わかった。買うの方は、安い方から最高級まであるから、君の好みにあわせて、それなりの料金を払っておいてくれ。

ミル それって、所持金の100の桁が動くよねぇ……。

バール もちろん。とりあえずだな……今日は500ムーナってことにしておこう。

ミル ごひゃくぅ!?

バール せっかく金を持っているんだ。使わんでどうする。

ルフェルト いったい、どんな相手を選んだんだか。

バール フフフフフ、はべせるのが一人とは限らないぞ(笑)。

ミル しかし、一晩で500……。うーむ……。って、さらりと話しているけれど、そういうのをミルが聞いてたら、かなりむすっとするだろうな。

GM でも、バールはいつの間にかいなくなっているんで、今の所は気づいていないだろう。

ザウ そうそう。おれたちは安くてうまい店に繰り出しているんだからな。ワイワイ騒ぎながら、腹一杯食おうや。

ルフェルト 当然、酒も注文するぞ。さあ、どんどん呑め!

ルート ええっと……あまりお酒は好きじゃないんですが……。

ミル なにぃ? 呑まんやてぇ? んなこと言わんと、ルートも飲みな!

ルート んなこと言われたって、嫌いなんですよ。

ミル なんでや!

ルート なんでやって、ミル姉、昔から私がお酒をあまり飲まないの、知ってるでしょう。とか言いながら、お茶を飲んでいよう(笑)。

ルフェルト ミルって、からみ酒だったんだねぇ。


 そうやって騒ぎながら、出てきた料理を平らげて、夕飯は終り。しかし、まだまだ宿に戻って寝るには早すぎる時刻。
 そこで、何か面白いものはないかいなと、みんなそろって、町の大通りをうろついてみることにしたのであった。


GM シャストア神殿で劇をやってるよ。二巡りくらいずつの期間でいろいろな旅の劇団を呼んで、神殿の劇場で公演するんだ。

ザウ 今やっている劇の題目は?

GM 『狂える人形の館』

一同 あ、怪しい……。

ミル な、何やそのタイトルは?

ルート 怪しいから、ぜひとも見に行きましょう(笑)。決定、決定!

ルフェルト 他にはないの? もうちょっと、こう、喜劇みたいなのさぁ。

GM 昼の部では、『悪の十字架』とか『猫の怨念』とか……。

ルフェルト な、なんか急に、見に行きたくなくなったぞ。

ミル 使い古されたネタやな(笑)。

ルート まあいいや。『狂える人形の館』を見に行こう。

GM ではシャストア神殿に行った。神殿の壁は赤に緑に黄色とか派手派手な色で塗られていて、そこに『狂える人形の館』と、血が滴るように赤いペンキで書かれた劇の看板が掛けられている。

ルート 神殿も看板も、趣味が悪いっすね。シャストア、垢抜けないなぁ。

ミル そう? わりといい感じの看板やない。結構、本格的な演劇かもよ。『悪の十字架』とか『猫の怨念』とかはともかくとして(笑)。

ルート そっちなら、昔、町の広場でやってるのを見たことがある。

GM そうだね。他にも『六尺の大イタチ』とか『空気獣』とか……って、ルナルじゃ銃はまだ一般的じゃないから『空気獣』はないか(笑)。(←ついでに言うと、ルナルには尺貫法はないし、時刻も十時とか言わないよな)
 とにかく、入場料は15ムーナね。チケット売場には、「小さなお子様連れの方、心臓の弱い方はご遠慮下さい」と注意の張り紙がしてる。

ルート まあ、このメンバーなら大丈夫でしょう。

ザウ 怒りっぽい人もお断りとか。

ルフェルト そうだよな。「この店、開くの十時か」とか「山寺に……猫が……おんねん」とかやられたら、役者に殴りかかるのもいるかも知れない。(一同笑)

GM だから、それはやらないんだってば(笑)。では、『狂える人形の館』、始まりま〜す。


 劇の内容はというと、子どもを亡くした貴族の夫人が心を病んで、森の奥の別荘に引きこもり、そこに子どもの代わりの人形を集め始める。しかし、そうして集めたられた数百の人形の中に、〈悪魔〉が取り付いた人形が混ざっていた。その〈悪魔〉に、病んだ心をさらに歪まされた夫人は、ただの人形ではなく、本物の子どもを殺し、その皮や骨を材料とした人形を作りはじめる。そして、館はそうした人形で埋め尽くされていった……。
 結局最後は、その噂を聞きつけたガヤンの神官たちの力によって〈悪魔〉は倒される。〈悪魔〉の呪縛から解き放たれた夫人は、自ら館に火を放ち、人形たちと一緒に炎に焼かれて命を落とす──というのが劇の粗筋。


GM 面白かったか面白くなかったかは、それぞれ勝手に決めてくれ。

ミル およよよよよよよ(滝のような涙)。(←変な泣き方)

ルート ミル姉、どうしたんです? そんなに恐かったかなぁ? ああ、よしよし、ミル姉って、こういうのが苦手だったんですね。

ミル なんて悲しい話なんやぁ……(涙)。

ルフェルト ありゃ、相当感情移入してる。

ミル いつの時代でも、母親の愛というのは悲しいもんやなぁ〜。およよよよ〜。

ルート 意外や意外。ミル姉がこれを見て泣くとは思わなかった(笑)。


 ということで、劇も見終ったし、あとは宿に戻って寝るだけ。


ザウ そうだ、寝る前の鍛錬が終ったら、今日使った金をメモしとかないとな。ええっと、食事で30、『狂える人形の館』で15と……。

ルフェルト 小遣い帳をつけてるのか?

GM 以外と几帳面だな。

ルート それはともかく、『狂える人形の館』15ムーナって、知らない人が見たらかなり怪しいんだけど。(一同笑)


ルート高司祭の危機!

GM では次の日の朝。

ルート それじゃ出発! ……じゃなくて、バールさんがまだ帰ってきてないから、それまで待ちます。

バール 昼近くになって起きて、それからみんなが泊まっている宿に戻る。で、もう出発するんだろ?

ルート そのつもりですよ。

ザウ それじゃ出発だな。

GM 出発しました。十日ほど経ちました。

ミル は? もう十日たったの? 早いわー。

ルフェルト その間、何事もなかったのかな?

GM 今のところね。ちなみに、ターデンを出て五日ほどはトリース北街道という大きな街道だったんだが、今はそれから外れて、森の中を通る細い街道に入っている。

ルート 周囲の植生とかを観察しつつ行きます。

ルフェルト 村とかも、ほとんどないのかな。

GM そうだね。二、三日に一つくらいの割合で、林業の村があったりする程度。村がない所では野宿だな。まあ、営林署の小屋みたいのが建っていて、それを使わせてもらう時もあるけど。
 おまけに、ただでさえ淋しい道なのに、最近は少々治安が悪くなっているせいで、人とすれ違うこともほとんどない。

ルフェルト 治安が悪いねぇ。トリースでも、そういう話をしてたなあ。それで、盗賊でも出るのか?

GM それも出る。それから、この辺りの村々で立て続けに数件、子供が行方不明になるという事件が発生しているらしい。

ミル 誘拐かな?

GM こんな細い街道には出ないけれど、大きな街道では、仮面をつけたエルファの盗賊団が出るって話だし。まあ、いろいろと物騒な事件が起こっているのだよ。

ザウ 仮面のエルファの盗賊団?

バール なるほど。このキャンペーンは、そういう時期なのだな。

GM 一応ね。でも、小説とかと突き合わせると、そのうちきっとずれてくるぞ(笑)。とにかくそういう情勢なもんで、今日も、昨夜泊まった村を出発してすぐに村の猟師さんと出会って獲物の兎を二羽売ってもらっただけで、それから誰とも出会っていない。

ルート 兎が二羽か。そうなると、今日の夕食は兎鍋かな。

ルフェルト 俺は、焼肉が食べたい。

ルート まあ、この前の蛇みたいに、各自好きな料理を作って食べるってことで(笑)。

バール 二羽しかいないんだから、せいぜい二品くらいだろう。

ザウ わからんぞ。この辺りの特産で、こーんな(両手で大きな円を描く)大きさの巨大兎とか。(一同笑)

ルフェルト ううむ……怪獣デブ兎。

GM ごく普通の大きさの野兎だってば(笑)。それで、夕御飯まではまだまだ時間がある。今はアルリアナ刻の終り頃(午後3時ちょっと前)。少々雲行きが怪しくなってきた。

ルート 雨でも降るのかな? でも大丈夫、私は超高級雨合羽を用意してあります。

バール 超高級? いつの間にそんなの買っておいたんだ?(笑)

GM ちなみに、三日前にも雨に降られている。この街道はあまり整備されていないから、その時はぬかるみや水たまりで散々苦労させられた。

バール 降ってくる前に、何とか雨宿りが出来そうな所を見つけたいな。

ルフェルト 都合のいい祠とか見つからない?

GM この辺りには見当たらない。

ザウ しかたない。祠とか洞窟とか、雨宿りが出来そうなほどの大木とか、そういうのがないか探しながら先に進もう。

GM 探しながら進んでいったが、やはり見つかる前に雨が降り始める。

ルート なんとまあ。仕方ないから、高級雨合羽を装備しよう。

一同 (黙ってルートを睨みつける)

ルート な、なんですか?

ミル か弱い女性が雨に打たれているっていうのに、この男はぁ……。

ザウ そうだ、みんなでルートの雨合羽にもぐり込もうぜ(笑)。(←無理だってば)

ルート どうしてみんな、雨具くらい用意してないんですか! とにかく、本降りになる前にどこか雨宿り出来そうな場所を探さないと。

GM では、早速本降りにしようか。

ルフェルト しかたない。完全に雨を防げなくてもいいから、その辺りの木の下にでも入って雨宿りにしようか。でも、このままだと夜になっちゃうよな。

ルート ええっと……雨をやませるような便利な呪文は……。

バール そんなの、お前が知っている分けないだろう(笑)。

ミル 困ったわぁ……。でも、このまま濡れていても仕方ないし、このまんま雨ん中を進まへん? そのうち、山仕事のための小屋くらいあるかも知れんし。

ザウ そうだな。どうせ今までもそうしてたんだろうし。それじゃ進もう。

GM では、そのまま先を急いだが、雨はいっこうにやみそうにない。それでかなりの時間歩いたころ……そうだね、視覚か聴覚の判定をして、どのくらい成功したか申告して。

ルート 超余裕! 9成功してる。

GM そんでもって、こっちの〈忍び〉の判定は、隠れる所も一杯あるし雨で薄暗いしで、それなりのプラス修正をつけて(ころころ)おっ、8成功だ。でも、ルートには気づかれるのか。

ルート それで、何なの?

GM 雨音以外に、落葉や下草を踏みつけるような音がかすかに聞こえた。それで周囲に注意を向けると、どうやら森の木に隠れて、君達を包囲するように何者かが近付いているようだ。

ルート なんと! もちろん、すぐにみんなに知らせます。ほら、今、あそこに人影が!

GM 次の瞬間、矢が飛んできま〜す。ええっと……4本飛んでくるから……

バール その前に、この辺りの地形は?

GM 今まで歩いてきた所とたいして変わらん。細い街道があって、その両側は植林された森になっている。それで、狙われなかった好運な一人を、さいころか何かで適当に決めてくれ。

バール となると、ルート以外の四人の中から一人だな(笑)。

ルート うぐぐ……でも「不幸」でCPもらってるから仕方がない。


 ころころっとさいころを3つずつ振って、一番目の大きかったミルが、好運な一人に選ばれたのであった。


GM では、ミル以外の四人を狙って、(ころころのころっとな)おっ、今日は調子がいいぞ。バール以外の三人に当たりだ。それで、矢は武器じゃ受けられないから、よけるか止めるかして……って、盾も準備されてないから、よけだけだな。

ルフェルト くらってしまった〜ぁ!

GM でもダメージが2点じゃ、鎧を通らんな。

ルート よけたよ〜ん。

ザウ こっちもよけた。

GM んでもって、木の陰からばらばらばらと、いかにも盗賊団ですといった風体の連中が現れる。

ルート あれ? 人間なのか。

GM なんだと思った?

ルート てっきり、噂の仮面エルファ盗賊団かと。

GM 大きな街道の方にしか出ないって言ったでしょうが。それで、偉そうなのが一人、斧を持ったのが二人、ショートソードが四人。

バール 偉そうなリーダーの装備は?

GM ブロードソードにスケイルメイル。ついでに言うと、ザコ連中の鎧はヘビーレザーだ。

ルフェルト 矢を射ってきた連中は?

GM そいつらが弓を捨てて、ショートソードに持ち変えて出てきたんだ。

ザウ おまえら、この雨の中、一体どういった用だ?

ルート 駄目ですよ、いきなり矢なんて射ってきちゃ(笑)。

GM 「いやなに。ちょっと通行料を払ってもらおうと思ってね」

ルフェルト いくら?

GM 「おれたちは、所持金の五割をもらうことにしている」

ルフェルト なるほど、五割か。それなら、お前らの持ち金の五割を俺達がもらい受けるだけで、かんべんしてやる!(一同笑)

ザウ おいおい、そんなのでいいのか、ガヤンの神官!


 当然、金を払うつもりもないし、こういう所で出てくる連中はザコに決まってる!(←決めつけられてしまった) 即座に戦闘モードに突入し、盗賊たちは、バールにザコ二人、残りのザコは一対一でルフェルトたちにあたる。ちなみに、斧使いの二人がルートとルフェルトの相手。リーダーは強そうな相手を見極めるために、様子を見ている。
 そして、お互い武器の間合いに入った最初のターン。盗賊たちの攻撃は、ことごとく受けるか止めるかされてしまう。ついでに言うと、バールに挑んだうちの一人はファンブルでバランスを崩し、さらにそのターンのバールの反撃がクリティカルで命中。ダメージが二倍で、一気に死亡判定に追い込まれてしまう。まあ、何とか生きていたが、こいつは次のターンで気絶だな。
 間を飛ばして、同じターン最後のルフェルトの攻撃。


ルフェルト 腕を狙ってやろう。(ころころ)余裕だな。4が出て成功……って、クリティカルじゃん。(一同笑)

GM なに!? 早くも二人目戦闘不能か?

ルフェルト 効果は8だよ。

バール 「四肢を狙っていたら、6ターンの間そこが使えなくなる。通常ダメージ」

ルフェルト それで、ダメージが6点の切りね。

GM 4点通って1.5倍の6ダメージ。腕だから生命力の半分の5ダメージまでしか受けないけど、クリティカルじゃなくても、ダメージだけで腕が使えなくなったな。それでもって(ころころ)転倒して朦朧状態か。


 あうぅ……。今回も、幸先の悪いスタートだなぁ。でも、ザコはザコなりに数で押すし、今回は伏兵も用意してあるのだ。何とかもうちょい頑張ってちょうだいね。


ミル このターンはうちからやね。命中した。

GM 当たってるよ。

ミル ではダメージを(ころころ)あー、また4点しか行かない〜。

ルート このターンも全力防御。

ルフェルト 転がっている奴は、もう放っておいても大丈夫だろう。ボスに攻撃を仕掛けるぞ。

GM では、このターンは移動だけだ。ボスはその挑戦を受けるためにルフェルトに向かって移動。ルフェルトに転がされた相手は(ころころ)何とか朦朧状態から回復して、膝立ちになった。次のターンで立ち上がったら、さっさと逃げよう。
 それから、ルートには全力攻撃をしてやろう。二回攻撃して、(ころころっとな)両方当たりだ。(←これは間違い。ルートの相手は斧を使っていたので二回攻撃は出来ないし、そもそもこのターンは準備に使うはずだった。)

ルート 一発目(ころころ)受けた! 二発目は(ころころ)ぐぼっ。

GM ではダメージをあげよう。ダメージは……げっ、1が出た。修正を付けても3ダメージ。

ルート ほっ、それだけですんだか。

GM (平然と)ああ、それから、木の上に隠れていた二人から矢が射掛けられる。(ころころのころっと)当たってるから、それをよけてくれ。

ルート ひえ〜ぇ! (ころころ)よけた、(ころころ)よけた! あのぉ、私を攻撃してもしょうがないから、出来れば別の人にした方が……。

ルフェルト まずい、奴らルートを人質に取るつもりだぞ。誰でもいいからさっさと相手を片付けて、援護に行ってやらないと。


 ザウ、バールへの攻撃は外れ。ミルは攻撃を受け損ねて、切りの4ダメージをくらう(鎧で2点止めて、1.5倍の3ダメージ)。ザウの反撃はクリティカルで受けられ、手首でも捻ったのか1ダメージをくらう。バールの反撃も、ザコは何とか受けに成功。よしよし、調子が出てきたぞ♪
 第3ターン。ルフェルトは敵リーダーにガツンと一発食らわせるが、こいつはスケイルメイルを着ているから、まだまだ平気。一方、リーダーの反撃はスカ。2ターン前にルフェルトに転がされたザコはこのターンで立ち上がって、さっさと逃げることにする。
 ルートの相手は斧の準備。木の上の二人は〈準備/矢〉に成功して、取り出した矢をつがえる。ザウ、バールには外れ。ミルには当たり。


ミル さっき3ダメージもくらったから、ここは全力防御や! 受け(ころころ)失敗、止め(ころころ)ああっ、失敗やぁ!

GM ではダメージをあげよう。おおっ、最大値だ6ダメージ!

ミル 2減らして1.5倍、6点も来るんかぁ。いち、にい、さん、よん、ごう、ろく……っと、かなりやばいで。しかも生命力の半分来てもうたぁ。


 ミルは何とか立っているが、このダメージで朦朧状態。
 ザウの攻撃は今度こそ命中。敵をぶん殴って6ダメージ(鎧で2点減るけど)。バールの攻撃はまたもや受けられる。ルートは相手が斧の準備をしているのをこれ幸いと、ミルの治療のために《大治癒》の集中を始める。


ザウ イニシアチブは6! 俺からだな。腕を狙って命中!

GM 受けてない。

ザウ ダメージは8点!

GM ばきっと、腕が使えなくなった。ついでに、朦朧状態になって転倒。

バール フェイント即攻撃。(ころころ)6成功。

GM そのフェイント、くらいまくってます。攻撃が命中したら受動防御しか使えないなぁ。

バール もちろん命中で、ダメージが刺しの8発。

GM スッ転んで朦朧状態。次のターンで気絶判定だな。次のミルか。

ミル まずは、朦朧状態からの回復判定やね。(ころころ)あ゛ーっ、だめや。なんでこういう目がダメージ決める時に出ないの? 今日はなんだか調子が悪い。

ルート ミル姉、大丈夫ですか!? ということで《大治癒》が発動して8点回復。あとは全力防御ね。

ルフェルト 親分に当たり。

GM 受けた。こっちの反撃も当たりだ。

ルフェルト フッ、ソードブレイカーでぶっ壊してやる。(ころころ)よし、受けたぞ。武器技能で勝負だ! 5成功。

GM 負けた、4成功。

ルフェルト よし、それじゃ三分の一の確率で折れる。(ころころ)むむっ、駄目だったか。まあいい、次のターンで折ってやる!


 ザコの行動。朦朧状態の二人はそのまま。だいぶ数が減ってきたし、回復したとしても逃げ切れそうにないから、こいつらは降伏だな。木の上の二人はルートに狙いを付けていて、斧の準備が終った相手はルートを攻撃。


ルート 全力防御しながら話かけよう。もっと強い人に行きましょうよ〜。(ころころ)駄目、命中されました。

GM ダメージが(ころころ)よーし、8ダメージ!

ルート うひゃぁっ、し、死ぬ、死んでしまうーっ! 一気に9ダメージくらって……生命力がちょうど0だ。次のターンは自分を治すために《大治癒》の集中だな。

GM ほほう、自分に治癒系の呪文を使う時は、受けているダメージ分のペナルティーが付くのだが、君はそんなに技能が高かったかね?

ルート となると-10修正。無理ですね(笑)。

ザウ そもそも、それじゃ朦朧状態になって、転倒判定があるじゃないか。

ルート そうだった。(ころころ)でも、何とか立っているぞ。……って、めちゃくちゃ痛くて死にそうなんですけど……。

ミル でも、うちには助けに行く余裕はない。

GM 次のターンは、こいつは斧の準備だから、攻撃されはしないけどね。そういうミルも朦朧状態のままか。チャンスだな。全力攻撃をしてやろう。

ミル なぬっ!?

GM (ころころ)外れの、当たりだ。

ミル -4修正が付くんだよねぇ……。おっ、何とかかわしたみたいやね。

バール 俺もザウも、目の前の当面の敵は転がしたからな。次のターンには二人の援護に向かうぞ。


 次のターン。ルートは朦朧状態から回復した。自分には《大治癒》はかけられないが、ミルもピンチなので再び呪文の集中。ルフェルトはリーダーの顔を狙って攻撃を仕掛けるが、これは外れ。


GM リーダーの攻撃は成功。

ルフェルト がちっと受けて、技能勝負は6成功。今度こそ折ってやる。

GM また折るの? ああ、駄目だ。

ルフェルト それでは(ころころ)よーしっ、ガキン!

GM 折られてしまった。仕方ない、剣を捨てて逃げよう。でも、ザコが気づくのは次のターンくらいだろうから、ミルとルートへの攻撃はあるぞ。
 ルートに狙いを付けていた矢が放たれる。(ころころ)両方当たりだ。

ルフェルト ああ〜ぁ、両方くらってしまった。

GM ミルへの攻撃も命中。

ミル 今回も、何とか止めた!


 しかし、盗賊団の抵抗もここまで。リーダーが逃げ出したのに気づいたザコは次々降伏。気づくのが遅れたルートの相手は、背中からバールの二段突きで串刺しになって即死。同じく背中からザウに殴られた相手も、大ダメージをくらって、すぐに降伏。


GM リーダーが逃げていくけど、どうする?

バール 残りの連中は任せた。俺が追いかけよう。

GM また背中からかよ。部下を串刺しにして瞬殺した戦士が、怪しげな黒い剣を持って追いかけてくるのか。よし、こうなったら……

ザウ こうなったら?

GM 土下座して、泣いて謝ろう。(一同笑)
「い、命ばかりはお助けを! 今持ってる金は全部渡します。身ぐるみ剥がれても構いません。心を入れ換えて、盗賊稼業から足を洗います。だ、だから……」

バール それより、お前らのアジトはどこだ?

GM 「ア、アジトに行っても、蓄えはないですよぉ。最近はこの商売も不景気で……」

ルート お宝はなくてもいい。今夜この雨がしのげれば(笑)。

GM ルート、お前笑ってられるのか? それに、さっきのターンの気絶判定、忘れてただろう。

ルート そういえば……。やっぱり、やらなきゃ駄目?

GM やってください。

ルート (ころころ)あうぅ、失敗。ばたんきゅ〜。

ザウ ルートも気絶してしまったことだし、このまま雨に濡らしておいたらまずいよな。おまえら、アジトに案内しろ。

GM 「へ、へい。わかりました。では、こちらです」


 降伏した盗賊たちに縄を打ち、とにかくアジトまで案内させる。
 案内された先は、森の奥に作られたおんぼろの掘建て小屋。それでも、一晩じゅう雨に打たれるのよりはましだろうと言うことで、気絶したままのルートを運び込んで、床に寝かせる。


GM ルート、今の生命力は?

ルート マイナス5。

GM それじゃ、気絶してから5時間後から生命力判定が出来て、成功すれば気が付く。失敗したら、一時間毎に再挑戦ね。

ルート それではまず一回目(ころころ)失敗。でも、二回目で成功。

GM では6時間後か。真夜中だな。

ルート う……うぅ……あれ? こ、ここは……?

ミル あっ、気が付いたみたいやな。ルート、大丈夫?

ルート あれ? ミル姉。いったいここは? みんなは?

ルフェルトの寝言 他の連中は、看病をミルに任せて、ぐっすり寝てる(笑)。

バール 俺は、話声が聞こえたら目が覚めるぞ。

ミル 捕らえた盗賊に案内させて、連中がアジトに使っていた掘建て小屋に気絶したあんたを運び込んだんや。雨の中じゃ看病も出来んしね。それで、気が付いたんなら、呪文で自分の怪我を治したらどうや?

ルート あのぉ……-15修正が付いてるんで、目標値が0なんですけど。

バール 絶対に成功しない上に、10以上でファンブルか(笑)。

ザウの寝言 自然治癒に任せるしかないってことか。

ルート すいませんね、足手纏いになっちゃって。

バール まあ、気にするな。おれも、ジャスティスに食事をさせられたしな(笑)。

ルート それで、自然治癒ってどのくらい回復するの?

GM 環境のいい所で休んでいれば、毎日生命力判定をして、成功すれば1点回復。でも、こんな掘建て小屋だとペナルティーが付くかな。

ミル そうなると、早く町に運んだ方がいいんかなぁ?

ルート 《治癒》の霊薬くらい、買っておくんでしたね。

GM まあ、ここで話していても仕方あるまい。今はまだ夜中だし。とくにルートは、おとなしく朝まで寝てろ。

ルート はーい。


森の奥の館

 昨夜の夕食は兎鍋だったが、今朝の朝食は、盗賊たちが保管していた食糧を適当に料理して食べる。大怪我をしたルートにはミルが付き添って食べさせてやったが、縄で縛られて転がされている盗賊たちには、皿に盛った食事を目の前に置いて、そのまま勝手に食えと言っておいた。(って、縛られて転がされたままでどうやって食えというのだ?)
 食事が終ったら、今度は盗賊の持ち物を調べ、合計240ムーナほど手に入れる。


GM 「そ、それで、俺達はどうなるんでしょう?」

ルフェルト 更生する気はあるのかい?

GM 「もちろんでさぁ」「しますします、いくらでもします。神官さまが更生しろとおっしゃるのならば、二度でも三度でも四度でも……」(一同笑)

ルート それって、更生したって言わないんじゃ……。

GM 「あ、いえ、決してそういう意味ではなくて、それはその、言葉の綾というもので……」

バール まあ、どうでもいいさ。こいつらをぞろぞろと町まで引き連れて行くつもりもないしな。ルート一人でも面倒なのに、似たようなのが何人いたっけ?

ザウ それで、どうするんだ?

ルフェルト そうだなぁ……たしかに重傷者はルート一人で十分だし。これだけ痛めつければ、当分大人しくするだろうから、このまま放っておいてもいいかな。

バール よし、わかった。それじゃ俺はここの後始末をしてから行くから、みんなは先に出ていてくれ。

GM 「後始末って、ま、まさか……!」

ルート こ、殺すんですか?

バール ま、いいからいいから。ほら、早くルートを担いで行った行った(笑)。

ルフェルト やっぱり、ルートは背負っていかないと駄目かな?

ルート 生命力が-5ですよ?

GM そうだな……生命力が3以下になると移動力が半分になるんだから、それに準じることにしようか。ちょっとの間なら、何とかふらふら歩けるけど、ここから次の村まで歩かせるのは、とてもじゃないけど無理。

ルフェルト 仕方ない。背負っていってあげよう。俺の荷物は、誰か持ってきてくれ。それじゃバール、後はまかせたぞ。

ミル ちょっと、このまま放っていくんじゃなかんったんか!?

バール (ニヤニヤ笑っているだけ)

ミル まさか、本気で殺す気やないやろうね……(怒)。

GM 盗賊たちの顔は、真っ青になっている。

バール こらこら、そんなこと言ったら、こいつらが怯えるだろうが(笑)。

ザウ そうそう。ほら、ミル、ルフェルトとルートはもう行ったぞ。俺達も早く行こうぜ。

バール ああ。お前らが出ていったら、俺もすぐに後始末をして追い付くから。

ミル なんか、ますます怪しいやないの!

バール 気にするな。ほら、さっさと出ていけよ。

ミル すごく納得いかないんやけど、仕方がないから、小屋から出て行く。

バール では、しばらくしたらジャスティスを抜いて、盗賊たちのところにつかつかと歩み寄って……

GM 盗賊たちは、ガクガク震えている。

バール 剣を振りあげて、ザクっ!

GM 「うぎゃーああああぁっ!」

バール ……と、縛っている縄だけを切ってやる。

GM 「……あ、あれ? た、たす……か……った?」

バール まあ、足を洗おうと盗賊稼業を続けようと、どちらでも構わんが。これに懲りて、今度からはよーく相手を選ぶんだな。残りの連中の縄は、お前が切ってやれ。

GM 「あ、ありがとうごぜえますだぁ(感激の涙)」

バール それじゃな。とうことで、ミルたちを追いかけよう。

ミル ううむ……このシーンをミルが見ていたら、バールに対する見方が変わったかも知れないんやけどなぁ(笑)。


 街道に戻って、次の村を目指すルフェルトたち。昨夜盗賊に聞いた話では、普通に歩けば、夕方には次の村に到着するらしいが、重傷のルートをルフェルトが背負っているため、どう考えても途中で野宿になりそうだ。
 そして案の定、途中で日が暮れてきた。天気は相変わらず不安定なようだし、重傷を負ったルートに野宿はきつかろう。


GM では、やがて日が沈み、そして赤と青の月が登ってくる。ということは、一緒に黒の月も出ているはずだけどね。

ザウ これ以上進むのは無理かな。無理に急ぐのもかえってルートの傷に悪そうだし、ここらで野宿かね。

ルート その月って、何かに関係あるのか?

GM 別に。話の雰囲気作りというものだ。それではここで、視覚判定をどうぞ。

ルート 3成功です。

GM 森のちょっと奥の方に、常に天頂にある白き輪の月と、今昇ってきた双子の月の光で、紫色に照らされた一軒の建物を見つけた。

ルフェルト あれ? ひょっとして、以外と村が近かったのか?

ミル まさか。そういった感じじゃなさそうやけど……一軒屋? まあ、とにかく行ってみようか。人がいれば泊めてくれるかも。

ザウ 人がいなくても、野宿なんかよりもよっぽどましだしな。それじゃ、行ってみるか。

GM 近付いてみると、どうやら貴族か大商人の別荘といった感じの、ちょっとした小さな館だ。白い壁が、赤と青の月の光が混ざって、紫色に照らされている。

ルート へえ、以外とこざッぱりしていて、感じのいい建物ですね。

ルフェルト そ、そうかなぁ?

GM どの窓にも明かりは見えず、周囲には雑草が茂っている。

バール 人は住んでなさそうだが……一応、正面玄関にでも行ってみるか。

GM 玄関には蜘蛛の巣が張っている。

ミル ああ、間違いなく留守やね。それとも、廃屋かな?

ルフェルト 留守なら管理人くらい置きそうなものだけどね。やっぱり廃屋じゃないかな。とにかく、中に入れさせてもらおう。

バール ドアは開くかな? 駄目なら、鍵を壊さないとならないだろう。

GM 開くよ。鍵はかかっていなかった。

バール すでに壊されていたのか?

GM いいや。最初からかかっていなかったようだ。

ルート ……? 留守だろうが廃屋だろうが、鍵くらいはかけて行きそうなもんだけど。

ザウ すでにねぐらにしている連中がいたりしてな。ドアを開けたら声をかけてみよう。おーい、誰かいないかぁ!

ルフェルト もしもーし、おじゃましまーす!

GM …………………………………………。

ザウ ……やっぱり、誰もいないのか? それじゃ中に入れさせてもらおう。

GM 入ったところは玄関ホール。奥に入るドアと、二階に上がる階段がある。玄関脇の壁には、絵が一枚かけられている。

ミル どんな絵?

GM この館の人かな。二十代後半の女の人と、その人の子供らしい女の子が並んでいる。やっぱり、貴族か大商人の別荘か何かだったみたいだね。

ザウ ご主人の肖像はないのか?

GM ここにはない。

バール ま、どちらにしても今はいないんだろう。とにかく、寝られそうな場所を探すぞ。

ルフェルト そうそう。今日は特別疲れたから、ベッドか何かが使えたら、そこで寝たいよな。


 ということで、勝手に館に上がりこんで、とりあえず一通り中を見て回る。
 一階には、台所と食糧庫に食堂。それから、風呂があった。それなりに埃が積もっているが、思っていたほどでもなく、ちょっと掃除をすればかなり快適に過ごせそう。
 二階に上がって、最初に調べようと思った部屋には鍵がかかっていた。そこは放っておいて、残りは二部屋。その片方は、どうやら子供部屋だったらしい。

[建物内見取り図]

GM ベッドが一つ、テーブルが一つ。

ルート ベッドを一つ発見(笑)。

ザウ それは使えそう?

GM ちょっと掃除をすれば大丈夫そうだ。それから小さなクローゼットがある。窓のところには、犬と猿と雉のぬいぐるみが乗っている。

一同 はぁ?

GM ま、組合せに関しては気にしないでくれ(笑)。

ザウ あと一部屋か。ここはどうなってる?

GM 隣の部屋には、ベッドが二つ、ソファーが一つ。あとはタンスやテーブル。やはり、ちょっと掃除をすれば大丈夫そうだ。

ルフェルト 薬とか、置いてないかな。

GM ざっと見て回っただけだから見つかってないけれど、各部屋の戸棚の引き出しとか、全部調べてみる?

ザウ おいおい、見つかったとして、それ、何年前の薬だよ。

ルフェルト どうせ使うのはルートで、俺が使うわけじゃないからいいんだ。(一同笑)


 もちろん、薬なんか探さずに、ベッドのある部屋を軽く掃除をして、子供部屋にルートを寝かし付ける。残りの二つのベッドはバールとミルが使い、ソファーにルフェルト。


ザウ 俺は床で寝るとするか。そうだな……この辺りの廊下で、毛布を敷いて寝ようか。

ミル なぜ廊下?

ザウ その方が落ち着くんだよ(笑)。


 この日は保存食を適当に温めて夕食にし、そのまま掃除の終った部屋で(ザウは廊下だが)寝てしまう。そして朝。


GM 朝だ。どうやら、今朝方から外は雨になったらしい。

バール 野宿じゃなくて良かったな。でも、この雨の中を歩くのもなんだし、もうしばらくここにいるか。

ルート それで、回復判定していい?

GM 修正なしで振っていいよ。

ルート (ころころ)ああーっ、でも駄目だぁ。

ミル しかし、ルートの怪我、全然治らへんねぇ……。早く医者か神殿に連れていってやりたいけれど、この雨じゃそれもできないし。

GM これもきっと、みんなが雨に濡れているのに、一人で高級雨合羽を着ていた罰だね。(一同笑)

ルート 旅に出るなら、普通雨具は持ってくるもんなんですってばぁ!

ザウ その雨合羽も、すでにぼろぼろで使いものにならないだろう(笑)。

ルフェルト とにかく、この雨がやむまではこの館に泊まることにしよう。どうせ一日中やることもないんだから、大掃除でもしようか。ルートは大人しく寝てるんだぞ。

ミル 掃除っていっても、水はあるん?

GM すぐ裏に、きれいな小川が流れている。この雨でも濁ったりしていないから、きっとその水でも使っていたんじゃないかな。

ルフェルト そういえば、風呂もあったよな。掃除をしたら入れるんじゃないか?

GM ちょっと掃除をすればね。風呂焚きは館の裏でやらなくちゃならないけれど、雨よけのひさしがあるし、そこに積まれた薪も使えそうだ。

ルフェルト ちょっと大変だが、よし、掃除をしてやろう。水を汲みにいったら濡れちゃうけれど、どうせ風呂に入れるんだし。

GM では、ルフェルトは風呂掃除と風呂焚きね。

バール おれは、二階の鍵がかかっている部屋を調べてみよう。まず、かかっているのは普通の鍵か?

GM 多分ね。

バール 扉も普通のか?

GM 普通の木の扉だよ。壊そうと思えば、すぐに壊せるだろうね。

バール よし、ドアノブのあたりをぶっ壊してやろう。ガンガンガンッ!

ルート (こいつは部屋で寝ている)うるさいなぁ。誰だ、破壊工作なんてしてるのは?

ミル やっぱり、怪我人なんだから一人くらいついていてやらんとな。それは気のせいだから、大人しく寝てないとあかんよ。

ルート 気のせいじゃないですってば! 絶対、誰かが何かを壊してますよ!

ミル ……気づかれたんなら仕方ないわ。実は……この館には、恐ろしい悪霊が取り付いて……。

ルート 取り付いていて?

ミル 夜な夜な──じゃなくて、昼間もだけど──ああいう音を立てて……食っとる。

ルート 何を? 饅頭とか言ったら、怒りますからね。

ミル ルート、このネタ知っとったん!?(一同笑)

バール 漫才はともかくとして、鍵は破壊できたか?

GM ああ、そうそう。鍵を壊していたんだっけ。すぐに壊すことが出来て、ドアを開けて中を見ると、そこもベッドが一つ置かれた寝室のようだ。鏡台が置いてあったりするし、どうやら女の人の部屋だったみたい。ただし……ずらりと並べられています。

ミル 人形?

ルート 饅頭(笑)?

GM 部屋中にたくさんの人形が、ずらりと並べられている。

ザウ もし饅頭だったら、人形よりそっちのほうがずっと恐いぞ(笑)。

バール しかも、出来たてホヤホヤで湯気が立っていたりしてな。それだったら、いくら俺でも逃げ出すぞ(笑)。

GM 四方の壁には三段くらいの棚が付けられているけれど、そこに人形がぎっしりと並べられている。窓枠やたんすの上にもごちゃり。テーブルの上にもいくつか。鏡台の前にもおかれている。

バール ……ベッドが一つか。よし、これで全員分の寝床が確保できたぞ(笑)。とりあえず、他の連中にも知らせておくかな。


 そして、昼飯時にみんな集まったところで、バールの報告があった。


バール ということで、快適な寝床を発見した。すごい部屋だぞ。人形がずらりと並んでいるんだからな。

ザウ ところで、どういう人形なんだ?

GM いわゆる、西洋アンティーク人形っていった感じの人形だね。ぬいぐるみとかではない。

ミル かわいいの?

GM 一つ一つ見ればね。

ルート ずらりって、どのくらいの数なんです?

バール 四方の壁が、人形で埋め尽くされているっていう感じ。

ルート なんと。そういう場面はぜひとも見てみないと(笑)。誰か、肩を貸してください。

ザウ なんだったら、お前の部屋にしてもいいぞ(笑)。


 そして、ルートたちを連れて行ってみたんだが……。


ルフェルト うわぁ……こりゃすごいわ……。

GM ベッドに寝ると、まわりじゅうから見詰められているような感じがするかもね。

ルート な、何か落ち着きませんねぇ……。

ザウ それで、ルートはここでいいんだな?

ルート いやですよ、こんな怪しげな部屋。ベッドだけ運び出して使いません?

バール 面倒だな。俺がこの部屋で寝るから、このままでいいさ。でも、掃除は手伝ってくれよ。

ルフェルト さてと、見物も済んだし、ルートは部屋に戻って大人しく寝てるんだな。そうそう、風呂の掃除をして水を張っておいたんだ。後は沸かすだけだから、夕飯後にでも順番に入ろうぜ。

ミル それなら、もうちょっとちゃんと掃除をして、居心地も良くしようか。

GM そして、午後は時間をすっ飛ばして……夕飯も食った。

ルフェルト 風呂も沸かした。順番に入ろう。

GM では順番に入った。そんでもって、ミルが入っている時に、天井からヤモリが落ちてきたりして。(一同笑)

バール お約束だな。たしか、ミルはそういうの駄目だったし(笑)。

ミル ひっ……! ひょやぃえ〜ぇっ!!!(恐怖判定には成功したんだが、恐いものは恐いのだ)

ザウ なんだ、どうした! ガラっ!(脱衣所に飛び込んできた)

ミル ヤ、ヤ、ヤ、ヤモ、ヤモリーっ!(半泣きで風呂から脱衣所に飛び出してきた) …………ん?(ドワーフに気づいた) キャアーァッ! げしっとザウの顔面に回し蹴りを叩き込む。(一同爆笑)

ルート なんか、今度は下の方が騒がしいなぁ(笑)。ミル姉、一体何を騒いでいるんだろう?

ミル 脱衣所に飛び出す時にも、バスタオルくらいは巻いてるけどね(笑)。とにかく、入ってきたドワーフには蹴りが入ったから。

ザウ いや、蹴りをするのは難しいと思うぞ(笑)。

ルートの茶々 いつもなら、かかと落としなんだけどね。それは、もっと難しそうだ(笑)。

ミル いいの! ちょうど目のところに足がゲシッと当たったから。それで、蹴った後で気づいて、あ……ごめん。

ザウ い、いや、こっちは大丈夫だ。それで、どうしたんだ?

ミル そ、その、ヤモリ、ヤモリが出たんよぉ(涙)。取って、捨てて!

ザウ ん。風呂に行って、ヤモリを捕まえる。

ミル 早く、捨ててきて! 早く!

ザウ 風呂の窓を開けて投げ捨てる。ひゅんっ……ずごごーぉん!(一同笑)

一同 時限爆弾じゃなーぁい!

ミル な、なんやここはぁ〜。で、でるんか〜ぁ。

ルフェルトの茶々 森の中の一軒屋なんだから、そのくらい出てもしょうがないじゃないか。

ザウ では、ごゆっくり。

ミル ……あ、ありがとな。

ザウ で、みんなのところに戻ってきたドワーフの顔には、足型がついていると。(一同笑)


 こうして、森の奥の館での、二日目の夜は更けていくのであった……。


人形たち

 こうして迎えた二日目の夜。ルフェルトとザウはぐっすり眠っているが、ルートは傷の痛みで、ミルはヤモリの悪夢にうなされている。ちなみに、今夜はルートは大部屋に移り、ザウが一人部屋。
 そして、人形だらけのれいの部屋で寝ているバールのところでは……。


GM (コロコロっとダイスを振って)バール、生命力で抵抗してみて。

バール なんだ? -4成功だが。

GM では、寝ているところに《誘眠》の呪文の上掛けで、ちょっとやそっとの騒音では起きられなくなる。
 残りの人。聴覚判定をどうぞ。なかなか寝つけない二人はともかく、ルフェルトとザウは-4修正をつけてあげよう。

ルート 成功です。

ミル 失敗。うーん、ヤモリ……いや……。ムニャムニャ(笑)。

GM 成功したら、廊下の方からおかしなざわめき声が聞こえてくる。

ルート なんだ、これ? やばそうな雰囲気……。とにかく、他の人を起こそう。ルフェルト、起きてくれ。ルフェルト、ルフェルト、ルフェルト!

GM 起きていいよ。

ルフェルト んぁ……? なんだよ、うるさいなぁ……。

ザウ おおっ!? おれも成功しているぞ。気付いたら、すぐに廊下に飛び出してみよう。

GM バールの寝ている部屋の方から聞こえてくるようだ。

ザウ すぐに走っていく。

GM たくさんの人形たちが、バールを担いで、どこかに連れていこうとしている。わっしょい、わっしょい……って(笑)、かけ声は掛けないけどね。

ザウ こら待てっ!

GM ばたばたばたばたっ。一斉に倒れてしまい、バールを落っことす。そして、倒れた人形はそのまま動かない。

ザウ なんだこりゃ?

ルート 今の、ザウさんの声だよな。何があったんだろう?

ルフェルト とにかく、ミルも起こした方がいいかな。

ザウ おい、バール、起きろよ。

ルート そうですね。ミル姉、ミル姉。起きて!

ミル ムニャムニャ、うるさいぞー。ぐー。

バール あれ? なんだここ?

ルフェルト ミルさん、起きないねぇ。

ザウ バール、こんな夜中に、廊下で人形と遊んでいるなんて、どういうつもりだ(笑)?

ルート こうなったら……ミル姉、トカゲ!

ミル うーん……やだ……トカゲ……こわい……ぐーぐー。(一同笑)

ルフェルト うなされてるよ(笑)。

ルート 起きろーっ!

バール 人形? 人形がどうしたって?

ミル はっ!? ト、トカゲ! トカゲどこに行ったん!?

ザウ お前に、夜中に人形と遊ぶ趣味があるとは知らなかった。それで、あの部屋を選んだんだな(笑)。

ルート いや、トカゲじゃなくってね、今廊下の方で……。とにかく、見てきて下さいよ。

ルフェルト 俺も行ってこよう。一応、剣だけは持っていくかな。

GM おーい、なんか二ヶ所で会話が進んでいて、混ざっていてわけが分からんぞー。


 ちなみに、プレイ中はルートたちの方の話を聞いていたから、テープを起こすまで、ザウたちがこういう話をしていたとは気づかなかった。こいつらも、結構間抜けな会話をしていたんだな(笑)。
 さて、ようやく目を覚ましたミルを連れて、ルートとルフェルトが廊下に出ると、床一面に転がった人形たちの真中でバールが座っていて、その横にザウが立っているのが目に入った。


ミル なんや、これ?

ザウ おや、起こしてしまったようだな。実は、バールが人形と遊んでいただけのようだ(笑)。

ルフェルト こんな夜中に、人形と? バールが?

ミル バール……あんた、そんな趣味があったん?(気味が悪そうにバールを見る)

バール ……どうやら、人形たちが勝手に動き出したようだな。

ザウ なるほど。見ようによっては、そういう風に見えなくもなかった。(一同笑)

ミル 人形が勝手に……? うそぉ!? じゃなくて、やっぱり! だよね(笑)。

ルート あー、やっぱり何かあったんですね。ずいぶんと騒がしくなったな。

ミル あっ、ルート、ルート! やっぱりここ、出るんや!

ルート 出るって……饅頭(笑)?

ミル 饅頭じゃなくて……

ルート トカゲ? それならトカゲだってヤモリだって……

ミル それもさっきお風呂で出たけど、そうじゃなくて、幽霊……というか、悪霊?

ルフェルト その辺に転がっている人形を一つ持っていく。そうなんだ。出たんだよ。この人形が、勝手に動き出したんだってさ。

ルート 人形が動いた? 馬鹿言っちゃいけませんよ。

ミル これはきっと、人形職人の呪いやで。今も死にきれずにこの世をさ迷っていて、人形に取り付く怨霊になったんや。そして、バールを担ぎ出して、どこかに連れて行こうとしてたんや。

ルート ええっと……そういうことなら、一応、《魔力感知》でも使ってみましょうか。(ころころ)成功しましたけど。

GM 気づかれたか……って、普通こういう場面だと使ってみるよな(笑)。近くに魔法のかかったものが存在しているようだ。と、その途端、人形のうちの一つがふわりと浮き上がり……

ルート あっ、浮いた!

GM そのまま階段の方へ飛んでいく。

ミル あっ、逃げた! 待てーっ!

ルフェルト 追いかけて捕まえるぞ。

GM 人形の飛んでいく方が早いよ。走っていけば見失わないだろうけど、捕まえるのは無理だ。

ミル でも、追いかける。

GM 人形は階段を降りて玄関ホールへと飛んで行く。そこから台所とかの方に行くドアは閉まっていたが、人形が飛んでくると、バンと音を立てて開いた。それから台所のドアも開いて、更に奥の食糧庫のドアも開く。人形はその奥へと向かう。

ルフェルト そこは行き止まりだぞ!

GM 残念、奥の空のワイン棚がずれていて、地下室に続く階段が隠されていた。

ミル およ? 当然、奥は暗いよね。ルフェルト、ガヤンなら明かりの呪文持ってない?

ルフェルト 俺、呪文は一つも知らないんだよ(笑)。

ミル ありゃりゃ。まあ、ええわ。とりあえずここに逃げ込んだっていうことは分かっtとんやから、上に戻って、みんなと相談やな。

ザウ やあ、お帰り。で、どうだった?

ミル 地下室に逃げこまれた。真っ暗だから明かりがいるんやけど……。

ルート そういうことならば、誰か私を地下まで連れていってください(笑)。

ミル 怪我人は大人しく寝とれ。

ルート そんなこと言わないで。ねえ、連れていって下さいよ。空飛ぶ人形なんていう珍しいもの、見逃したら一生後悔します!

ルフェルト だから、片付いたらいろいろ話してやるから。

ルート いえいえ、そういうものは、直に自分の目で見るのが基本。

ザウ 来るな、足手纏いだ。

ルフェルト 見たければ、自分で歩いてこい。おい、誰かランプを持ってきてくれ。

ミル もう、どうなっても知らんで。とにかく、装備を整えたらすぐに地下に降りる。来るんやないよ、大人しく待ってるんやで!

ルート 仕方ないですね。傷の痛みをこらえて、ずるずると壁伝いに進んで行こう(笑)。

バール どうしてもと言うなら、俺が連れていってやる。だが、戦いになったら、お前の面倒を見ている暇はないかも知れないぞ。

ルート ええっと……それでもいいです。それから、地下室は暗いでしょうから、私が《持続光》を使いましょう。

ミル そういう便利な呪文を持ってるなら、さっさと使わんかい!

GM でも、ミルたちはすでに地下室に向かっているんだよな。


 ランプの明かりを頼りに、地下室への階段を降りて行く、ザウ、ルフェルト、ミルの三人。バールはルートが二階から降りるのを手伝っているせいで、ちょっと遅れたが、後は勝手に来いと言って三人の後を追う。


GM 地下室への階段はすぐに終り、開きっぱなしになっている地下室のドアの前へとたどり着いた。そこから地下室の中にランプの明かりを向けると、部屋の奥に、さっきの人形を抱いた女性と、六人の子供、それにたくさんの人形たち──ざっと見渡して200体はいるか──が、淡いランプの光に照らし出された。

ミル うっ……。

ザウ 女性? 人間か?

GM そのように見える。そして、何やらぶつぶつ人形に向かって話しかけている。

ルフェルト なんて言っているんだ? 聞こえないかな。

GM 聞こうと思って耳を澄ませば、なんとか聞こえてくるよ。「そう……。あの子たちに苛められたの」とか。

ミル あ、あのぉ、もしもし……?

ルフェルト 苛めたって……それは誤解ですよ、奥さん。

GM 声をかけると、その女性と子供六人とたくさんの人形が、一斉に君達の方に目を向ける。

ミル に、人形はちょっと嫌かも……。

ルフェルト あまり関わり合いにならない方がいいような気が……って、もう遅いか。

GM 君達の方を見詰めたまま、その女性は「……あら、お客さん……かしら。……何か、ごよう?」と言ってくる。

ザウ ……じゃ、そういうことで。ミル、後はよろしく。(後ろに下がってしまう)

ミル あ、ザウ! えー、ええっと、その……ああ、そうそう。ちょっとお邪魔させてもろうてます。

GM 「……そうなの。いらっしゃい、お嬢さん」

ミル はあ、おおきに。

GM 「それじゃあ、あなたたちも……娘の……お友達になりに来てくれたのね……」

ルフェルト 娘さんというのは?

GM 「……ルーシーちゃん……あのお兄さんとお姉さんが……お友達になってくれるんですって。よかったわね……」と、抱いている人形に向かって話しかけている。

ミル それって、人形やないの。

GM (ミルを睨みつけて)「人形ですって? ちがうっ! この子はわたしの娘のルーシーなのよ!」

ミル あ、あの、その……。(←急に相手の口調が変わって怒鳴り付けられたのでうろたえているらしい)

ザウ あっ……ひょっとして、この人、入口の肖像画に描かれていた人?

GM そうだよ。

ミル (相手に聞こえないように小声で)このおばはん、ちょっとおかしいんとちゃう?

GM 「……あら、怒鳴ったりしてごめんなさいね。…………それで……お友達になりに……来てくれたんでしょう? ここの……六人の子供たちもみんな……ルーシーのお友達なのよ」

ミル は、はあ、そ、そ、そ……そう……ですか。た、たくさんいて、よ、よ、良かったですね。

ザウ ところで、あなたのお名前は?

GM 「……坊やたちも、お友達になりたいでしょう?」

ルフェルト 嫌だなあ、なんか会話がかみあってないよぉ。どうしよう?

ザウ あ、俺の名前はザウっていいます。

GM 「……どうしたの? ひょっとして……恥ずかしいの?」

ザウ こっちのはルフェルト。その横がミル。

GM 「人見知りをするのね。……大丈夫、すぐに仲良くなれるわ」

ザウ ちなみに、かかと落としは結構痛いです。いえ、俺はまだくらったことはないんですけどね。(一同爆笑)

ルフェルト でも、さっき顔面に蹴りをくらっただろう(笑)。


 あのなあ……。せっかく怪しげな雰囲気を盛り上げようとしているのに、ぜんぜん長続きしないんだから。
 とにかく、女性はそう言いながら、少しずつこちらに近付いてくる。子供たちと人形たちもそれに合わせて、少しずつ君達を取り囲むように移動している。ザウはともかく、ルートとミルは、この異様な雰囲気に飲まれて、すでに逃げ腰の体勢である。


ザウ 人形が寄ってきたか。一つ摘み上げてみよう。へえ、こうやってみると結構可愛いですな。でも、噛みついてきたりして。

GM ガジッ!(一同笑)

ザウ …………(怒)。こんなの、可愛いわけあるかあっ! 床に叩きつけてやる!

ルフェルト あ、それはまずいかも……。

ザウ もっとちゃんと教育しないと駄目だろう!

GM 「……あなたが苛めっ子なのね」

ザウ ちがーうっ! そいつに噛みつかれたんだ! 見ろ、この歯型を!

GM 「そういう悪い子には……お仕置しないといけないわね……」

ザウ そうそう。分かってくれましたか。

GM 「……みんな、これからあの子にお仕置をするの。……手伝ってちょうだいね」

ザウ よし、俺も手伝うぜっ!(一同笑)

GM ザウが相手だと、ちっとも異様さが盛り上がらんなぁ(笑)。女性のその声を合図に、人形たちが君達に向かって一斉に押し寄せてくる。

ザウ ああっ、やっぱりそうなるのか? それじゃやっぱり、後はミル、よろしく。

ミル あ、うちも、パスね。また今度っていうことで(笑)。

ルフェルト 上に逃げるぞ!

GM 六人の子供立ちも、隠していたナイフを手に持って飛びかかって来る。それで、階段を上って逃げようとしても、上からそろそろ降りてくる連中がいるんだがねぇ。

バール お前ら、何やってたんだ?

ルート そんなに慌てて、一体どうしたんです?

ミル ルート、何で来たんよ! 邪魔、さっさとそこ、どかんかいっ!

ルート あわわ、ミル姉ごめんなさい! 怪我は全然治ってないんだから、だから踏んだりしないでーっ!(一同笑)

GM ルートを蹴倒して行くならそれでいいが、ルートはとてもじゃないが逃げ切れないぞ。

ルフェルト はぁ……しかたない。ここで壁になっていてやるから、ルートは早く上に逃げるんだな。

GM それではイニシアチブを決めようか。(ころころ)こっちは3だよ。


人形退治

 ミルとルフェルトは地下室の出口の扉の前に立ちはだかり、その後ろの階段ではザウが足元を抜けてきた人形たちを蹴り落とす用意。その間に、バールはルートをとりあえず階段の上まで連れていこうと、肩を貸して階段を引き返している。


ザウ あのおばはんを何とかすれば、止まるんじゃないか?

ミル で、でも、そんなことしたら、完全に敵に回すやないの。何とか誤解だと分かってもらえば……

ザウ ナイフを持って襲いかかってきてるんだぞ。どうせまともな連中じゃない!

GM 子供たちは奥にいたからもうちょいかかるが、人形たちはすでに君達の足元までやってきている。足元をワキャワキャと走り回り、隙を見ては服をつかんで這い上がってくる。それで、噛み付いたり爪をたてたり。
 ということで、人形たちの攻撃は、群れによる攻撃ということにして、群れを散らすまでターン1ダメージを受けてくれ。ああ、それから、うっかり動くと人形たちに足をとられてすっ転びそうになるから、攻撃や回避に-2修正も付けようね。

ルフェルト ひえ〜っ。一度上に戻って、完全装備にしてきて良かったな。それで、人形の群れはどうすれば攻撃できるんだ? 剣を適当に振り回せば、当たりそうだけど。

GM 群れへの攻撃は、自動で命中することになっている。それで、1ダメージを与えて、合計8ダメージで当面の相手は蹴散らせるから。

ルフェルト それじゃソードブレイカーをぶんと振り回そう。

GM ほいほい。人形の何体かがふっ飛んでいったよ。でも、まだまだいるからね。引っかいたり噛み付いたりで、たかられている人は1ダメージずつと。女の人は動かない。子供たちはミルとルフェルトに三人ずつ攻撃して(ころころころころころっとな)ルフェルトに一発、ミルにも一発。

ルフェルト それは受けた。

ミル あれ〜、ファンブル! 自分の腕に当ててしもた〜。(ころころ)あ、でもダメージは鎧で止まった。

GM それで、ナイフのダメージが4点ね。

ミル ぐさぐさぐさ……何か、今日はこういうのばっか。

ルフェルト まわりじゅうから人形が這い上ってきて、たまらんなぁ。やっぱり、階段の上で待ち受けるのがいいかも知れない。

ミル そやね。それじゃ、次のターンには上に逃げる〜。

ザウ それじゃ、俺は先に上がってるからな。

GM ミルとルフェルトはその後だね。でも、階段は狭いから一人ずつどうぞ。


 で、次のターンはミルよりルフェルトの方が早かった。


ルフェルト それじゃお先に(笑)。

ミル なんでやーっ!? 今日は厄日か何かなんかぁ!?

GM では、逃げるルフェルトを追って、人形の群れが一つついて行く。そんでもって、1ダメージ受けといてね。子供は全部地下室に残って、ミルに組み付いてやろう。

ミル こら、よるな、触るなーっ!

GM ミルに組み付く……というか、しがみ付いてくるというか。「……お姉ちゃんも、みんなとお友達になろうよ」

ミル お友達になりたいなら、もっと優しくせんかーっ!


 いくら相手が子供でも、六人相手はさすがに辛い。そのうち二人に組み付かれてしまい、移動できなくなったところで、次のターンには残りにも捕まってしまった。もっとも、人形の攻撃は止まっているし、子供はみんな組み付いてきているので、ダメージは受けずにすんでいる。
 一方、地下室にミルをおいて、さっさと地下室を脱出してしまったザウやルフェルトは、なんとか一階にまで戻ってきている。


バール おっ、戻ってきたぞ。下はどうなってるんだ?

ルフェルト いててて……。この人形をひっぺがすの、手伝ってくれ。

ミル (地下室から)そんなんより、うちを先に助けにこんかーぁっ!

GM でも、人形はミルには攻撃してこなくなっているから、ダメージは受けなくていいよ。それで、このターンでも逃げられそうにないよね?

ザウ お友達になれば、離してくれるんじゃないか?

ミル うーん……(ちょっと考えて)……もうちょっと追い込まれてからね。

ザウ そんな都合のいいお友達があるかい(笑)。

ミル 都合がいいんじゃなくて、熱意に負けるということで(笑)。

GM そういうミルに、女の人が《魅了》の呪文を使う。知力で抵抗してくれ。

ミル マイナス3成功。なんか駄目っぽいなぁ。

GM かかったね。この女性は、子供たちや、まわりにたくさんいる人形は、みんなお友達です。それを苛める連中はやっつけなくちゃならないね。

ミル あらら? ねえ、お友達なら手を離してよ。

GM 離してあげよう(笑)。

ザウ なんか静かになったな。おーい、ミル、早く上がって来いよー。

ミル ええっと……お友達がいるから、みんな、早く下りといでよ。

バール おやぁ? 切らなくちゃならない相手が増えたかな?(一同笑)

ルート お友達? なんか、変なこと言ってますよ。気になるから、ずるずると下りていって、様子を見に行こう。

ザウ おい、また人質を増やす気か?

ルート でも、どうなっているのか見てみたいし。力づくで止めない限り、行くよ(笑)。

ザウ わかった。殴ってでも止めるぞ。

ルート えっ? で、でも、ミル姉が……

ザウ 殴るぞ!

ルート ……ごめんなさい。ここで待ってます。

GM ねえ、ミル。上に連れ去られた「お友達」を取り戻してくれると嬉しいな。

ミル それじゃ上がって行こう。

GM ミルの後ろから、子供や人形も一緒に上がってくる。

ザウ あ、むこうから上がってきた。よし、とりあえずミルを取り抑えるか。

ミル ねえ……その子たちを返してよ。

ルート その子? 人形のこと? ……なんかミル姉もおかしいよ。

ルフェルト 階段を上りきったところで、飛びかかって組み付くぞ。(ころころ)まずいな、1成功。

ミル (ころころ)ああ、こっちはまた失敗。ルフェルト、なにすんねん! こら、離さんかい、ボケ! その子を返せっ!

ルフェルト あー、わかったわかった。おれもお友達だから、大人しくしような。とかいいつつ、投極術で投げ飛ばす(笑)。

GM おや? ルフェルトって、軽荷だったっけ?

ルフェルト 違うけど……って、しまった! 並荷じゃ投極術が使えない。仕方ないから、そのまま押え付けるだけにしておく。

ミル はなせーっ、はなせーっ! はなさんと、膝蹴り叩き込むで!

ルート ミル姉、しっかりして下さいよぉ。

GM そろそろ、下にいた他の連中も上がってきたかな。「……そのお嬢さんは……この子たちの、お友達になってくれたの。はなしてあげて」

ルート ああ、それで、この人形が「お友達」ですか。やっとわかりました……じゃなくて、誰なんです、一体あなたは!

GM (眉をひそめて)「……坊や、そんな恐い声を出したら駄目よ」

ルート 坊やじゃなくて……いや、あなたから見ると、そういう年齢かも知れないですけど、とにかく、あなたは何者なんです!

ザウ さっきからそれを聞き出そうとしているんだが、答えてくれないんだよ。この家の人みたいだけど……。

ルート ……そういえば、入口のところに肖像画がかかってましたね。となると、ひょっとして、幽霊か何か?

GM 「……人のことを幽霊だなんて……坊や……失礼よ」

ルート そんなこといわれても……。

ザウ あんた、いったいいくつなんだ?

GM 「……女性に歳を聞くものじゃないわ」

ザウ いや、まあ、そう言われるとそうなのかも知れないけど(笑)。

ミル (ルフェルトの組み付きから逃げられるか判定したのだが、やっぱり駄目だった)はなせーっ! この人はなぁ、かわいそうなお母ちゃんなんやで!

バール なんだ、ミルは色々話を聞いたのか。

ミル いや、そう思っているだけだけど(笑)。この人はなぁ、子供を亡くして……とまあ、後は言わなくても大体わかるやろ。

ルフェルト まあ、同情はするけどねぇ……。

ザウ だからと言って、魔法で無理矢理ここに縛り付けることはないだろう。

ミル そんなんやない! ザウ、いくらなんでも、言っていいことと悪いことがあるで!

ザウ だって、どこからどう見てもそうじゃないか。ええい、どついたら正気に戻るか?

GM 「……そういう、乱暴な言葉はよくないわ」 とか言いつつ、呪文に集中して、終ったらザウにも《魅了》を……

ザウ かからない。そろそろ頭に来たから、集中してバーサークに入るから(笑)。(ころころ)よし、バーサークっ! うぉおらあぁーっ、いつまでもうだうだ喋っているんじゃねえやぁ!

バール あ、ザウがついに切れたか(笑)。

GM ザウに向かって、人形たちが殺到する。その間に、女性は階段の下の方へと逃げて行く。再び戦闘体勢かな? イニシアチブは3。

ミル あ、やっぱり? こっちは5。

ルート 6。どうやらこのターン、ミル姉は最後のようですね。(←行動順は、毎ターン一つダイスを振って、一番大きい目を出した人から右回りにしているのである)

ミル ルートはどうせ何もせえへんのやから、振るんやない!

ルート エヘヘヘへ……(笑)。

ルフェルト で、俺の番ね。このままミルを押え付けておくから、後はよろしく。

ミル はなせー、はなせー! このターンで振り解けなかったら、次は本当に膝蹴りやで!

ルフェルト そ、それは痛そうだなぁ……やっぱり離して、地下のおばさんをやっつけに行こうかなぁ。

バール 俺に考えがある。もうちょっと押え付けておけ。

ミル な、何を?

バール フフフ、すぐに分かるって(笑)。


 人形たちはザウに噛み付いたり引っかいたりで1ダメージ。子供とおばさんは地下に下りていった。バーサークしたザウは、まとわりつく人形なんか気にもせず、彼女らを追って階段を駆け下りる。


バール それじゃルフェルト、ミルをしっかり押えておけよ。ジャスティスの剣の腹で、ミルの後頭部を思いっきりぶん殴る。全力攻撃で技能を上げて(ころころ)命中。

ミル それって、防御できるの?

GM ルフェルトに組み付かれているところに、後ろからか。受動防御だけかな。

ミル それって、まず失敗なんですけど。(ころころ)がごーおぉん!

バール ダメージが6点の叩きね。

ミル はうぅ!? 鎧と頭蓋骨で止めて2ダメージ。4倍して8。生命力の半分を越えたから自動的に気絶する。ばたんきゅ〜(笑)。

バール よし、行け、ルフェルト。


 こうして、お荷物と化したミルを黙らせて(無茶するなぁ。クリティカルとか最大ダメージが出たらどうするつもりだったんだろう?)、このターンは終り。
 バールはこのまま上に残って、ルートとミルを守ることにする。ルフェルトは、先に行ったザウを追って階段を下りる。バーサークしたザウは、向かってくる子供から攻撃をくらっているのだが、それ無視。おばさんに容赦のない全力攻撃を仕掛ける。


ザウ うぉおらぁーっ、命中してダメージが11!

GM ふっ飛ばされてぶっ倒れた。ついでに、手元にあった《電光》が破裂して、さらに5ダメージ。

ミルの寝言 うわぁ……だいじょうぶ?

GM ちっとも大丈夫じゃない。転んだ途端、おばさんの首が外れて転がって行くから。

ルフェルト 首ぃ?

ザウ なんだ、あんたも人形だったんかい(笑)。でも、まだ子供がいるからな。バーサークはそのまま続いているぞ。

ルート なんか、下は凄いことになってるみたい。ザウさん、すっかり切れちゃってますねぇ。

ザウ 御意(笑)。

GM おばさんが抱いていた人形は、腕から抜け出して空中に浮いている。

ルフェルト 実はそっちが親玉か。俺は次のターンでそいつに攻撃ね。


 バールは階段の上で待機。ミルは気絶中。ルートはやることなし。
 そして迎えた次のターン。


ルフェルト よし、クリティカルで人形に命中!

GM げげっ……で、でも、効果は?

ルフェルト ええと(ころころ)とくになしだ。ダメージが普通に5点。

GM その程度のダメージなら、カンと跳ね返すぜ(笑)。

ルフェルト か、硬い!?

GM こいつの皮膚は、強化セラミックス製です(笑)。(←たんに、「妖魔夜行」の「瀬戸物の体」として作ったんだけどね)
 それで、ルフェルトのまわりに人形の群れがよって来て、ダメージが1。ザウにも同じく1ダメージをまず与えて、それから子供たちの攻撃だな。(6人分命中判定をして)ルフェルトに3人とも外れ、ザウには1人当たり。バーサーカーは能動防御をしないから、こちらが攻撃成功させれば、まず当たるだろう。

ザウ 受動防御だけじゃねぇ。

GM でも、ダメージが3かぁ。空中に浮いている人形は、呪文を使うための集中に入る。

ザウ 子供その一に全力攻撃。(ころころ)当たり(ころころ)当たり!

GM 二つともダメージ下さい。

ザウ 6ダメージと7ダメージね。

GM ふっ飛んで、壁に叩き付けられ、ひっくり返って動かなくなりました。

ザウ そいつも人形か?

GM これは生物(なまもの)らしいけどね。あれだけ激しく壁に叩き付けられたのに、血の出る気配がない。次はバール。

バール 人形が階段を上ってきたら、適当に攻撃してつき落す。

GM それで、ミルは寝てる。ルートは見てると。次のターンだな。

ミルの寝言 見てないで、うちに《覚醒》をかけて起こすとかせんの?

ルート あ、それもそうですね。それじゃ《大治癒》で、さっき殴られたダメージを治してから……っと、やっぱりやらない。まだ《魅了》の効果が続いていたら面倒だし。

ミルの寝言 ぶー。


 地下室では、ザウとルフェルトが二人だけで奮闘している。人形の群れがうっとうしいが、しょせんたいした戦闘能力は持っていないのである。子供たちはザウに次々に倒されてゆき、空飛ぶ人形も呪文を使う暇もなく、ルフェルトからの攻撃にさらされている。


ルフェルト 人形に10てーん!

GM 切りボーナスは無効だけど……がんがんがんがんがんとくらって、(ころころ)ああ、集中が途切れたぁ! ええい、牙の生えた口で噛み付いてやる!

ルフェルト 受けたよ〜。

GM 子供が3人、(ころころ)一人当たり……なんだけど……。

ルフェルト 止めたよ〜(笑)。

GM ザウには一人当たってダメージが5の切り。

ザウ フッ、バーサーカーにそんなの効かないぜ! そいつに11と6のダメージ。

GM ずごーん! あ、忘れてた。バールとルフェルトには人形の群れから1ダメージずつね。

ルフェルト なんだかんだ言って、そっちはじりじり効いてきてるよな。今ので、残りの生命力が半分になった。

ルフェルト あ、それじゃそろそろ《大治癒》かけようか?

GM 無理。君は一階、ルフェルトは地下室だ(笑)。


 とは言っても、ルフェルトやザウが人形にちまちまやられて倒れるよりも、相手を粉砕する方が早いよな。
 ということで、ザウにかかっていった子供の最後の一人が破壊され、首をふっ飛ばされる。ルフェルトは、天井近くまで逃げていった人形に、高低差による-3ペナルティーがついた命中判定を余裕で成功させ、前ターンに引き続いてダメージを与える。そして……。


ルフェルト イニシアチブ取った! 人形に、ダメージ+2全力攻撃を仕掛ける。(ころころ)当たり!

GM (ころころ)あ〜、なんで防御に+3もらってるのに、よけられない?

ルフェルト ダメージは11てーん。

GM パリーン! その一撃で、人形の体が砕け散る。同時に、人形の群れはばったりと力を失って倒れ伏す。まだ動いていた子供も倒れて、そのまま動かなくなる。

ザウ 敵がいなくなったんだが……俺が倒したわけじゃない。でも、正気に戻る判定していい?

GM どうぞ。

ザウ 正気に戻った。ふう、片付いたようだな。

ルフェルト それで、最期の言葉とかはないの?

GM ない。ただ、人形が砕け散ると同時に、何か黒いもやのようなものが散ってゆくのが見えたような気がした。

ルート もう大丈夫でしょう。そろそろ、ミル姉も起こしてあげようかな(笑)。


エピローグ

ミル (ルートの《覚醒》で起こされた)うーん……? な、なんか頭がズキズキするけど……。

バール そりゃそうだろう。でっかいたんこぶができてるし(笑)。

ルート ミル姉、友達は誰?

ミル 友達? 友達なんていない。

ルート あ、そうですか。友達はいないのね(笑)。ま、いいや。とにかく正気に戻ったみたい。

ミル そういえば、あの子達と、お母さんはどうなったん?

ザウ そいつなら、地下室で首をふっ飛ばされて破壊されているぞ。

ルート 首を? それでみんな止まったんですか?

ルフェルト そうじゃなくて、そいつが抱いていた人形。ほら、最初に逃げていった、あれが親玉だったみたいだな。あのお母さんも、実はそいつが操っていた人形だったんだ。

ルート そうだったんですか。どれどれ、見に行ってみよう。

GM 見に行った。確かに人形だけれど、その皮膚は、人の皮で作られていたからね。

ルート げげっ、やっぱり、趣味が悪いよぉ。

バール 子供達も人形だったのか? さっきは、なまものっぽいとか言っていたが。

GM そっちは、防腐処理が施された屍体。いってみれば、腐らないゾンビ。

ルフェルト ということは……これって、やっぱり……あの劇の通りの話?

ミル 誰が、こんなことしたんや……。

GM あの劇の通りなら、ルフェルトが破壊した人形に〈悪魔〉が憑いていたということなんだろうけど、真相は謎のままだ。ちなみに、わきゃわきゃ動いていた人形達は、普通の人形みたい。

ルート ……とにかく、子供達も人形も、ちゃんと供養してあげましょう。

バール そうだな。でも、劇の通りに館ごと燃やすのはちょっとな。まずは人形を全部集めて……風呂の焚付けにでも使うか。(一同笑)

ルート あ、あの、あのおばさんの人形と子供達を火葬にした火で、風呂を沸かして、それに入るんですか?

バール 誰もそんなこと言ってないだろう。燃やすのは、普通の人形だけだよ。あとは、火葬なり土葬なりすればいいだろう。

ルート とにかく、僕は動けませんから、皆さんにお任せします。


 こうして、お母さん人形と子供たちは火葬に、残りの人形は、風呂の焚き付けにすることになった。


GM そういえば、子供部屋に犬と猿と雉のぬいぐるみがあったんだが、それも燃やすの?

バール 一緒でいいだろう。

GM それで、今はまだ夜中なんだが……。

ザウ 寝る。

ミル そうやね。そういうことは、明日の朝起きたらやね。それじゃおやすみなさい。

ルート おやすみなさい。

ルフェルト 寝るなら、俺の傷を治してから寝てくれ〜。

ルート ああ、そういえばそうですね。(怪我人の治療をして)ふう、これで全部ですか? まったく、自分の怪我は治せないっていうのに。……って、今の呪文で、体力もほとんど残ってないです。

GM どうせ今から寝るんだろう。気にするな(笑)。


 次の日。昼近くになって起きてから、屍体の埋葬や人形の始末をした。それから、一応地下室や、人形がたくさん並んでいた部屋を調べてみることにする。


GM 地下室ね。何もないよ。まあ……屍体の加工をしたりするための道具とかが見つかるかも知れないけれど、それ以外は何も。

バール それじゃ、二階の部屋だな。机の引き出しとかを開けて、色々出してみる。

GM すぐに、日記が一冊見つかった。

ルート 読んでみます。

バール 「朝起きて昼寝して夜に寝た」「昨日と同じ」で、三日目からは書いてない。(一同笑)

GM 一応、真面目に付けているようだけれどね(笑)。とくに変わったことは書いてないよ。
『昼過ぎまで雨。でも、夕方に雨が上がった時、きれいな虹が見えた。この子達にも良く見えるように、みんなを窓際に連れてきてあげた』
『久しぶりに主人が訪ねてくる。お土産に、可愛い子を三人連れてきてくれた。名前はメアリー、ルーシー、ビル。今夜は三人とも、ベッドの枕元にならんで一緒に寝ることにする』

ルート はぁ?

バール 人形をプレゼントされたんだろう。

ルート で、でも、なんか病んでません? この日記?

GM 『ルーシーが、新しいお友達が欲しいと言ってだだをこねる。なだめようとしたのだが、なかなか機嫌は治りそうにない。今度主人が帰ってきたら、頼んであげると約束すると、ようやく機嫌が治ったようだ』

ミル だだをこねる?

GM 『近くの村のジョン君が、ルーシーの友達になってくれた。これからはずっと、この館に住んでくれるという。うれしい』

ミル ちょ、ちょっとそれは……。

GM そんなことがつらつらと書き連ねられていて、唐突に終っている。そのあと空白ページがだーっと並んでいて、最後の方に近いページに、まだ新しいインクで、こう書かれている。
『ずいぶん長居間留守にしていたけれど、みんな元気そうだ。ルーシーは、もうすぐ新しい子供達が来てくれるといっている』
『昨夜、ルーシーの言う新しい友達が、五人も来てくれた。……』

ルート そ、その名前は?

GM 『名前は、ルート、ルフェルト、ミル、バール、ザウというらしい。今日はこの子達の歓迎パーティーを開かなくては……』

ミル ……それ、一体いつ書かれたもんなん?

GM さてね。でも、こういう怪談っぽい事件なわけだから、話のつじつまを合わせようと思っても、合わないと思うよ。もともと、この辺りののつじつまは合わないように、シナリオを作ってあるし(笑)。

バール まあ、人形達の処分も終ったことだし、そろそろ次の村に向けて出発しよう。ルートを医者に見せないといけないしな。

GM でも、医者に見せても、回復の判定に+1の修正がつくだけだ。

ミル 週に一度診てもらって医者が成功すれば、その時は1点余分に回復するというのもあるみたいよ。

ルート 寝たきりで治すのと、たいして違わないじゃないか〜ぁ! できれば医者じゃなくて、《治癒》の呪文が使える人を呼んでくるか、《治癒》の霊薬を買ってきて下さい。お願いします……。

GURPS Runal Replay II
Played by ``CRITICAL HIT!!''
May 23, 1999


暇人の統計

No.名前 台詞数 (%)
1 GM 222 ( 28.4 )
2 ミル 135 ( 17.3 )
3 ルート 131 ( 16.8 )
4 ルフェルト 109 ( 14.0 )
5 ザウ 100 ( 12.8 )
6 バール 78 ( 10.0 )
7 一同 6 ( 0.8 )
 合計 781  

 キャンペーンタイトルが「黒い聖剣ジャスティス」なわりには、相変わらず出番のない〈聖剣〉ジャスティス。でも、ようやくキャラクター達の性格を把握してきて話が作り易くなってきたので、次回辺りから本編に入りたいと思っています。
 今回の話は、いわゆる怪談なので、背景描写とかNPCの口調とかに結構気合いを入れてシナリオを作っておいたんですが……やっぱりある程度そういうシーンが続くと、ガス抜きがしたくなるプレイヤーが必ずいるもんですね。
 ついでに言うと、雨に降られて幽霊屋敷(?)で雨宿りと言うパターンは、ソードワールド「旅芸人一座の冒険」の第3話とでも使っているんですが、あちらと違い、あまり家探しをしませんでした。そのせいで、引き出しにしまってあった日記が最後になるまで見つからず、ちょっと蛇足気味になってしまった。もうちょっと廃屋っぽくしておけば良かったのでしょうか。
 ということで、今回はここまで。

リプレイ&GM
by うさうさ

でした。


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Copyright (C) 1999 USAKA Tomonori and CRITICAL HIT!!