| Prologue | プロローグ |
| Chapter I | バドッカ発トリース行き |
| Chapter II | 血を吸う魔剣 |
| Chapter III | ペローマ神殿にて |
| Chapter IV | 偶然の(?)再会 |
| Chapter V | 〈異界の森〉の奥へ |
| Chapter VI | そして……やっぱり迷った! |
| Appendix | 暇人の統計 |
そこには、数体のスティニア兵の──もっとも、まともな連中ではなかったが──骸が転がっていた。
「このところ、三日に一度のペースだな」
そうぼやいたのは、全身を鍛え上げたドワーフ。武器は持っていない。龍闘技蹴撃術を使うこのドワーフは、武器を使わず、素手で敵の外骨格を砕き、叩きのめしたのである。
「そうだな。襲ってくるのは構わないが、こんな連中ばかりじゃ、ジャスティスの餌にもならん」
庸兵風の男が、黒曜石のような素材で作られた宝剣を鞘に収めながら答えた。その声を聞いたかのように、鞘に収められた剣がカタカタと鳴る。
「こいつ、普段は生き物の血を吸わせろとうるさいくせに、こういう連中の血は駄目ときてる。まったく、贅沢な奴だよ」
「そりゃそいつだって、虫の体液やら、怪しげな黒い血なんて吸いたくもないだろう。それで、これからどうする?」
「予定通りにするさ。この山を越えれば、バドッカまではすぐだ。そこから船でトリースにでも脱出すれば、しばらくはスティニアの連中も手が出せないだろう」
「そうだったな。この調子じゃ、そのうち毎日追っ手と戦わなきゃならなくなりそうだし。スティニアを離れて、しばらくのんびりするか」
……そして数日後、二人はトリース行きの船にもぐり込んだのであった。
GM さて、この設定によると、バールはスティニア王城に隠されていた〈聖剣〉ジャスティスを盗み出し、それが原因でスティニアから追われる身となっているんだったね。
バール そうだ。
GM それじゃそういうことにしておいて、次はザウの方だな。
ザウ 俺?
GM そう。君が修行をしていた龍の寺院には、どこの誰が言い始めたのかは定かでないが、その〈聖剣〉ジャスティス──まあ、言い伝えでは、スティニア王家に伝わる「封魔の剣」ということになっているが──それを手にして、何とかして、どうにかして、どうかすると……
バール ようするに、どうすればいいのかさっぱり分からないってことだな。(一同笑)
GM そういうこと(笑)。それで、どうにかすると、眠れる龍へと到る道が開かれ、その龍の強大な力と、その龍とともに封じられた莫大な財宝が手に入るという言い伝えが残されていた。その話を信じたザウは、その剣の正当な所有者だと称するバールに手を貸して、その剣を取り戻すのに協力し、以後行動を共にしている。つまり、バールともども、スティニアから追われる立場だ。
バール 今も一緒に行動しているのか?
GM 導入の都合上、そういうことにしておいて。ただでさえ、前シリーズ以上に曲者ぞろいなんだから(笑)。
ザウ それじゃ俺も「敵」でCPもらえるのか?
バール 駄目だろうな。主に追われているのは俺で、ザウはおまけだ(笑)。
GM そうだね。バールとともに行動をしているから一緒にスティニアに追われているけれど、それはバールと別れればいいだけの話。ザウ自身が追われているわけじゃない。
さて、これまではそういう追っ手──その中には、ゴブリンとかオーガーとか、あるいは怪しげな怪物に変身する連中とかが混ざっているんだが──そいつらから逃れたり、返り討ちにしたりしてきた。しかし最近、状況がこれまで以上に厳しくなってきた。そこで、一時スティニアを離れようということで、二人はまずバドッカに入り、そこから海路でトリース森王国に向かうことにした。そして、今二人は、その船の上にいる。
ザウ その船は、トリースのどこに向かっているんだ?
GM トリースの〈南の港町〉クラースだ。
クラースは、人口およそ一万五千。主にバドッカやソイルとの交易を行なっている港町で、トリース最大の水軍も駐屯している。海流の影響で一年中暖かく、保養地としても有名。それから、グラダス最大のリャノ神殿があるんだそうだ。(「ガープス・ルナル・コンパニオンズ」など参照のこと)
ちなみに、今回の残りのプレイヤーキャラクターは、みんなクラース出身ということになっている。そのうちの一人、グラダス半島じゅうを気の向くままに旅をしていた、アルリアナ神官のミルも、久しぶりに実家に顔でも出そうかと、同じ船に乗り込んでいたのであった。
ミル うちも同じ船なん?
GM そうだよ。バドッカからクラースまでは……えっと、ここにあるザムーラという島までは一巡りくらいで到着してしまうらしいから(「ルナルジェネレーション3」より)、6日の航海ってところかな。
その間、食事は食堂で食べることになっている。ということで、出航してから5日目の夕食の時間だ。
ザウ それじゃ、食堂に行こう。
GM バールと同じテーブルでいいね?
バール 別々に座る理由はあるまい。
ミル ザウを見て、龍闘技使いだって分かる?
GM 「格闘技の話をすると止まらないない」なんて癖があるってことは、きっと蹴打術だけじゃなくて、そういうの一般が趣味なんだろうね。まあ、体の鍛え方とか、身に付けているものとか、そういうのを見ればなんとなく分かるよ。
ミル 興味があるけれど、軽い女だとは見られたくないから、声はかけないでおく。でも、視線の方はチラチラと……。
ルートの茶々 何か、複雑だねぇ(笑)。
GM ザウとバールは、知覚判定かな。
ザウ 失敗だ。
バール 俺は成功。
GM バールは、少し離れたテーブルで食事をしている女が、さっきからチラチラとこっちを見ているのに気づく。
バール よう、姉ちゃん。何か用か?
ミル 別に用はあらへん。ただ、面白そうだから見ていただけや。
バール 面白そう? ま、どうでもいいが、それなら一緒にこっちで食わないか?
ミル ええんか? それじゃ一緒させてもらうわ。
ザウ おっ? 姉ちゃんも、その料理に目を付けたのか。これ、うまいんだよな(笑)。
ミル さすがドワーフ、グルメやな(笑)。それにその格好。ひょっとして兄さん、龍のドワーフ?
バール 何だそりゃ?
ミル 知らへんの!? ドワーフに伝わる、龍闘技や。
バール いや、龍闘技の方はザウが使うから知っているが、そういういい方は知らんぞ。
ミル いやぁ、これまで見たことあらへんのよ、龍闘技使いは。ね、そうやろ?
ザウ ええっと……。あ、俺は「正直」だったな。今一瞬、誤魔化そうかと思ったんだが(笑)。いかにも、龍闘技蹴撃術使いだ。
ミル あ、やっぱり? 一度見てみたかったんや。
ザウ そうか。俺と会えて、満足したか?
ミル 出来れば、もうちょっといろいろ話をしたいんやけど、ええかな? ああ、うちはミルっつうて、アルリアナの神官してるんや。
ザウ アルリアナというと……あの、蹴打術使いか?
ミル そうそう。よう知っとるなぁ。こう見えても、蹴りに関しては自信があるんやで。それで、そっちの兄さんは?
バール 俺か? 俺はバール。見ての通りの庸兵みたいなもんだ。
ミル それは、見ただけじゃ分からん(笑)。
ザウ じつは結構強いで、その兄さん。
GM おいおい、口調が移ってるぞ。
ザウ わい、他人の口調が移るっていう癖があるねん(笑)。
バール ちなみに、腰に下げている剣はかなり怪しいぞ。いかにも「宝剣」っていうやつだから(笑)。
GM 確か、鍔[つば]にはスティニアの王家の紋章も入っていたんだっけ。一応、ミルには〈地域知識〉の判定でもしてもらおうかな。持ってなくても、グラダスの住人なら技能無し値で判定していいだろう。
ミル でも失敗。
GM では、かなり偉そうな宝剣を持っていると思うくらい。
ミル でも、あまりの異様さに、ちょっとくらいは突っ込んでおかんとな。兄さん、すごい剣を持っとるなぁ。
バール ああ。しかもこいつ、時々勝手に動くんだぜ。
GM そう言った途端、カタカタカタ……と、勝手に刀が鳴ったりして(笑)。
ミル (気味悪そうにそれを見ていたが……)え、ええっと、でも、兄さんも、たくましくて強そうやな。
ザウ ああ。バールの強さは、俺が保証するよ。
ミル それより、龍闘技のことなんだけど!
とか何とか、ミルとザウは格闘技の話で盛り上がり、そうしているうちにテーブルの上の食べものは、あらかた片付いてしまった。
ザウ グルメな俺としては、食事の後はやはりデザートがないとな。ええっと……あんみつなんてないかな。(一同笑)
一同 あ、あんみつぅ?
ミル あ、うちもあんみつ欲しいわ。
GM あんみつかどうかは知らんが、何か甘いデザートを持ってきてもらった。
ルートの茶々 しかし……ミルはともかく、そっちのごっついドワーフがこういうのを食べているのは、違和感があるぞ(笑)。
バール 俺は、その二人があんみつを食っている横で、酒でも飲んでいよう。お前ら、よくそんな甘ったるいもの食えるなぁ。
ミル ええやないの、好きなんやから。それでザウはん。龍格闘技ということは、やっぱり山奥の寺院にこもって修行してたん? それで、みんな頭を坊主にしていて、灼熱した鉄の板の上を渡ったり、「木人」とかいう人形を相手にして修行をしているんや。な、そうやろ?
ザウ (重々しくうなずく)うむ、その通り。
バール おいおい、それは何か違うぞ。ザウも嘘をつくんじゃない(笑)。
ミル でも、うちは〈流派知識〉なんて技能持ってへんから、そういう歪んだ噂を真に受けてんの(笑)。
GM それで、デザートなんてすぐに食べ終るだろうけれど、食事の後はどうするんだい?
ミル お酒でも飲みながら、格闘技の話でまだまだ盛り上がる。うち、こういう話をすると止まらへんのよ(笑)。
ザウ わいもつき合ってやるで。(←また、口調が移っている)
ミル それで、言い寄ってきた弱っちい男を叩きのめした話とかをしている(笑)。この船の中でも、何か勘違いした連中がいてな、そいつらにもガツンと一発食らわせてやったんや。
ザウ そういうことだと、今、この食堂にも何人か来てるんじゃないのか?
GM そりゃ、いるだろねぇ(笑)。ちょうど後ろに、それでも懲りずに声をかけようと寄ってきた連中が来たことだし。
ミル そう言った連中には、ふりむきざまにこうやって(ゲシッ!)蹴りを入れるんや。(一同笑)
盛り上がるのは構わないが、本当にいつまでもそういう話をされていたんじゃ、話が進まないぞ〜。
仕方がないので、強引に時間を進めて、さっさと食堂の閉店時間にしてしまおう。ちなみにバールは、つき合ってられんといって、自分の部屋に戻ってしまっている。
ミル ええーっ、もう閉店なん? もうちょっとええやないの。
GM 「あのですねぇ、わたくしたちも、明日の仕事があるんですよぉ? かんべんして下さいよ」
ミル そんなこといわずに、ねぇ。ええっと、店員のほうが折れそうなら、もう少し粘るけれど、そうじゃないならさっさと引き下がる。
GM 折れそうにないよ。
ミル まったく、サービス精神がないんやから。ぶつぶつ……。しゃあない、甲板に出て軽い散歩でもして、それから寝るとしよう。
ザウ 俺は、寝る前の日課の軽い運動だな。やっぱり甲板に行く。
GM さて、場面は変わって部屋に戻ったバールのほうだが、バドッカを出てから一滴の血も吸わせていないから、今夜はジャスティスの刀鳴りがひどい。そろそろ本気で騒ぎ出すんじゃなかろうか(笑)。
バール そういえばそうだな。……よし、まずはこの辺りの他の船室の様子でも伺ってみるか。
GM バールたちが使っているのは、おそらく一番安いところだろう。狭い部屋がいくつもならんでいるが、いちおう、鍵くらいはかかっている。
バール ……まてよ、この時間なら、まだ甲板をうろついている奴がいるかも知れんな。そっちのほうが後始末が楽そうだ。甲板を見に行こう。
ミル え゛っ、こっちに来るんかいな。
GM では、甲板のほうだ。ザウは甲板に出て、龍闘技蹴撃術の型でもやっているんだろう。ミルは散歩か?
ミル ザウの型を見ている。こういう練習風景は、やっぱり見るでしょう。
GM そこにバールが上がってくるわけだ。そして、ザウがいつもの寝る前の鍛錬をしているのが、すぐに目に入る。それからちょっと離れて、ミルが立っている。
さて、ここでその三人、視覚判定をしてみて。暗いから、暗視の出来ないミルは-4ね。
バール (ころころ)成功したようだな。
GM では、ミルの近くの暗がりに、男が一人潜んでいるのに気づいた。と、その時、そいつがミルに向かって突然突進、ミルをつき飛ばそうとする!
バール ほぉ。
ミル うちも成功してるから、気づいていいね。
GM もちろん。それじゃ、ミルをつき飛ばそうと体当りしてくるから、まずは敏捷力の即決勝負だ。(ころころ)こちらはちょうどで成功。
ミル うちは-2で成功。
GM では、すかっとかわして、(男の敏捷力でもう一度ころころ)男は甲板の端から転げ落ちそうになったが、何とか落ちずにすんだ。
ザウ そいつ、武器とか持ってる?
GM 一応、小さなナイフを持っている。
ミル あんた、一体何者やねん。
GM 「なんだと! この俺の顔を忘れたのか!」
ミル はぁ? 会ったことあったっけ? ついでに今日は酔っ払っているから、記憶のほうもさっぱりよ(笑)。
GM 「ふ、ふ、ふ、ふざけるなぁ!」
バール なるほど、ナイフを持っているねぇ……。ちょうどいい。そいつのところに、つかつかつかと歩み寄る。
GM 「な、なんだよ、お前……」
ミル あんた、逃げるならさっさとせんと、命の保証はせえへんで。
バール おい、ミル。こいつお前の知合いか?
ミル 不本意ながらそうみたいやね。全然記憶にないんやけど(笑)。
GM 一応、知力-4くらいで判定してみる?
ミル してみた。でも当然失敗(笑)。
GM では、全くもって全然記憶にない。
ザウ どうせ、ミルに言い寄って叩きのめされた覚えのある男だろう。ま、放っておいても平気だろうな。俺は弱い相手には興味はない。先に部屋に戻っているからな。
ミル なるほど、そう言われてみればそうかもね。うちも、弱い者いじめは嫌いなんや。さて、部屋に帰ろうかな。
GM 「ば、馬鹿にしやがって!」とか叫びながら、いちおうナイフを振り回すが……。イニシアチブでも取ってみる? (ころころ)2だけど。
ミル うちからやな。ええっと……後ろ回し蹴りとかいうのもあるんやけど……いいわ、とりあえず振り向くだけ。
GM では、ナイフを振り回して、全力攻撃で襲いかかってくるが(ころころ)外れ。
バール それじゃ無言で切りつける。(ころころ)当たり。
ミル ほへ?
GM よけられるわけないで〜す。ダメージをどうぞ(笑)。
バール 切りの10ダメージ。
GM はいはい、当然鎧なんて着てないから、一気に生命力がマイナスになって、転倒、朦朧状態。一応、悲鳴くらいあげておこうかな。「うぎゃーぁっ!」
ミル い、いきなり切りつけたの?
バール なんだかよく分からないが、逆怨みはいけねえな。な、そう思わないか?
GM 痛みでのたうち回ってますが……って、そんな元気もないか。
バール しかも、刃物を持って切りかかった時点で、逆に相手に殺されても文句は言えないってことだよ。それくらいの覚悟はしてたんだろ、なあ兄さん。
GM だから、朦朧状態だから、ほとんど聞いてないってば。(一同笑)
バール 今ごろ知ったところで、その教訓はもう生かせないだろうがね。ザクッ!っと刺して、7ダメージ。
GM はいはい、刺しの二倍で14発。生死判定を二回して(ころころのころっと)何とか生きてる。気絶してるけどね。
バール そのままグリグリやってやろう(笑)。
GM ちなみに、突き立てられた剣は、その男の血を吸って赤く染まってゆく。刀鳴りは止まったな。
ミル ええっと、あまりのことに驚いて、それにはまだ気づかない。ちょ、ちょっと兄さん、いくらなんでも、やり過ぎやない? そのくらいで、もう、十分過ぎるわ。
バール まあ、ちょっと待て。今、食事中だ。(一同笑)
ミル 食事中?
GM 剣は完全に赤く染まった。
バール 終ったな。それじゃ抜いてやろう。
ミル な、なんやその剣は……。あんたら……一体何者や……。(腰が引けている)
バール ん? 何か問題でもあるのか?
ミル 一応、刃物を持っていた相手とはいえ、そこまでやることはあらへん。
バール だが、こいつに食事をさせてやらんとな。ジャスティスを見せる。
GM 見せられた剣は、黒曜石のような材質に見えるが、それがほのかに赤く染まり、淡く輝いている。
ミル ……!(無言で驚いている)
ルートの茶々 普通だったら、大声をあげて逃げ出すところかも知れない(笑)。
ミル そうしたいけれど、二、三歩後退りするくらいで堪えよう。……って、やっぱり恐怖判定で判定してみよう(笑)。(ころころ)これだと……いきなり後ろを向いて、ダダダダダッと駆け出して、そして15メルーくらい行ったところで、何とか振り向く。
ザウの茶々 「おぼえてなさい!」(一同爆笑)
バール それって、思いっきり悪人の台詞じゃないか(笑)。しかも無意味だ。
ミル この、化け者め!
GM どっちが? 剣? バール?
ミル どっちとも言えないけど。
バール このままじゃ何だからな。どっこいしょっと、男を甲板の縁までひきずっていって、そのまま海に放り込む。
GM ドッボーォン。
バール 運が良ければ、生きているうちに岸に流れつくさ。
ルートの茶々 あれだけの怪我で海に放り込まれて、よっぽど運が良くないと駄目だと思う。
ザウの茶々 おれは、絶対に無理だと思うぞ。
バール とにかく、これで用は済んだな。部屋に戻ろうか。
GM 甲板から部屋に戻るための階段に向かって歩くと、ミルの横を通り過ぎることになる。
ミル 一応、警戒しておく。それで、相手が何もしないなら、すれ違い様に……
GM かかと落し?(一同笑)
ミル ちがぁーうっ! すれ違い様にボソッと、「あんた……悪魔や……」
バール 悪魔? それは違うな。……そうだな、なんというかな……お前だって、飯を食うだろ。その飯は、元は生き物だ。そして、この剣は生きていて、生き物の血を吸わないと生きてゆけない。お前が飯を食うのと、この剣が血を吸うのと、何の違いがある?
それじゃな。ミルが特に何もしないなら、そのまま部屋に戻るが。
ミル ……恐かったので、部屋に戻って鍵をかけて、寝れたら寝る。
GM さて、ミルが眠れたかどうかはともかく、次の日の朝だ。
甲板に血溜りが出来ていて、乗客の一人が行方不明になったということで、ちょっとした騒ぎになっている。まあ、もともとガラの悪い奴だったから、乗客同士で喧嘩して、大怪我をして、海に落ちたか落されるかしたんじゃないかな。それで一応、港についたらガヤン神殿に通報して調べてもらわなけりゃならんなという話になっている。
バール そんなのはどうでもいい。朝飯を食いに、食堂に行くぞ。
ミル うちは、朝飯を食べる気になれん……けど、やっぱり腹が減ったから、食堂に行く。うちは「直情」で「正直」やからな(笑)。
GM 食堂には、バールとザウもいる。
ミル そこにつかつかつかと歩いて行く。あんた、よく平然と朝飯なんて食っていられるな……。
バール まあな。
ザウ 何かあったのか?
ミル (小声で)昨日あの後、そこの兄さんが、あの男に切りつけて大怪我をさせて、そのまま海に放り込んだんや。
ザウ ほう、そうだったのか。
ミル その人、ちょっと恐いで……。
ザウ ああ。この兄さんは、恐いでぇ。めっちゃくちゃ恐いで。本気になったら、かなわんもん。(一同笑)
ミル よく、こんなのと一緒にいられるわね!
ザウ まあ、腐れ縁だしな。
ミル とにかく、襲ってきた者をいちいち殺すようなことは、これからはやめて欲しいんや……。
ルートの茶々 そんなこと、わざわざ言いに来たのか?
ミル 「直情」だから、思ったことは実行せんと気がすまへんのよ。
バール 俺は庸兵の経験が長いからな。そんな甘い考えは通用しないことを知っている。お前も、戦いに巻き込まれれば、そのうちに分かるようになるだろう。
GM うん、そうかも知れないねぇ(笑)。
ルートの茶々 おや、今、どこからともなく神のお告げが。(一同笑)
ミル とにかく、格闘家として戦っているうちは、うちは絶対に人は殺さへん。
バール 別に、それに文句を言うつもりはないさ。まだ、何か言うことがあるのか?
ミル いいや。これでもう、言いたかったことは全部や。離れた所のテーブルに着いて、朝ご飯を食べる。
GM 食べた。そしてその日のお昼前、船はクラースの港に到着した。一応、事件があったということで、ガヤン神殿から捜査官が呼ばれ、乗客に事情聴取が行なわれるけれど……目撃者は名乗りでないのかな?
ミル ええっと……
GM いないなら、まあ、落ちた奴の身元を調べてみれば、やっぱりろくな奴じゃなかったし、このまま船の中に乗客を押し込めておくわけにもいかないから、一応、それぞれに名前とか、これからの滞在先の予定などを聞いた後、船を下りてもいいということになる。
ミル それぞれということは、何か見ませんでしたかとか、聞かれるわけ?
ルートの茶々 そりゃそうだろうねぇ……って、そういえば、ザウもミルも「正直」なのか(笑)。
GM そういえばそうだ。そうなると、意志判定に失敗すると正直に見たことを白状することになるんだな。隠さないで最初から話すというのでもいいんだけどね。
ミル あんなことがあったから、やっぱり喋りたくない。(ころころ)意志判定は成功や。
ザウ 俺も成功してるぞ。
GM では、事情聴取が終って、船から下りた。
ミル ええっと、この町に、ルートがいるんだよね。
GM そうだよ。
ミル ガヤンには話さなかったけれど、このままじゃなんとなく落ち着かない。ここは一つ、昔から秀才で世渡り上手だった、従弟[いとこ]のルートに相談に行こう(笑)。
ルートの茶々 よ、世渡り上手……かなぁ?
ザウ 俺たちはどうしようか。
GM ザウとバールだが、どちらもこの町に用があって来たわけじゃないから、特に予定はいない。でも、これまでずっとスティニアに追われていたのが、ひと息つけるといったところだな。
ということで、ここらで一つ、〈聖剣〉ジャスティスに関して調べてみて、眠れる龍についての手がかりを探してみるというのはいかがでしょう。もともと、ザウはそれが目的でバールと一緒にいるわけだし。
ザウ なるほど、それもそうだな。バール、それでいいか?
バール 別に構わんよ。それくらいなら、この町で仕事を受けながらでも出来るだろう。それじゃまず宿を決めて、それから俺は、仕事を探してくる。
ザウ それじゃ俺は手がかりを……って、どこを調べりゃいいんだ?
GM その手のものを調べるとなると、まずは、魔術師とかペローマ神殿とかで調査してもらうのがいいだろう。魔術師がどこにいるかは探さないと分からないけれど、ペローマ神殿ならすぐに分かるから、まずはそちらからだね。
ザウ それじゃそうしよう。
こうして、ザウは道行く人にペローマ神殿の場所を尋ねて、たいして時間もかからずにペローマ神殿へとやってきたのであった。
ところが、調査の依頼には金がかかるというのに、ザウの財布の中身は、これまでの逃亡生活や、乗ってきた船の運賃のせいで、淋しいかぎり。仕方がないので、無料で利用できる神殿の図書室で、何とか自力で調べようと思ったのだが……。
GM こういった調べものは、〈研究〉技能の判定なんだけど……。
ザウ 持ってなーい。
ルートの茶々 技能無し値は、知力-5だよ。
ザウ 知力は10しかないんだよなぁ。
バールの茶々 それに、こういった変わったものに関して調べるんだから、更にマイナス修正がつくだろうから、いくらやっても無駄だろう(笑)。
GM そうなんだよねぇ。山奥の龍の寺院で、ひたすら龍闘技蹴撃術だけを鍛えていたザウにとって、図書室での調べものなど、一体どうやって手を付けたらいいものやら、想像もつかない(笑)。
ザウ まさか、こんな所で書物を調べるだなんて、思ってもいなかったぁ!
GM とにかく、自力での調査はどう考えても無理だ。
ザウ そのくらいは分かるのだな(笑)。しかし、こんなたくさんの専門的な書物を調べなければ目的を達成できないなんて……何と険しい道のり! ファイトが湧くぜっ!(一同笑)
ミルの茶々 古の龍への道は、果てしなく遠いのであった(笑)。
GM そうしてファイトを燃やして自力で何とか集めた本は、何故か「トリースおいしい所巡り」「ちょっとグルメなおかず100選」「世界の珍味」とかだったりするのだな。(一同笑)
ミルの茶々 そうでなければ、格闘技の本が山積みとか(笑)。
ザウ 一応、龍関係の本を集めようとするけど。
GM それでも、いわゆる昔話とか、一般的な伝説とか、そういうのしか集まらないぞ。
ザウ 一応目を通して、なるほどと感心している。で、そのうち寝てしまうんだろうな(笑)。
GM さて、ザウがやってきたのとほぼ同じころ。ミルもまた、ペローマ神殿にやってきたのであった。
ミル まずは受付かな。こんちわー。
GM 受け付けには、ペローマ入信者の女性がいます。「どのような御用件でしょうか」
ミル ええっと、ここに、ルートってのがいると思うんやけど。
GM 「ルート……あ、ルート高司祭様ですね。あの……面会の御予約はお済みでしょうか?」
ミル あ、いいのいいの。ミルが来たって言えば分かるからさ。
GM 「あ、ああ。なるほどねぇ。へぇー。ルート高司祭様も、ああ見えて、なかなか隅におけないんだから」(一同笑)
バールの茶々 ああいう言い方をされたら、当然の反応だよな(笑)。
ミル (意志判定ころころ)ベシッ! うち、その手の扱いをされると、すぐに手が出るんよ。(一同笑) 「従姉の」ミルが来たって、伝えてください。
ザウの茶々 従姉弟でも結婚できるんだよ(笑)。
ミル キッ!(睨みつけている)
GM 「わ、わかりましたぁ〜。ルート高司祭様〜ぁ(涙)」
ルート なに、頬っぺた腫らしながら来るわけ?(笑)
GM 「高司祭様、従姉のミル様とかいう方が、御面会を求めていますが……」
ルート ミル姉さんが? あ、はいはい、わかりました。……で、何かあったんですか? 頬が赤いんですけど。
GM 「な、何でもないですぅ」
ルート そ、そうですか? それじゃ、会いに行ってみよう。
ミル あ、来た来た。
ルート ミル姉さん。いつ戻ってきたんですか?
ミル ちょっと前や。それより、ちょっと相談したいことがあるんやけどね。
ルート 相談?
ミル ええっと……こういう場所じゃ何だから……。
ルート それじゃ、私の部屋に行きましょう。こっちですよ。
ザウ あ゛うーっ! わっかんねえぇーっ!(一同爆笑)
GM 図書室のほうから、どこかで聞いたような大声が聞こえてきたようだ(笑)。
ミル 知覚判定していい?
GM どうぞ。
ミル おおっ、これまたえらい成功。でもまあ、ドワーフは大概ああいう声だろうってことで、とりあえず無視しておく(笑)。
それで、久しぶりに会ったんだから、まずはお茶でも出しぃな。
ルート もう準備してます(笑)。
ミル へぇ、気がきくようになったやん。
ルート 昔からですよ。それで、何があったんです?
ミル 実はやな……兇悪大犯罪を目撃したんや!
「実は……」と、ミルは昨夜船の上であった事件を、かくかくしかじかと説明し始める。ミルとしては、ザウの兇行について興味を持って欲しかったらしいのだが……。
ミル そういう、危ない男がおったんや。ガヤンに密告したりしたら、その男から何されるかわからんし、うちはもう、どうしたらいいのか……
ルート ははぁ、なるほど、それは面白そうな剣ですねぇ。(一同笑)
バールの茶々 おおーい、興味の対象がずれてるぞ(笑)。
ルート それで、どんな剣でした? ぜひ一度、その剣を見てみたいものです。
ミル あんた、うちよりその剣のほうが大事なん!?
ルート い、いや、そういうわけじゃないんですけどね。しかし……血を吸う魔剣かぁ……。どんな剣なんだろう。どういういきさつで、その人の手に渡ったんだろう……。
ミル だから、ちゃんと聞いとるの!?
ルート あ、聞いてますよ、聞いてます。ちゃんと聞いてます。
ミル それでその男の雰囲気が、まるですご腕の殺し屋なんや。本人は庸兵やとか言っとったけどな。それで、その剣に餌をやるとかいって、うちに襲いかかってきた男をこれ幸いと切り捨てて……
ルート 餌をやる? なるほど、庸兵なんて仕事をしていれば、普段は餌に困らないですね。しかし、本当に変わった剣ですね。気になるなぁ……。
バールの茶々 結局、剣のほうに興味が行くわけね(笑)。
ミル と・に・か・く、世渡り上手なアンタに、これからどうしたらいいか相談に来たんだから、ちょっとは考えや!
ルート 世渡りはド下手ですけどね。要領悪いし、運も悪いし、しかも「正直」だから、いらないこと言っていつも損してるし(笑)。
ミル あれれ?
GM ちょっと待て、バール以外の三人、みんな「正直」なのか!?
ザウの茶々 (キャラシートをのぞき込んで)なるほど、みんな「正直」だな。
GM げげ……こういう連中が連れだって旅をしたりしたら、不要なトラブル抱えまくりのような気がしてきた。
ミル とにかく、なんで世渡りが下手なんや? 町ではみんな、この若さで高司祭なんかになったから、世渡り上手だと思われてんで。
ルート 高司祭になれたのは、親父が偉いからですよ。それから、非常に要領が良くて運が良くて頭も良かった兄が高司祭に任命されたんだけれど、あんなことで追放されたから、その空いた所に私が入れたってのもあるんですけど。
ミル そう言えば、兄って、なんて名前だったっけ?
ルート そりゃ、私がルート(√)だから、兄はスクエア(自乗)とか(笑)。
ザウの茶々 本当にそうなの?
ミル そうなると、多分愛称で呼ぶだろうから……スーちゃんかな? そうなると、ルートはルーやね(笑)。
バールの茶々 ルートは十分短いから、それ以上縮める必要ないんじゃないか?
ミル それでいいわ。とにかく、スーはついに追放されたんか。昔から、怪しげなことばかりやっとったけどな。
完全に、昔話のほうに話の内容が移ったようなので、ここで、場面を変えて次は仕事を探しにいったバールの方。
バールは庸兵とはいっても、普通の仕事からかなりヤバイ仕事まで、わけ隔てなく引き受けるつもりなので、まずは裏タマットでも探してみることにした。もちろん、スティニアからの追っ手を警戒するために、裏タマットの情報屋に顔をつないでおくという意味もあったのだろう。
GM はーい、しばらく裏通りを歩き回って、怪しい連中に話をつけて、とある裏通りにある、裏タマット神殿の場所を教えてもらった。で、ここがそうです。
バール よお、仕事を探しているんだがな。何かないかい。
GM 「いきなり仕事をくれと言われてもな、あんた、庸兵だろ? そう言うのは、どちらかと言うと、表の管轄なんだが……まあいいか、ちょっと調べてきてやる」
と言って、ドアを開けて奥の方に引っ込んで行く。じつは、そこから表通りに面した表のタマット神殿につながっていたりするのだな。(一同笑)
バール あ、安直な……。
GM タマット神殿って、そんなものらしいよ。同じ建物の、表通りに面した方から入ると表のタマット神殿。それで、神殿の地下部分とか、隠された区画とかに裏タマットがあることも多いそうだ。
バール それで、何か仕事は見つかるのか。
GM そうだったね。しばらくして、いくつか見繕ってきてくれた。一番割が良さそうなのは、〈異界の森〉エディールまで、薬の材料を採りに行くのに護衛が必要で、それを募集している。
ザウの茶々 異界の森?
GM 怪しげな動く植物とか、巨大昆虫とか、変なものが一杯集まっている森。妙なものが多いだけあって、特殊な薬の材料なんか結構採れるんだそうだ。今回は、ペローマ神殿が霊薬の原材料を確保するために人を派遣するんで、それの護衛ということだな。
バール 他には何かないのか。
GM これと報酬や危険度はそれほど変わらないけれど、拘束期間が長過ぎるとか、逆にすごく楽な仕事だけど報酬も悲しいほど少ないとか、そういうものばかりだね。
バール そうなると、そのペローマ神殿の仕事を引き受けてみよう。それで、期間と報酬はいくらだ?
GM エディールまで行って、霊薬の原材料を採取して、ここまで戻ってくるので大体四、五巡りくらいかな。それで、報酬は一人あたり1,000ムーナ。食糧その他必要経費は神殿が出してくれる。
バール よし、引き受けることにしたぞ。それから、連れがもう一人いるんだが。
GM それじゃ、詳しくはペローマ神殿を直接訪ねて聞いてくれということになる。あと、報酬の前金の中から、仕事の仲介料を100ムーナほどもらうけどね。
バール そのくらいは相場だろうな。それじゃ、紹介状を書いてもらったら、ペローマ神殿に行くことにしよう。
GM では、ペローマ神殿だ。受付でその紹介状を見せると、頬がちょっと赤くなっている入信者の女性が対応してくれる。「ええっと……ルート高司祭様の管轄ですね。ご案内します」
ルート まだ腫れてるのか。ミル姉さんも、容赦ないからなぁ(笑)。それで、私がそれの責任者なの?
GM 実は、エディールまで原材料の採集に行くのも、君の仕事になっているのだよ。若くて優秀だから、こういった大変そうな仕事は、全部君の所にまわってくる。しかも、いくら高司祭とはいえ、まだまだ若蔵なんで断ることも出来ない(笑)。
ルート ありそうな話(笑)。それで、何を採りに行くって?
バール 霊薬の材料だそうだ。
GM 普通だったら、商人から買いつけたりするんだけどね。やはり珍しい材料は、なかなか手に入らないから。とにかく、
「ルート高司祭様、頼んでおいた、護衛の方がいらっしゃいました」
ルート あ、そうですか。どうぞお入りになって下さい。始めまして、私が高司祭のルートと申します。
ミル ええっと……その場にいるよね?
GM ルートと世間話をしてただろ。
ミル 「そういえば、叔父さんたち元気にしてる?」とか(笑)。
GM それで、ルートがお入り下さいと言ったから、バールも当然部屋に入ってくるよな。
バール ん? よお、また会ったな。
ミル また? あ、あああああーっ!
ルート ミル姉さん、どうかしました? ひょっとして、知合いですか?
ミル こいつや! さっき話してた奴!
ルート さっきって……ああ、ひょっとしてあの、非常に興味深い剣を持っているという庸兵の方ですね!
ミル そう、それ!
ルート ミル姉さんから聞いたのですが、あなたは、実に面白そうな剣を持っているとか。よろしければ、ちょっと見せていただけませんか?
バール 姉さん? お前、そいつの弟か?
ルート いいえ、従弟なんです。
バール まあ、見たいと言うなら見せてやろう。
ルート へえ……見たところ、いかにもという感じの宝剣ですね。しかも、ミル姉さんの話では、人の血を吸うとか。
ミル ちょっとルート、あんたには拒否反応とかいうものはないんか? そいつが血を吸って、真っ赤になって、ドクドクいうとんやで!
ルート いやぁ、それほど興味深い現象なら、是非とも一度この目で見てみたいものです。「好奇心旺盛」の虫が疼きます(笑)。
バール ああ、大丈夫だ。護衛の間、何度か見ることになるだろうからな。ついでに訂正しておくが、こいつの餌は、何も、人の血である必要はないからな。
ルート なるほど……。ああ、とにかくお茶を入れましたから。このお菓子もどうぞ。ミル姉はもうそっちのけで、バールさんの相手をする。(一同笑)
ミル こらーぁっ、そんな奴、もてなすなぁっ!
ルート それで、それはどういった曰くのある剣なのですか。よろしければ、その剣にまつわる話とか、どういういきさつであなたの手に渡ったのかとか、話していただけませんか。
バール もともと、俺が家から持ち出したものなのだがな。
ルート 家から持ち出した! ということは、その剣が代々伝えられていたのですね。
GM そうだ、ここでルートにも〈地域知識〉の判定でもしてもらおうかな。なければ知力-4で。
ルート 余裕で成功。
GM その刀の鍔の部分に、スティニア高地王国の紋章がついている。
ルート おや、それはもしや、スティニアの紋章では?
バール そうだが。
ルート そうなると、あなたの家は、スティニア王家と何かつながりがあったということですか。
バール 多分、そんなところだろう。
ルート それからもう一つ質問。あなたの家に代々伝わっていたということは、それまでずっとおいてあったってことですが、その間、ずっと血を吸わせていたんですか?
バール いいや。俺が持ち出すまでは、ただの宝剣だったみたいだぞ。
ルート 鞘から抜いたら覚醒するとか、そういうものなのかなぁ……。
GM 何か調べたいなら、自分の持っている技能で判定してもいいぞ。
ルート その前に、いろいろ書物を調べてみたいなと思ったところなんだけど。あ、そうだ。もし御迷惑でなければ、その剣のスケッチをさせていただけませんか。
バール それは別に構わないが……俺は、仕事の件で来たんだぞ。
ルート あ、そういえばそうでした!(一同爆笑) これは失礼しました。といって、仕事の説明を始める。
といっても、実際に説明するのはGMだったりする。
説明といっても、バールが裏タマット神殿で引き受ける時に聞いた話と、大した違いはない。ルートがエディールまで霊薬の材料を採りに行くので、そこまでの道中と、エディールに入って材料の採集を行なう間の護衛が、バールたちの仕事である。
ルート それで、あなたが護衛の第一号ですね。あと、二、三人必要なんですが。
バール もう一人、俺の旅の連れのドワーフがいるんだ。そういえば、あいつはペローマ神殿に調べ物に行くとかいっていたが……。
ルート 調べ物というと……この神殿の図書室ですかね?
ミル あれ? すると、さっきの叫び声は……。
バール 行ってみるか。
ルート そうですね。どうせこれから、図書室で調べ物をしなくちゃならないですし、みんなで図書室に行ってみましょう。
バール そうだな。
ルート ミル姉さんはどうします?
ミル まあ、ええわ。うちもついてったる。
ザウ そして、図書室に来てみると、本の山に囲まれて、ザウがささやかな寝息を立てていたりする(笑)。
ルート ドワーフの方が、格闘技の本を枕に、気持ち良さそうに寝ているようですが……。それに紛れて、二、三冊、龍関係の本もあるようですし、そこに開いているのは、料理の本ですね。
バール ……こいつだよ。
ルート あ、やっぱり? とにかく、枕にしている本にヨダレがつくと困るから起こしましょう(笑)。もしもし、起きてください。
ザウ んあ? あれ? バールじゃないか。なんでここに?
バール ペローマ神殿から、護衛の依頼があってな。それを引き受けた。お前もつき合うだろ?
ザウ ああ、そういうことか。もちろんだ。それから、そこにいるのは、ペローマの人だろ? ついでだから、この辺りの本を読んでくれないかな。
ルート この辺りって……格闘の本ですか、それとも、龍の童話の本ですか?(一同笑)
ザウ 童話ぁ? そんな本だったのか、これ?(笑)
ルート 龍について調べていたんですか。それで、龍の、どういうことについて調べたいのですか。
ザウ 何について調べたらいいんだろう?(一同笑)
バール この剣が関係しているんだから、調べるなら、こちらの方が先じゃないのか。
ルート ああ、その、血を吸う剣とかいうやつですか。
バール あまり、そういういい方はしない方がいいぞ。気を悪くするようだからな。こいつのことは、とりあえず〈聖剣〉ジャスティスとでも呼んでくれ。(一同笑)
ルート せ、聖剣?
バール 魔剣とか呼ぶと、怒るからな。
ルート せ、せめて、ジャスティスとだけ呼ぶんじゃ駄目ですか?
バール まあ、いいんじゃないの。
ミル ど、どこが聖剣やねん! どう見ても、呪われた魔剣やないの!
GM ガタガタガタガタガタッ!
バール ほ、ほら、怒り出した! あまり怒らせると、勝手に動き出して切りかかってくるかも知れないから、気をつけろよ(笑)。
ルート な、なるほど、本当に意志を持っているみたいですね。
とか何とか、図書室で話をしていたら、「ルート高司祭様、図書室では静粛にお願いします」と怒られてしまったので、ルートは慌てて必要な書物を借り出して、自分の部屋へとみんなを連れて戻ったのであった。
それから、まずはジャスティスのスケッチをして、それから〈考古学〉や〈神秘学〉で何かわからないか、とりあえず判定をしてみた。
その結果、鞘や柄の細工はかなり古い様式のもので、おそらく悪魔戦争終結後から、シュラナート帝国成立前後(1100〜700年くらい前)辺りのもののようだということがわかった。もっとも、鍔にスティニアの紋章が入っているように、あちこちに細工し直した跡も見られるようだ。
ルート なるほど……結構年季の入った物のようですね。もっとも、後世になってから、昔の様式を真似て作ったという可能性もありますが。
それから、〈神秘学〉の方もずいぶんと成功したんだけれど。
GM ううむ、意志を持った剣ということで思い浮かんだのが、〈悪魔〉が取り付いている「デビル・ソード」というモンスターがいるのだが……
ルート これ、そうなの?
GM 実物を見たことはないから、はっきりしない。でも、それにしては大人し過ぎるというか何というか、とにかく、どうも違うんじゃないかとは思う。そもそも、デビル・ソードの多くは、儀式用の装飾が施された、なまくらな剣だということだし。
ルート そもそも、スティニアの紋章が入っているんだから、違うと思うんだがなぁ。
GM それから、剣の装飾に使われている宝石だけれど、それらは合計で8点くらいのパワーストーンだ。もっとも、この剣に対して専用化されているようで、そのパワーストーンから力を引き出して呪文をかけるのに使うということは、出来ないようだ。
バール そうだったのか……。ジャスティスが自分で使うのか?
ルート なるほどねぇ……とりあえずメモっておこう。どうせ今日一日で、全部調べるのは不可能なんだし。
GM とにかく、ぱっと見てわかったことは、そのくらいかな。
ルート そういうことなら、今日はこれで、仕事の方に戻ろう。
バール 俺たちも、宿に戻るとするか。出発の日時が決まったら、教えてくれ。
ルート そうですね。あと一人か二人集まったらお知らせしますよ。
GM では、バールとザウは宿に戻ると。それで、ミルはどうするの?
ミル 一度実家に顔を出さなきゃならないんやけど……懐具合が淋しいから、その仕事、うちも手伝うわ。
ルート そうですか。何日か待っても人が集まらなければ、こちらから誘おうと思っていたんだけれど、それなら話は早いです。ミル姉さん、よろしくお願いします。
GM ではそういうことで、ルートが今抱えている仕事はすぐに片付くから、二、三日中には準備が出来て、出発できるでしょう。
GM 数日後。はい、それでは出発しまーす。
ルート はーい。それじゃ、皆さんよろしくお願いします。
GM 10日後、〈エディールの入口〉と呼ばれている、マイテという町に到着。
一同 は、早い(笑)。
ミル あっという間に、10日経ったんね。
GM どのとおり。道中は、特に何の問題もなく──ジャスティスがちょっと騒ぎ出したくらいだ。(一同笑)
バール それは、食事の確保か何かで、その辺の動物を切って収めたんだろうな(笑)。
GM 食糧は持っていったからなぁ。どちらかというと、裏通りの怪しい酒場あたりをうろついて、刃物ざたの喧嘩が始まったら、止めに入るふりをして叩きのめすとか。
バール それもやりそう(笑)。
ルート 森の中に入るってことは、これからは野宿になると思うんだけれど、そういう装備は、持ってきたことにしていいのかな?
GM 構わないよ。さて、このマイテの街は、エディール探索の拠点となっている小さな街なんだ。ここから、目的の薬草が生えている辺りまで、片道三日といったところらしいね。迷わなければだけど。
ルート 今日はこれでゆっくり休んで、森に入るのは、明日からということにしましょう。といういことで、明日の朝までは自由行動にします。
ミル 自由行動って……あんた、遠足とちゃうんやで(笑)。
バール 一応聞いておくが、護衛の内容に、この街の中での護衛は含まれないのか?
ルート まあ、大丈夫でしょう。その分、森の中では頑張ってもらいますから。さてと、私はこの街の観察でもしてみますか。
ということで、街の中は各自自由行動。しかし、特に変わった事件もなく、そのまま次の日の朝になり、いよいよエディールの中へと入り込むことになるのであった。
GM さて、エディールの中なんだが、午前、昼、午後、夜営中と、一日4回、なにかイベントが発生したかどうか、2D6を振って決めてもらう。たとえば2とか12とかいう極端な目を出すほど、おおごとになるからね。
ルート それじゃ、それぞれ担当者を決めて、ダイスを振ることにしようか。
GM それじゃまず、一日目の午前中の分をどうぞ。
ミル はーい、それじゃ午前中はうちが振るわ。(ころころ)12!
GM でででーん、のっけからそういう極端なのを出すのでない!
ミル でも、3D6なら普通出ると……
ザウ 違う、イベント表はダイス二つだって言ってたじゃないか。
ミル あ、そうかそうか(笑)。それじゃふり直して(ころころ)7。
GM それでは、まずは森の中に無事に踏み込みました。
ルート お昼は私が振ります。(ころころ)8。
GM はい、順調に進んでいます。
ミル こうやって、無難な目が続いて欲しい。
バール 夕方は俺だな。4が出たぞ。ちょっと怪しい辺りか……。
GM 4は、どうやら道を間違えたらしいということに気づいた。明日は、まず、すこし戻って、正しい道まで戻ることになるな。
バール まあ、仕方あるまい。森の中で少し迷うのも、予定のうちだろうしな。それで、夜営中は何かあったのか?
ザウ 今決める。(ころころ)はっ、12だぁ!(一同笑)
ミル 何も夜営中に、そんな極端な目を出さんでも(笑)。
GM でも、出たものはしかたない。それで、見張りはどういうふうにやっているのかな?
バール やはり、護衛の三人で時間を決めて交替だろうな。
ルート 人数が少ないですから、私も入れて4交替にしておきましょう。それで順序は……
GM 見張りの順は決めなくていいや。ダイスで、誰が見張りの時に出たか適当に決めるから。(ころころ)ミルが見張りの時だ。周囲はほとんど密林で真っ暗なんだが、その奥の方から、バキバキバキと木々をなぎ倒す音が近付いてくる。
ミル ちょっと待て! バキバキバキだとぉ? 一体何なんや!?
GM ミシミシ、ベキッという、かなり太い木が倒されたような音も聞こえてくる。
ミル と、とにかく、全員を起こす!
GM 起こされるまでもなく、聴覚判定に成功すれば起きていい……というか、どちらにしても、すぐに全員目を覚ますな。
音はますます近付いてくる。そうして君達が警戒する中、焚火の明りに、身長4メルー、前足が鋭い鎌のようになった、直立したサンショウウオのような怪物が姿を見せるのであった。こういうやつね。(「ガープス・ルナル」449ページ右上の、怪獣カマラナイである)
ルート な、何か、インチキくさい化け物だな(一同笑)。〈動植物知識〉は成功。
GM 怪獣カマラナイというそうだ。
ルート 名前もなんか怪しい。
バール しかも、怪獣ときてる(笑)。
ミル とにかく、怪獣なんやな。襲ってくる?
GM まだ結構距離があるけれど、こちらに近付いてきているのは確か。
ルート とりあえず隠れましょうか。単に通り道なだけかも知れないし。
バール そうしよう。それじゃ分散して、その辺りの繁みとかに身を隠す。
GM 身を隠した。しかし、このカマラナイは腹が減っていて、餌を求めて移動していたのだな。茂みに隠れても臭いまで消せるわけじゃないし。君達の夜営跡でしばらく臭いを嗅いだ後……そうだな、ルートが隠れているところに近付いてくる。
ルート やはり見つかったか。
バール こうなったら、やるしかないな。
ルート ……ちょっとまて、何で俺だけ見つかるんだ?
バール 「不幸」だからに決まってるだろう(笑)。
ルート ああっ、なるほど!(一同笑)
見つかってしまったら仕方がない。茂みに隠れていた一同は、一斉に飛び出してカマラナイに攻撃を開始する。もっとも、ルートは怪獣と戦うほどの腕があるわけじゃないので、攻撃は護衛のみんなに任せて自分は全力防御。そのおかげで、他のみんなが駆けつけるまでの2ターン、何とかカマラナイの攻撃は受けずにすんだ。
そして、カマラナイの後ろから追い付いた三人が、一斉に攻撃を開始。背後からの攻撃なので能動防御も出来ず、ミル、ザウ、バールの三人分のダメージをきれいに食らって、このターンであっというまに朦朧状態。(バールの、背後からの全力2回攻撃のダメージが、またでかかった!)
その後、三人の全力攻撃をくらいまくり、結局、このまま朦朧状態から回復することなく、怪獣カマラナイはあっけなく斃されてしまったのであった。
GM ついに気絶判定に失敗した。ずどぉーぉん!
ルート さすが、これだけ大きいと、倒れる音も違うなぁ。ええっと……怪獣、サンショウウオカマキリだったっけ?
バール 見た目はそうだが、名前は全然違うぞ(笑)。
ルート とにかく、実物を見たのは初めてだ。珍しいから、皮の厚さとか、鎌の造りとか、体の造りとか、しっかり観察しておこう。
ザウ それじゃ、こいつに止めを刺したら、夜営地も少し移動だな。
バール あ、ちょっと待て。ちょうどいいから、ジャスティスに食事をさせる。(一同笑)
GM で、移動して、寝直して、朝になるわけだ。では、また午前中の分をどうぞ。
ミル 5やけど。
GM それは、ぐるっと回って、また夜営地のところに戻ってきてしまった。
ミル ありゃりゃ?
ルート 仕方ないですね。それじゃお昼の分です。(ころころ)よし、7だから、大丈夫でしょう。
GM そうだね。正しい道まで戻ってこられた。
バール 午後は11だ。
ルート がーん! また、何か出そうですね。
GM 道には迷わなかったけれどね。今度はニョロニョロと、蛇さんが出てくる。ニシキヘビみたいなもんだと思ってくれ。
ルート 怪獣ニシキヘビ?
ザウ 怪獣じゃないだろう(笑)。
ミル まあ、昨日の怪獣よりも、ずっとましやね。
GM さてここで問題です。蛇は、何類でしょう。
ルート 爬虫類。
ミル ……ええっと……ここは、あんたらに任せるわ。
ルート そういえば、爬虫類恐怖症だったっけ(笑)。
GM ということで、恐怖判定をどうぞ。
ミル 一応成功したけれど、やっぱり、戦うのは嫌(笑)。
ルート そういえば、ミル姉は昔から、蛇とかトカゲとか、大嫌いだったですからねぇ。
ミル うるさい、黙っとれ!
バール この程度なら、ミルがいなくても大丈夫だろう。さっさと片付けて夕食にするぞ。
さっさと後退してしまったミルを無視して、残りは大蛇との戦闘に突入。と言っても、ルートは相変わらずの全力防御である。大蛇の攻撃は、今回はダイスで公平に決めて、まずはザウに巻き付くことにした。
GM ザウに巻き付いて締め付け攻撃だ。まずは、敏捷力の即決勝負で「組みつき」の判定だな。組み付く側に+3の修正がついて、こちらの目標は16だ。
ザウ その+3がなければ互角なんだけどなぁ。
GM (ころころ)ありゃりゃ、でも16なんて振っちゃったよ。
ザウ ラッキー、それならこっちの勝ちだ。
GM ううむ、ザウに巻き付いていれば、うかつに攻撃したらザウに当たるはずだったんだがなぁ。
こうなってしまうと、いくら大蛇でも所詮はただの野性動物。ザウやバールの攻撃を「よけ」だけで何とかするなど無理な話で、これまたあっという間にぼこぼこにされてしまった。まあ、今回はキャラクターの顔合せということで、敵も弱めに設定してあったんだけどね。
GM あっという間に、朦朧状態。
バール あ、そう。今回も楽に片付いたな。
ミル それを、ちょっと離れた木の陰からちらちらとのぞきながら、「ね、ねえ。終った? 終った?」とか(笑)。
ルート 姉さん、結局、蛇とかトカゲとかが駄目なのは治ってないんですねぇ。
ミル それで思い出した。あんた昔、うちの鞄の中にトカゲを入れておいたやろ!
ルート それは、私じゃなくて兄さんですよ。
ザウ お前ら、なに昔話をしてるんだよ。まだ戦いは終ってないんだぞ!(一同笑)
ルート でも、相手は朦朧状態になったんでしょう。すぐに終りますって(笑)。
GM 一応、次のターンで朦朧状態からは回復したけれど……間違いなく、逃げ出すよなぁ。
ルート ほらね。それで、そのまま逃がしてやってもいいような気がするけれど。
ザウ 止めだ! (ころころ)ありゃ? 17って……。
バール 技能が15以下ならファンブルだ。
ザウ それならセーフ、ただの失敗だ。
バール んでもって、俺の全力攻撃が当たれば12ダメージね。
GM よけられませんって。それで死んだかな……うん、死んだね。
ルート 結局、逃がしてあげなかったわけね。ま、いいか。ミル姉さん、片付きましたよ。
ミル 死体……その辺に、まだあるよね?
バール あるに決まってるだろう。それに、こいつは今夜の夕食だ。(一同笑)
ミル いやーっ!
ルート それじゃ姉さんだけ、今夜は食事抜きということで(笑)。
バール 今夜は蛇のステーキかな。
ルート 鍋もいいですね。
ザウ グルメな俺としてはだなぁ……
バール これだけたくさんあるんだ。ステーキに鍋に、みんな好きな物を作って食おうぜ。
ルート それもそうですねぇ。
ミル ……うち、向うで一人で食事するわ。保存食くらい持ってきてるやろうし。
次の日は、珍しく道に迷いもせず、危険な動植物も出現せず、順調に先に進むことが出来た。
その次の日は、午前中でさっそく迷う。昼は湿地でマッドマン(「ガープス・ルナル・モンスター」114ページ)と出会ったが、無駄な戦闘はしたくないので、さっさと逃げ出した。
そして午後。ようやく目的の薬草が生えているという地点に到着したのであった。
GM 後は、目的の薬草を探すだけだけど、日が落ちたから今夜は夜営ね。
ザウ ほい、5だよ。
GM 無事に朝になった。それで薬草を探すのだが、〈動植物知識〉か知力-6で判定。
バール それは、ルートの仕事だな。
ルート そうでしょうね。(ころころ)余裕で見つかりました。
GM そのくらい成功していたら、薬草以外にも、怪しげなキノコとか、妙な鉱物とか、変なトカゲとかも採集出来た。
ルート 変なトカゲ? ミル姉に見せたら、怒るだろうなぁ(笑)。いくつかの袋に分けて入れて持って帰ります。
GM すると、生きたまま袋に入れられたトカゲなんかは、中でごそごそ動いているわけだ(笑)。
ミル ひゃえ〜ぇ、離れて歩くぅ〜。それ、外に出したりしたら、ただではおかんよ〜。
ルート せっかく捕まえたのに、わざわざ逃がすようなことしませんよ(笑)。さて、目的の品も見つけたし、あとは帰るだけですね。
しかし、ここまで来るのにも、迷ったり、危険な動植物と遭遇したりしたのだ。帰りもまた、いろいろ苦労することになる。
まず、その日の夜には、腹を減らした(?)歩行樹(「ルナル・モンスター」106ページ)が出現。ルートは「おお、これも初めて見るぞ!」と喜んでいたが、刺の生えた触手4本で攻撃してくるし、蛇などと違って痛みで朦朧ともしない。夜営中で見張り以外は鎧を着ていないので、結構面倒な相手……だと思っていたんだが……。
GM 一発目はザウに当たって7点叩きダメージ。二発目がルートに攻撃成功。
ザウ 痛てて……受けは失敗だ。
ルート 私は受け成功です。
GM 三発目バールに(ころころ)外れ……
バール って、それ、ファンブルじゃないか(笑)。
GM そうなんだよねぇ。効果は(ころころ)7。バランスを失い、次のターンは行動不可。次のターンの自分の番まで、能動防御-2か。また、タコ殴りにされるのかよ……。
それでも、このターンの四発目はあるから……でも外れ。
ザウ 反撃は命中、ごきゅっと9ダメージ。
バール こちらも当たりで9発。
GM ボカッ、ザクッと両方くらう。でも、植物相手なら、切りでもダメージはそのままだろうな。はい、次のターンのイニシアチブだ。
ミル うちからやな。ここで、さっきから集中していた《倍速》の発動(ころころ)失敗してしもた〜。
GM 最初からやり直す? それとも、あきらめて戦闘に参加?
ミル さっきのファンブルで、このターンは反撃がないんよね。回し蹴り成功。
GM (ころころ)さっきのファンブルが効いてるな。それ、命中ね。
ミル ドカンと11発(笑)。
この後、更にどかどかとダメージをくらって、最後はバールの攻撃で歩行樹は活動停止。終ってみれば、やはり楽勝といったところだった。
でも、斃したところで、さすがにこいつは食えないし、ジャスティスの餌にもならない。あまり嬉しくない相手ではあった。
ミル さてと、それじゃ出発して、午前中の判定は……5って、ぐるんと戻ってくるんやったな。来る時も、ここで迷ったような気がする(笑)。
ルート 迷い易い場所なんでしょう。それでお昼は(ころころ)げげーっ、2だって!?
GM (これまで歩いてきたところを記した地図の現在位置から、なにやらぐねぐねと適当に線を引き始める)
バール どうやら、完全に迷子になったようだぞ(笑)。
GM そのとおり。今、自分達がどこにいるやら、どっちに向かえばいいものやら、さっぱりわからん。
ルート がーん! で、でも、〈方位計〉の呪文を知っているから、方角だけはわかりますよ。(ころころ)成功です。
GM 実は、毎回判定をする前に、君が〈方位計〉の呪文を使っていれば、モンスターはともかく、道に迷うことはなかったのだが(笑)。
ルート ……言われてみれば、そんな気もする。
ザウ おい……。
バール 今までの苦労は何だったんだぁ?
ミル こいつは、いつも肝心なところで、役に立たないんだから。
ルート そういうミル姉さんだって、私がこの呪文使えるの知ってるんだから、一言言ってくれたっていいじゃないですか!
ザウ おいおい、こんなところで喧嘩しても仕方ないだろう。迷ってしまったものは仕方ない。とにかく、どっちに進めばいい?
ルート ええっと……北はあっちです(笑)。
こうして(誰のせいとはあえて言わないが)、エディールの中をさんざんうろついた挙げ句、予定より三日遅れだったが、何とか無事に森から脱出することが出来たのであった。
ルート やれやれ……ようやく森から出られたぞ。
ミル つ、疲れたぁ……。
GM 出発前に泊まっていた宿に戻ってきた。「おや、無事に戻ってきましたか。ちょっと帰りが遅いので、遭難したんじゃないかって噂してたところなんですよ」
バール 実際に遭難してたんだよ(笑)。
ザウ 道なき道をかき分けて、何とか脱出してきたわけだ。
ルート と、とにかく、これでゆっくり休めますよ。このまま二、三日ゆっくりして、出発は、十分疲れが取れてからにしましょう。
ミル 久しぶりに、まともな飯が食べられるしな。
GM そういうことなら、夕食は、店の主人が腕を振るって、名物料理をつくってあげよう。「どうです、おいしいですか?」
ミル ぱくぱく。うん、結構いけるやないの。
GM 「ありがとうございます」
ザウ これ、なんていう料理?
GM 「今朝、森で捕れたばかりのキンイロハラグロトカゲを、空揚げにしたものです」
ルート 金色腹黒トカゲ?
ミル ぶっ、うぐっ……。
GM 「ええ。数が少ないので、なかなか捕れないんですけどね」
ミル ……吐きに行きます。
ルート ミル姉さん、爬虫類は駄目なんだよね……。
ミル あんた、いったい何て物食べさせるの!
GM 「あ、すいません。トカゲじゃなくて、キンイロハラグロイモリということではどうでしょう?」
ミル ええ加減にせい!
ザウ うまいなら、トカゲだろうがイモリだろうが、どっちでもいいぞ(笑)。
| No. | 名前 | 台詞数 | (%) |
| 1 | GM | 147 | ( 26.7 ) |
| 2 | ミル | 132 | ( 24.0 ) |
| 3 | ルート | 105 | ( 19.1 ) |
| 4 | バール | 101 | ( 18.3 ) |
| 5 | ザウ | 64 | ( 11.6 ) |
| 6 | 一同 | 2 | ( 0.4 ) |
| 合計 | 551 |
ルナルの新シリーズです。前シリーズのキャラは少々ひ弱だったので、今回は130CPで、しっかり戦えるキャラを作ってくれと注文を出したら、予想していたよりも、ずっと怪しい設定の連中が出来上がってしまった。ということで、こいつらが一緒に行動する理由を作る辺りで、すでに苦労しています。
さて、今回はキャラクターの顔合せということで、後半の〈異界の森〉エディールの探索は、おまけみたいなもんです。ということで、あまり苦労しないような敵ばかり配置したのですが、予想以上に敵は弱かったですね。
次回以降は、それなりに強力な敵を出すつもりなので、心してかかるように。
Copyright (C) 1999 USAKA Tomonori and CRITICAL HIT!!